2014年 10月 26日
【日 付】 2014年10月26日(日曜) 【天 候】 晴れ 【山 域】 加越国境 【メンバー】kitayama-walk(単独行) 【コース】 火燈登山口-大内峠-鉄塔-P739-熊の平-火燈山-▲小倉谷山-P783-ブナの小平-P876-▲富士写ヶ岳-大内登山口-火燈登山口 昨年11/9に石川県の我谷ダムから富士写ヶ岳に登ったとき、山頂に「不惑新道~火燈山へ約3.5㎞」と「大内に下る」という2つの標識があり、気になった。調べてみると、大内峠直下に火燈登山口があり、火燈古道が2012年8月整備され、不惑新道が火燈山から小倉谷山を経て富士写ヶ岳に続いていた。また富士写ヶ岳から大内登山口に直接下る登山道(大内コース)がある。大内登山口と火燈登山口は近接しているので、火燈古道、不惑新道、大内コースを使えば周回登山ができることがわかった。ただ、新・分県登山ガイド「石川県」の「富士写ヶ岳」には「不惑新道は廃道に近いので、やぶこぎの覚悟が必要」と書かれていたのが気になったので、ネットで最近の情報を見ると、不惑新道はシャクナゲの群落が続くが、登山道として整備がされているのでやぶこぎはないということであった。本当はシャクナゲの季節である5月に歩きたかったが、紅葉の季節でもいいかと思い、今回の周回登山となった。 ちょっと寝坊して出発が遅くなってしまった。北陸道福井北ICで降り、R416からR364に入り、たけくらべ温泉を通過して、県境の丸岡山中温泉トンネルを抜けたところから右折して舗装された道を進むと、すぐに大内登山口があり、さらに進むと火燈登山口の駐車場に到着した(8:20)。ここには、大内村の由緒が書かれた碑文と廃村となった碑文があった。この舗装道路は大内峠越の旧道のようであるが、福井県に通り抜けできないと書かれてあった。このすぐ横に「火燈古道 大内峠→」の標識があり、右手には小さな白山神社が祀ってあった。登山口の取り付きは迷うことはない(8:30)。峠坂を登っていくと、すぐに大内峠に着いた(8:35)。峠には立派な石標とお地蔵さんを祀った小さな祠があったここが、福井県坂井市と石川県加賀市との県境尾根である。取り付きには、「火燈古道(大内峠) 火燈山へ2.6㎞ 富士写ヶ岳へ6.1㎞」というプレートがあった。 尾根道に取り付くと右手に、辿ってきたR364と旧峠道が見える。自然林の中を行くよく整備されている。まもなく送電線の鉄塔を通過した(8:45)。樹木が伐採してあるので左右の眺望があり、左手には前尾根越しに富士写ヶ岳の上部が見える。細い尾根ではあるが、よく踏み込まれているので、所々に急斜面があるものの、補助ロープが設置してあるので、苦労することもない。左手の樹間から富士写ヶ岳が次第に多くなってくる。すでに紅葉が始まっており、クロモジなどは黄色く色づいている。どんどん高度を上げていくと行く手に尖ったピークが見えてきたが、これは火燈山ではなく小倉谷山である。やがて展望のある、小さな空間に出てきたが、ここがP739で、正面に火燈山、左に小倉谷山が見える(9:35)。ここから一旦下って鞍部に出たが、ブナ林があった。よく見ると「熊の平」と書かれたプレートが架けられていた(9:40)。ブナ林の中を登り返して行くと、すぐに展望の開けた火燈山の山頂に着いた(9:45)。 火燈山は、三角点こそないが、地形図には名前が入っている。その名の由来は、丸岡町豊原寺の山伏たちが修行としてこの山に登り、護摩を焚いたことからきているとか、あるいは信長に追われた一向宗徒がここで烽火を挙げたことからきているそうだ。小さな山頂からの展望はよく、東北から北にはこれから歩く小倉谷山と富士写ヶ岳が、南東には丈競山と浄法寺山が並んでいる。西には福井平野や坂井平野、そして北潟湖の風力発電の風車や日本海も一望できる。 写真撮影で少し時間を取ったが、指呼の間にある小倉谷山に向かう。一旦下ってからは再びブナ林の中の登り返しとなる。紅葉し始めたブナを見ながら登っていくと、右手に展望が出てきたかと思うと、三等三角点のある小倉谷山に到着した(10:20)。この山頂も眺望がよく、富士写ヶ岳がより大きく見える。三等三角点の点名が「伏拝(ふしおがみ)」と書かれていることから、ここから白山を遙拝したであろうことが想像される。そういえば、法恩寺山と経ヶ岳の間にあるP1360が白山伏拝岳と呼ばれていたことを思い出した。残念ながら、加賀大日山の向こうに見えるはずの白山には雲がかかっていて見ることができなかった。 さて、小倉谷山(901.6m)から富士写ヶ岳(941.9m)までの縦走路(不惑新道)は、シャクナゲのある快適な尾根道かと思っていたが、そうではなかった。確かにやぶこぎはなかった。また概ね眺望もよかった。だが、それは2つほどの小ピークを越えたP783までであった。ここから補助ロープがある急坂を80mほど急降下する。鞍部からはブナ林が広がっていて、ちょっと気持ちが和む。「ブナの小平」という標識にある辺りからしばらくの間は傾斜が緩やかであった。しかし、やがて急登となり、P876まで100mほどの激登りとなった。長い補助ロープが張ってあり、危険ということはなかったが、結構しんどい登りであった。P876からは傾斜が緩くなるとともに、紅葉したブナ林の中の歩きとなった。ほどなくして富士写ヶ岳の山頂に飛び出した(11:55)。 1年ぶりの富士写ヶ岳山頂で会ったが、やはり紅葉の時期も人気の山であるらしく、我谷ダムから登ってきたと思われる10人ほどの登山者がランチタイムを楽しんでいた。焼肉の美味そうな匂いがしてきたが、当方はカレーうどんと助六寿司だ。恩地のカレーうどんはイマイチで、やはりカレーうどんは得正がうまい。もちろん保冷袋に入れてきたヱビスビールもまだよく冷えている。相変わらず白山の手前に雲がかかって見えないが、白山に乾杯だ。天気は上々で暑い。今日は気温が高く、これまで汗をたくさんかいてきたのだった。前夜の睡眠時間が3時間だったので、急に眠くなってきて山頂で昼寝することにした。30分ばかり寝たであろうか。山頂の登山者はいなくなっていた。寝起きのコーヒーをゆっくりと楽しんでから下山にかかった(13:30)。 下山はもちろん大内コースだ。このコースも尾根道の下りとなっていて、最初の辺りは眺望もよく、今日歩いてきた火燈山から小倉谷山、そして富士写ヶ岳に続く尾根がよく見えている。振り返ると、富士写ヶ岳の山肌も紅葉が始まっている。やがて樹林の中に入り眺望がなくなったが、登山道ははっきりとしていて、迷うようなことは全くない。しかし、この登山道が意外と曲者であった。堀状の登山道の岩がぬめっていて滑りやすい。そして土も粘土質とくる。滑りやすい環境が整っている。これでは転ばない方がおかしい。というわけで何度も転ぶと思ったが、転びやすい箇所ではゆっくりとストックを駆使して折りたため、1回も転ぶことがなかったのは奇跡的とも言えよう。1時間ほどで大内登山口に下り、未舗装の林道を右手に行くと舗装道に出た。あとは150mほど歩くと、駐車地の火燈登山口に帰ってきた(14:30)。 <コースタイム> 8:30火燈登山口-8:35大内峠-8:45鉄塔-9:35P739-9:40熊の平-9:45火燈山10:00-10:20▲小倉谷山-11:05P783-11:15ブナの小平-11:40P876-11:55▲富士写ヶ岳13:30-14:25大内登山口-14:30火燈登山口
by kitayama-walk
| 2014-10-26 23:45
| 湖北・福井・美濃・飛騨・加賀
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