2007年 03月 17日
以前に供御飯峠から半国高山に登ったときに、その稜線からに西に見えたタカノス(鷹ノ巣山・654m)が妙に気になってしまい、いつか登ってみようと考えていました。昭和60年8月日航ジャンボ機が墜落した群馬県の御巣鷹山(1639m)と何となく語呂が似ていることからでしょうか。また、タカノスから稜線伝いに行ける山としては朝日峰(688.3m)があり、そこからは愛宕山に至る道には、松尾峠、カヤノ木峠、ウジウジ峠、ダルマ峠、サカサマ峠と5つの峠を越えます。この峠道は林道の通過で古の面影はなくなっているものの、一度歩いてみたいと思っていました。サカサマ峠からは愛宕山に行ってもよいのですが、今回は高雄山(428.6m)を経て、神護寺に下りてくるコースを歩いてみました。 京都駅から周山行きのJRバスに乗りました。周山街道(R162)を北上し、京都市北区小野上ノ町から旧京北町滝ノ町に抜ける笠トンネルを越えた滝ノ町バス停で下車しました。笠トンネルは昭和48年に竣工した全長1199mのトンネルですが、トンネルが開通するまでは旧道の笠峠をバスが登っていたと言います。 滝ノ町バス停から少し戻り、トンネルの手前に余野川沿いに京都府射撃場に行く道を進むと、すぐ右手に旧道に入るゲートがあり、ここから旧道に入ります。左に回り込むと真下にR162が見えます。 舗装道路ですが、古びてしまい、路上には落ちた木の枝などが堆積していて、今はたまにハイカーが通るくらいの道になっているようです。 やがて峠の手前で鉄製のゲートがあります。これを越えるとすぐに笠峠に着きます。ここには小さな祠があり、首なし地蔵が祀ってありました。 笠峠の祠の裏手の斜面は伐採されており、ここから取り付きます。急な斜面を登って行くと、右手からやってきた作業道に合流しました。この作業道に沿って登って行くと左手からやってくる尾根と出合います。伐採されているので北方向の展望がよく、城丹国境尾根の山並み-天童山、飯森山、桟敷ヶ岳-がはっきりと見渡せます。 登山道は樹林帯に入りますが、はっきりとしていています。すぐに右手に伐採地が見えてきます。そのまま尾根筋に乗って登っていきます。所々に目印のテープがあります。やがて稜線に抜けたところで右(西)に直角に曲がります。このあたりは道もはっきりとしています。 10分ほど進むと、大きな松の木の根元にタカノス(鷹ノ巣山)の三等三角点(654m・点名は滝谷)がありました。山頂からの展望はあまりよくありませんが、それでも南に朝日峰や愛宕山、竜ヶ岳、地蔵山、北東に城丹国境尾根の桟敷ヶ岳などを垣間見ることができます。 タカノスからは南に下り、田尻峠をめざします。急な下りになっていますが、踏み跡程度の道があります。鞍部は植林帯になっていますが、再び尾根を登って行きます。やがて東南から西南に直角に方向が変わるピークがあります。さらに進むと左手から林道が上がってきており、これと合流して尾根を進みます。間もなく林道が終わると少し歩きにくくなります。そのまま尾根を外さないように進みますが、尾根沿いにネットがあります。すぐに田尻峠に着きましたが、あまりはっきりしない峠です。 右手の斜面が伐採されていて、前方には朝日峰の頭が見えています。 田尻峠から尾根伝いに朝日峰に向かう方法もありましたが、今回は廃村田尻に立ち寄りたいと思い、伐採された斜面を田尻谷川まで下りました。 廃村田尻は昭和初期まで人が住んでいたと言います。今は、樹林の中に苔むした石垣が立ち並び、往時を思い起こさせます。しかし、谷の山側に1軒のログハウスがあり、また反対側に1対の石灯籠と大きな石碑(田尻彦之命・春子姫之命と彫られている)がありました。 廃村田尻を抜けると、道端に3体の石仏があるのに目が止まりました。 さらにしばらく行くと、道が2つに分かれます。右は馬谷に沿ってウジウジ峠に向かう道ですが、ここでは左に行き、松尾峠をめざしました。 谷沿いのしっかりした道が続いていますが、やがて道は山道に変わり細くなり、谷に沿って登っていきます。やがて、谷から離れたところで、前方が明るくなり、ネットが設置されている道となります。 右手が伐採地になっているところをどんどん進んでいくと松尾峠に着きました。 松尾峠は三叉路になっていて、ここから朝日峰に向かいます。峠から北に少し登ったところの左手に朝日峰への取り付きがあります。 ここから尾根に登るはっきりとした道が付いています。10分ほど登ると朝日峰の山頂に到着しました。山頂には三等三角点(688.3m・点名朝日峯)がありますが、灌木に覆われていて展望はありません。しかし、たくさんのプレートがかけられており、その人気ぶりをうかがわせます。 山頂からは来た道を戻りますが、途中左手に展望がある箇所があります。ここから東方面が開けており、手前に峰山(537.6m)、沢山(516m)、遠くに比叡山(848.3m)を望むことができました。 松尾峠まで戻り、ここからは峠道を縦走することになります。峠から少し下ったところに、松尾峠のお地蔵様(地蔵菩薩)があります。鎌倉期の作と言われていますが、今はブロックとトタンで造られた祠に祀られていて、何だか変な感じがしてしまいます。 まずはカヤノ木峠をめざしますが、広い林道歩きとなります。松尾峠の北あたりがかなり伐採されており、地肌を無惨に晒しているのが痛々しく感じられます。 林道は少しずつ登っていますが、どんどんと進んでいくと、右手に愛宕山(924m)の鶏頭と竜ヶ岳(921m)が見えてきます。やがて樹林の中に入ると、カヤノ木峠に着きます。 さらに林道を進むと、今度は右手からウジウジ谷から登ってくる林道が合流してきます。ここがウジウジ峠でした。 さらに進むと、右手に水場があり、今度は左手が明るくなって展望が開けてきます。ここからは京都市内が一望でき、遠くには比叡山を望むことができます。もう少し進むと、今度はダルマ峠を通過します。左手から林道が合流しているところです。 ここを通過すると、やがて前方の展望が開けてきたと思うと、「愛宕山参拝口」と書かれた案内板がありました。 ここを右手に入ると、左に再び京都市内が展望できるようになり、すぐにサカサマ峠に着きました。ここには首無地蔵があります。文字どおり首がない地蔵様が祀られていました。 サカサマ峠は交通の要衝となっていて、ここから愛宕山へ行く道、竜ヶ岳に向かう道、梨ノ木谷から清滝に下る道、高雄・神護寺に下る道が分岐しています。今回は高雄に下ることにしました。先ほどの案内板のところまで戻り、林道を下って行きます。林道は舗装されているので、車で愛宕山に登ろうと思えば、ここまで来ることになります。舗装された林道をどんどんと下っていくと、途中で「右高雄神護寺」と書かれた道標があり、ここから山道に入って行くことになります。 山道はゆるやかに下っていきますが、途中で高雄山(428.6m)に立ち寄ることにしました。登山道からは少し外れているので、右手にある取り付きに気をつけて、ここから5分ほどで山頂に着きました。山頂は小さな広場になっていて、三等三角点がぽつんとありました。 登山道まで戻り、さらに下って行きます。やがて、神護寺の裏手に下りてきます。 神護寺の金堂の横を通過し、金剛力士像のある山門を経て、清滝川にかかる橋まで下ると、山城高雄バス停(JRと市バス)ではすぐでした。 <コースタイム> 070317晴れ時々くもり 925滝ノ町バス停 945笠峠 1035▲鷹ノ巣山 1130田尻峠 1140廃村田尻 1220松尾峠 1235▲朝日峰(昼食)1330発 1400カヤノ木峠 1420ウジウジ峠 1440ダルマ峠 1455サカサマ峠 1540神護寺分岐 1555▲高雄山 1425神護寺 1435高雄バス停
by kitayama-walk
| 2007-03-17 23:47
| 京都北山
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