2014年 03月 29日
【日 付】 2014年3月29日(土) 【天 候】 曇り後晴れ 【山 域】 奥越 【メンバー】クロオ、kitayama-walk 【コース】 奥越高原青少年自然の家(駐車地)-三角山-林道登山口(展望所)-▲保月山-杓子岳-中岳-切窓-▲経ヶ岳-中岳-杓子岳-P1215-林道出合-林道登山口(展望所)-三角山-奥越高原青少年自然の家(駐車地) 3月も下旬になると雪が少なくなり、今年は特に寡雪ということもあって、雪を求めて奥美濃から福井の山に行こうと考えた。週末の天気予報も次第によくなり、嶺北の方が晴れ予報になっていた。福井の山といえば、今年のスノー衆パート3(2/22)で縫ヶ原山に登っているが、このとき見た雪をかぶった荒島岳と経ヶ岳の印象的であったことから、どちらに登ろうか思案した。荒島岳には無雪期にはもちろん残雪期(2009/3/1)にも登っている。これに対し、経ヶ岳には無雪期に2度登ったことはあるが、積雪期には未踏であることから、今回が経ヶ岳に登ろうと決めた。早速クロオさんに声を掛けたところ、3/29は空いているということだったので、一緒に登ることにした。 経ヶ岳は、岐阜県境の山を除くと、福井県内最高峰(1625.2m)であり、三角点のある南峰と吊り尾根で結ばれる北峰(1609m)からなる双耳峰である。登山ルートは、「福井の雪山」「福井の雪山Ⅱ」でいくつか紹介されているが、最もポピュラーな杓子尾根コースで登ることにした。このルートなら無雪期に歩いていることもあっておおよその感じがわかる。しかし、案内によると、保月山から杓子岳に至る間がヤセ尾根の難所であるとされている。下山は、杓子岳から南尾根を下り、P1215を経て林道に降り立つルートを考えた。 経ヶ岳は、県境の山を除くと、福井県内最高峰であり、三角点のある南峰と吊り尾根で結ばれる北峰(1609m)からなる双耳峰である。登山ルートは、「福井の雪山」「福井の雪山Ⅱ」でいくつか紹介されているが、最もポピュラーな杓子尾根コースで登ることにした。このルートなら無雪期に歩いていることもあっておおよその感じがわかる。しかし、案内によると、保月山から杓子岳に至る間がヤセ尾根の難所であるとされている。下山は、杓子岳から南尾根を下り、P1215を経て林道に降り立つルートを考えた。 待ち合わせは、スノー衆パート3のときと同じ大野のVIOに午前7時だ。予定より早く6:20頃に到着すると、すでにクロオさんが待っていた。空を見上げると、荒島岳の上空は晴れているが、これから登る経ヶ岳は雲が多い。予報では午前は晴れるが、午後から雲が広がり夜には雨になるという。予報より早く天気が下ってきているのでテンションが上がらない。かといって、すでに雨が降っているわけじゃないので登らないというわけにもいかない。取りあえず行けるところまで行こうということで六呂師法恩寺林道を進むと途中にゲートがあってこれ以上進めない。P665地点あたりだ。ゲート前には多摩ナンバーの車が1台駐まっており、山スキーを担いだ単独行の男性が出発しようとしていた。ここから林道を歩いて登るが、経ヶ岳は初めてだという。私は、このゲート地点から林道登山口(展望台)まで歩くと1時間以上かかることは分かっていたので、林道を引き返して奥越高原青少年自然の家の奥にある登山道から登ることにした。途中で振り返ると次第に陽が当たってきて雲が切れて青空が多くなってきていて、荒島岳や銀杏峰、部子山などの姿がきれいだ。少しテンションが上がってきて、さあ登るぞという気持ちになった。 奥越高原青少年自然の家は福井県が運営している施設で、この日も大型観光バスが1台駐車場に駐まっていて、子どもたちが宿泊していた。この駐車場に電話ボックスを利用した登山届ボックスが設置してあったので、車を駐めさせてもらうことにした(実は少し奥に駐める場所があった)。登山口はここから300m先にありますとアナウンスがあったので身支度を整えて出発することにした(8:05)。アスファルトの舗装道を少し進むと、前方に保月山から杓子岳に至る尾根と杓子岳の南尾根(下山に使おうと考えている)が見える。まだ空が青い分、気持ちが明るい。すぐに「三角山・経ヶ岳登山口」と書かれた表示板があった(8:10)。保月山2時間、杓子岳3時間、経ヶ岳5時間とある。むろん、これは無雪期のコースタイムだから、果たして午後1時まで経ヶ岳山頂に到達できるかどうか不安になったが、午後1時になったら、そこでランチタイム1時間とって引き返すことにした。 登山口からは登山道が山腹を登っていた。そう急登ではないが、15分ほどで尾根に出た(8:25)。三角山(P799)から少し登った地点である。尾根は緩やかに登っており標高800mを超えると少し雪が出てきた。左手に荒島岳(1523.5m)と小荒島岳(1186m)を見ながら歩くと間もなく林道に出た(8:40)。ここが無雪期の登山口で標柱もある。林道を右に50mほど行くと展望台と駐車地がある。無雪期にはこの駐車場に車を置いて登山することになる。展望台からは荒島岳、小荒島岳、能郷白山、姥ヶ岳、部子山、銀杏峰などの山々が見える。すると、先ほどゲートで出会った単独行の山スキーの男性がやってきた。やはりゲートからここまでの林道歩きに1時間以上かかったようである。 山スキーの男性が先行し、その後を追うようにして私たちも登山口から登り始めたが、すぐに雪があったのでスノーシューに履き替えた。少し植林の中を登ると植林から抜け出すが、急登になり雪が少なくなり、登山道の階段などもあったことからスノーシューを外すことにした。やがてまた雪が出てきてつながるとスノーシューを履き直すことにした。やはりスノーシューを履いた方が歩きやすい。しばらくはブナの自然林の中を緩やかに登って行く。天気はまだ青空が多く、荒島岳、銀杏峰や部子山などの景色も次第によくなってくる。先行する山スキーの男性はかなり健脚のようでなかなか追いつけないが、ようやく保月山に到着した(10:15)。保月山までほぼ2時間、コースタイムどおりだ。ここで最初の小休止を入れることにする。 さて、保月山から先が今回のコースの難所と言われているヤセ尾根である(10:30)。前方を見ると雪を被ったヤセ尾根が杓子岳へと続いているのがわかる。しかも、一旦下ってから登り返しになっている。ここからはスノーシューを外して、やはりアイゼンを装着することにした。いつぞやの笈ヶ岳のときのような怖さはないが、やはりヤセ尾根なので転倒しないように慎重に足を運ぶ。やがて雪稜が行き詰まった。ここが夏道の岩峰であった。ここは右から巻いて乗り越すことになっていることは事前にわかっていた。覚えのあるハシゴが2つあった。このハシゴを越えると、今度はバーティカルな急斜面を登ることになる。無雪期にはロープがあるところだ。灌木が進路を遮り邪魔になるが、これをつかんでよじ登る。所々雪が穴を開けており、それに足を突っ込んで苦労するが、何とか雪稜の上に出た。すると前方には杓子岳に続く緩やかな尾根と左にはこんもりした中岳、その間には経ヶ岳が頭を出している。荒島岳方面や越前大日山方面はまだ晴れ空が広がっているが、これから向かう経ヶ岳の方向は雲が広がってきている感じでテンションも少し下がってきた。急がなくては白山の姿が見られないかも知れない。再びスノーシューに履き替えて尾根を歩き出すと先方に山スキーの男性の姿が見える。尾根は次第の広くなり、徐々に高度を上げていくと、杓子岳のたおやかな山頂に到達した(11:30)。杓子岳まで3時間少々。ほぼコースタイムどおりに進んでいる。この調子なら午後1時までに経ヶ岳山頂に登れそうだ。 杓子岳からは、なだらかな雪稜が続く中岳とその左には目的の経ヶ岳(南峰)が大きく見える。さあ、ここからはスノーシューハイクだ。中岳への登りは一部ササが露出しているので左から巻いて上がっていく。よく見るとスキー板がデポしてある。山スキーの男性は今日はスキーは無理とあきらめて置いていったのだ。この中岳の右斜面には雪庇がなかったので、この斜面をショートカットして切窓に下ることもできそうだったが、尾根芯を進み、中岳山頂をちゃんと踏んでから最低鞍部である切窓に急降下だ(11:50)。スノーシューをアイゼンに替えてキックステップを踏みながら下っていき、切窓に降り立った(12:05)。ここから山頂までは230mほどの急登になる。すでに雪がなく登山道にササが出ている箇所がある。雪のない部分は歩きにくいので、できるだけ雪のある部分を踏んで登っていく。途中大きな落石が転がってきたが、少し離れたところだったので危険はなかった。上部に行くに連れて登山道の雪が少なくなりササが出ている。もう少し雪がついていたら楽であったのにと思いながらも足を運ぶと山頂に到達した(12:45)。結局、登山口から4時間35分かかり、コースタイムより25分早く山頂に着くことができた。 山頂に着くと、山スキーの男性がいて、多摩ナンバーの車だけれど、今は大津市に住んでいるとか。山経験も豊富で北海道・東北の山々に登っていたそうだ。道理で体力があるはずだ。山頂には標柱が立っているが、山頂そのものは雪に覆われていて台地のようになっている。無雪期には標柱の周辺だけがササがないが、今は周囲にあるササも雪に覆い隠されている。少し北に行くと北峰が間近に見える。もちろん、すぐに目に入ってくるのは、白山の御前峰と剣ヶ峰、そして別山だ。北峰から尾根続きにあるのは赤兎山であり、その左手には大長山が控えている。さらに左を見ると、法恩寺山とスキージャム勝山のリフトがあり、その向こうには昨秋登った越前甲山(越前大日山)と加賀大日山が並んで見える。目を東に転ずれば、別山から三ノ峰、打波谷の頭、二ノ峰、一ノ峰、銚子ヶ峰と続き、さらに願教寺山、よも太郎山、日岸山、薙刀山、野伏ヶ岳、小白山、枇杷倉山などの石徹白の山々も見える。 一通り写真撮影を終えた頃、山スキーの男性は往路をそのまま引き返すと下っていった。先ほどは雲が広がってきて、天気が下り坂になると思いきや、反対に雲が少なくなって青空が広がってきた。おまけに風もほとんどなく、山頂はむしろぽかぽか陽気だ。下山タイムを午後2時と決めてランチタイムにすることにした。いつも得正のカレーうどんでは飽きてしまうので、今日は「千とせの肉うどん」にした。お笑い芸人を育てた大阪ミナミの味という触れ込みだ。これに野菜、練り天、豚バラ肉を入れて煮込んだ。ビールもヱビスのロング缶と奮発した。ぐびぐびと喉が鳴るほどうまい!やはり晴れた山で飲むビールの味は格別である。おにぎり1個と肉うどんを平らげながらクロオさんを談笑しているとあっという間に時間が過ぎてしまい午後2時が近づいた。 さて下山を開始する(14:10)。登ってきたササ道をアイゼンで下るが、歩きにくい。左下には池ノ大沢と呼ばれる平坦地があるが、もともと経ヶ岳は火山であり、池ノ大沢は火口原である。以前無雪期に唐谷川を遡ってここに登ってきたことがあったが、ブナ林が印象的であった。途中で雪面に移動して急斜面をキックステップで駆け下りるとあっという間に切窓に着いた(14:30)。ここでスノーシューに履き替えることにした。ここからは往路の尾根芯ではなく、左斜面の雪原を登っていくことにした。雪庇がないので斜面を駆け上がることができると判断したからだ。太陽が眩しいくらい強く照りつけるようになった。振り返ると経ヶ岳にはほとんど雲がなく青空が広がっている。天気予報がよい方に外れて僥倖に恵まれた。まさに晴れ男の面目躍如というところだ。中岳を少し過ぎたところで稜線に出て、杓子岳までは雪稜漫歩のスノーシューハイクとなった(15:15)。 杓子岳で小休止した後、ここからは往路のピストンではなく、南尾根を下りP1215を経て林道に下ることにした。往路のヤセ尾根の難所を回避するとともに時間短縮しようという狙いである。地形図を見ると左側が断崖で切れ落ちているが、杓子岳から眺める限りでは尾根筋を歩くことができそうである。それに薄いワカンのトレースもついていた。所々に雪庇ができているので注意しながら下っていく。振り返ると青空をバックに杓子岳、経ヶ岳、そしてP1555が並んで見える。やがて尾根が右に曲がると急な下りとなる。所々ヤブが出てきた。まだ薄いヤブなのでそう苦労はしない。P1215付近で振り返って見るとかなり急な斜面を下ったことがわかった。その後は尾根芯を下っていけばよいというわけでなかった。尾根芯はヤブが結構出ていることから、右の谷に向かって下りることにする。これも予定どおりの行程である。比較的緩やかに谷に下っていき、ヤブのない植林の中を歩いて林道に着地したら、荒島岳のビューポイントであった(16:35)。 さて、着地した林道からさらに尾根伝いに下って、直接青少年自然の家をめざす予定であったが、これより下は雪がないのでヤブになっている可能性が高い。それならば、林道を往路の林道登山口まで歩き、登山道を下った方が確実で安心である。という判断から林道を歩くことにした。除雪されていない林道にはまだ積雪がかなりあった。デブリも落石もあり、恐怖の滑り台もあった。すでに山スキーの男性はここを歩いて車に戻っていた。30分ほど林道を歩いて展望台に到着した(17:15)。まだ荒島岳の姿を見ることができた。あとは往路の登山道をどんどん下って駐車地である青少年自然の家に戻った(17:40)。 <コースタイム> 8:05奥越高原青少年自然の家(駐車地)-8:25三角山-8:40林道登山口(展望所)8:50-10:15▲保月山10:25-11:30杓子岳-11:50中岳-12:05切窓-12:45▲経ヶ岳14:10-14:30切窓-15:00中岳-15:15杓子岳-15:55P1215-16:40林道出合-17:05林道登山口(展望所)-17:20三角山-17:40奥越高原青少年自然の家(駐車地)
by kitayama-walk
| 2014-03-29 23:40
| 湖北・福井・美濃・飛騨・加賀
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