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山好き的日々@京都北山

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2009年 02月 11日

雨乞岳-奥の畑から

 2/8に鎌ヶ岳に登ったとき、雨乞岳だけが白く見えていました。そこで、2/11にまだ雪の残っているは雨乞岳に登ってみました。この日の天気予報は午前中は晴れるが、午後からは気圧の谷が通過するので雲が広がってきて雨になるとのこと。そのため、できるだけ早く登って下りてくるためには、甲津畑からのアプローチして奥の畑経由で登ることにしました。

 予報どおり、早い時間は晴れていて、奥の畑までは快適でしたが、奥の畑峠に上がると雲が立ちこめてきてどんよりとした天気になってしまいました。雨乞岳山頂も30分ばかりの滞在で、杉峠に下りました。ここまで少ない積雪で締まった雪だったので、ワカンもアイゼンも要らなかったのですが、杉峠への下りはアイスバーンになっていて、滑り落ちそうでした。
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 南雨乞岳から雨乞岳-東雨乞岳の稜線を眺望しています



 今日も単独行ということで、午前5時30分に京都の自宅を出発し、京都東ICから名神に乗り、八日市ICで下り、R421から甲津畑に向かいました。車道には積雪はなく、グリーンランドの前を通過し、鳴野橋の手前に車を駐めました。まだ駐車車両は1台もありませんでした。
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 鳴野橋手前に駐車しました

 身支度を整えて、午前7時ちょうどに出発しました。岩ヶ谷林道の入口には通行止めの立て看板が出ていました。しばらくは舗装された林道が続きます。10分ほど歩いたところの左手に空地に「千草街道散策行程」という新しい案内板が設置してありました。これによると、岩ヶ谷林道入口から杉峠まで、6.6㎞、2時間35分となっています。
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 スタート地点の岩ヶ谷林道入口
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 新しく設置された「千草街道散策行程」案内板

 舗装道路から地道に変わってからも雪は全くなく、途中倒木が邪魔をしているところがありましたが、難なく通過して、15分ほどで杉谷善住坊のかくれ岩に着きました。
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 林道には全く積雪はありません
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 杉谷善住坊かくれ岩に着きました
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 雪のない林道をスタスタと進み、樹林帯の中も駆け抜けると、やがて桜地蔵尊に到着です。今日は、下山するまで雨に降られないように!とお願いしました。
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 樹林帯の中の林道を進みます
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 桜地蔵尊には下山まで雨を降らせないようにとお祈り!
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 桜地蔵尊を過ぎるとすぐに林道終点の鉄橋があります。この橋を渡ると、フジキリ谷の右岸にある登山道を進むことになりますが、奥の畑入口まで3つの丸太橋を渡ることになります。
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 フジキリ谷にかかる鉄橋を渡ります
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 一つ目の丸太橋(最近修理されています)
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 二つ目の丸太橋(H19.9)

 やがて古屋敷跡というところにやってきました。ここは、ツルベ谷出合とも呼ばれるところで、右に折れてフジキリ谷を渡渉してツルベ谷に入り、大峠に向かう分岐点になっています。今日はそのまま直進します。
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 古屋敷跡には集落の石積の名残があります
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 さらに進むと、三つ目の丸太橋があり、フジキリ谷を渡ります。渡った直後に登山道が左に直角に曲がるところがありますが、実はここが奥の畑の登山口になっています。
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 フジキリ谷にかかる三つ目の丸太橋
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 直角に曲がるところにある標識
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 奥の畑に入る場所を示す標識
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 奥の畑に入る前に蓮如上人旧跡に立ち寄ってみました

 奥の畑の登山口に入ると、山腹をトラバースして、奥の畑谷を渡渉します。谷の左岸を行くと、次第に広がってきます。ここが奥の畑の入口になっています。
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 奥の畑谷の最初の渡渉地点
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 奥の畑の入口の風景

 広い草原のようなところを進むと、再度右岸に渡渉することになります。すると、さらに広い草原(今は雪の下に隠れています)になります。ここが奥の畑です。太陽が昇ってきて、青空も見えています。コバ地のようなところを谷寄りに進むと、奥の畑の主ともいうべき大きな樹木がありました。
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 奥の畑の中心部に入ってきました
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 奥の畑の主「シオジの大木」

 その後、谷の渡渉を3回くらい繰り返し、右手に稜線(これは清水の頭のある稜線)が近づいてきたところで、低い笹尾根に取り付きました。積雪が締まっているので、キックステップでどんどんと登っていきます。3日前に歩いたと思われる足跡が残っていたので、後を追うように登り詰めると奥の畑峠に到達しました。
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 奥の畑谷を何度か渡渉します
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 取り付いた笹尾根には灌木もあります
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 奥の畑峠に出る手前のところ

 奥の畑峠に出てみると、いつの間にか青空はなくなっていて、厚めの雲がどんよりと立ちこめていました。清水の頭の方に目をやると、稜線の上に鹿がいました。じっとしてこちらを見つめています。せっかくの稜線でしたが、青空に恵まれないのは前回(08/03/15)と同じでした。
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 清水の頭を眺望しています
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 稜線上に鹿が1頭いました
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 南雨乞岳の方向を眺めています
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 南方向の山並み(仙ヶ岳などが並んでいます)

 稜線上の雪は少なく、低い笹が所々に出ていました。南雨乞岳に向かって進むと、小ピークがあり、このあたりから積雪が増えてきました。
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 小ピークから綿向山の方向を見ています
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 南雨乞岳に向かう稜線には雪庇が残っていました
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 よく見ると鹿が1頭います(南雨乞岳への尾根)

 南雨乞岳の山頂には10時すぎに到着しました。ここは眺望がよいので、しばらく滞在して写真撮影をしました。
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 正面に雨乞岳を見ています
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 御在所岳と鎌ヶ岳
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 鎌尾根が見えています(手前は南雨乞岳の南尾根)
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 清水の頭から続く稜線-向こうには綿向山があります

 南雨乞岳から雨乞岳までの道は、無雪期であれば背丈を越える笹で覆われていて藪漕ぎをしなければなりませんが、今は笹も雪の下に潜り込んでしまっていて、実に歩きやすい。ワカンもアイゼンも不要の雪質でした。すぐに雨乞岳の山頂に到着しました。
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 雨乞岳山頂から御在所岳と鎌ヶ岳を眺望しています
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 雨乞岳から東雨乞岳に続く稜線(よく見ると登山者が写っています)
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 雨乞岳山頂の小広場
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 雨乞岳から綿向山方向を写しました

 雨乞岳山頂には、午前6時に湯の山温泉を出発し、武平峠を経て、4時間かけて登ってきた男女4人がいたので、少しばかり山談義。30分ほど山頂にいましたが、雨の心配もあり、下山は杉峠を経由して、千草街道を戻るのがよいと判断しました。
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 雨乞岳から杉峠に下りるところに小雪庇があります
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 杉峠に下る稜線からイブネに続く稜線ラインがくっきりと見えています

 杉峠への下りの後半部分はアイスバーン状態になっていて、滑り落ちそうになりました。本来ならばアイゼンを取り付けるべきところでしたが、ちょっと横着してノーアイゼンで下りてしまいました。
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 杉峠の杉が眼下に見えます
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  杉峠の風景

 杉峠からは、もう何度も歩いたことのある千草街道を甲津畑に向けて戻ります。杉峠の直下に何やら建物があると思ったら、蓮如上人旧跡のところにある小屋と同じような感じの山小屋でした。さらに下ると、ミズナラの大木である一反ぼうそうがありました。
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 杉峠直下の小屋
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 一反ぼうそう-天に向かって手を広げているようです
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 一反ぼうそうの全体像

 さらに下っていくと、シデの並木と呼ばれる巨樹の並ぶところを通過します。大きな古木が倒れていました。
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 シデの並木道
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 大きな古木が倒れています
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 向山鉱山跡を通過すると、谷を渡るところに橋がありました。この橋は最近修理されているようです。
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 向山鉱山跡付近を通過
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 修理された橋を通過

 やがて大シデのあるところにやってきました。このシデはいつみても立派なもので、足(根)を大地にしっかりとおろして立っています。大シデを過ぎると、蓮如上人旧跡のところにある小屋まで戻ってきました。時刻もまだ12時過ぎで雨も降ってこないようなので、ここで昼食タイムにしました。
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 いつ見ても立派な大シデ
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 大シデの全体像
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 蓮如と頓入の一夜泊まりの竈
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 小屋の中にあった蓮如上人の絵

 あとは、往路を急ぎ足で戻ることにしたので、約1時間で岩ヶ谷林道の入口の駐車地まで戻ることができました。何とか雨に降られずに済みました。下山時刻が午後1時35分と、まだ十分時間があったので、帰りに永源寺温泉「八風の湯」に立ち寄りました。ここの入浴料金は1500円と高いので、今日は2時間ほどゆっくりと汗を流しました。

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 この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平20業使 第438号)
 
<コースタイム>090211晴れ後曇り
700岩ケ谷林道 715杉谷善住坊隠れ岩 735桜地蔵尊 750古屋敷跡(ツルベ谷出合) 800蓮如上人旧跡810 840奥の畑 930奥の畑峠 1005南雨乞岳1020 1030雨乞岳1100 1120杉峠 1135一反ぼうそう 1210蓮如上人旧跡(昼食)1240 1250古屋敷跡(ツルベ谷出合) 1305桜地蔵尊 1320杉谷善住坊隠れ岩 1335岩ケ谷林道


by kitayama-walk | 2009-02-11 23:23 | 鈴鹿山系


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