2013年 06月 23日
【日 付】 2013年6月23日(日) 【天 候】 曇り時々晴れ 【山 域】 両白山地 【メンバー】keikoku、kitayama-walk 【コース】 西俣谷川駐車地-登山口(渡渉点)-川上御前社-小原峠-刈安山(P1503)-P1530-▲大長山-P1530-刈安山-小原峠-赤兎山-避難小屋-裏赤兎山(P1530)-P1323-P1296-杉峠-杉峠登山口 6月に入ると鈴鹿から遠ざかり、次第の北上していき、滋賀県北部から福井県・石川県の山にシフトしていく登山がこの数年の傾向である。今年も、別山、白山と登ってきたので、次は別山と白山の展望を見るために、加越国境の山である大長山と赤兎山に登ってみることにした。これまで福井県側から赤兎山に2回登ったことはあるものの、白山大展望の山である大長山は未踏であった。 平成20年に石川県側の三ツ谷から小原峠までの越前禅定道が復活されたと聞いた。また三ツ谷から杉峠までの古道も整備されたと聞いた。さらに登山地図(昭文社)では赤兎山から杉峠までの加越国境稜線も実線(一般登山道)として描かれている。そこで、今回のコースは、三ツ谷林道(山伏林道)を使って、越前禅定道を通って小原峠に登り、まず大長山までピストンする、再び小原峠に戻ってきて、今度は赤兎山に登る、赤兎平の避難小屋の先から加越国境尾根を辿って杉峠まで歩く、最後は杉峠登山道を使って杉峠登山口に下るという周回コースを計画した。 今回は、脚力のあるkeikokuさんと二人行脚であることから、相当なハイペースになるであろうと覚悟した。前夜keikokuさんが京都にやってきて、明日の相談をしながら一杯やった。翌朝午前3時に京都を出発して一路白山登山口である市ノ瀬をめざした。京都東ICで名神に乗り、北陸道の福井北ICで降り、R416→R157で勝山市を抜けて白山市白峰に入る。手取川に沿って白山の登山基地である市ノ瀬に向かい、その手前の大きな左カーブのところが三ツ谷林道の入口である。林道入口はロープで施錠されているが、登山者の通行認可は取れているということで、ロープを外して林道に入っていく。西俣谷と東俣谷との分岐点付近で林道が分岐している。杉峠から下ってくることを考えると、ここに駐車してもよいが、西俣谷に沿ってもう少し入ってみることにする。林道はそう荒れてはいないが、私の車はレガシーなので1箇所だけ底を擦ってしまった(車高のある車ならOK)。下山後のことを考えると、どこまで車を進めるか思案したが、大長谷分岐点(鉄橋がある)に車を置いて、ここから歩くことにした。出発の身支度をしていると、工事関係車両1台、登山者車両が3台通過した。これらの車は、さらに西俣谷川沿いに林道を上っていき、大きな崩壊地の広がる治山工事現場まで進んでいた。 大長谷分岐点に車を駐めて、大長谷に架かる鉄橋を渡って歩き始める(6:45)。空は雲が多いものの、明るく日差しも照り始めている。西俣谷川左岸に取りつけられた林道は次第に高度を上げていく。川には堰堤がいくつも設けられていて治山工事が進んでいることが窺える。瀬音、鳥のさえずり、新緑から次第に濃くなった樹木の色などを観察しながら歩を進めていく。やがて鉄橋で横断して右岸を進んでいく。20分ほど歩くと、2本のサワグルミの木が立っている空き地があり、ここが治山工事の現場になっていて、先ほど通過していった車両が駐車していた。先行したグループは取付点がどこか迷っていたが、ここが登山口になっていて、渡渉点でもあることは、西俣谷川に飛び石が設けてあることからも明らかであった。みんな一斉に渡渉したが、keikokuさんが逸早く歩き始めた。 渡渉してから左手の山道に入ると、すぐのところに「越前禅定道」と書かれた標柱が立っていた。平成20年に復活させたときの比較的新しいものだ。禅定道は少し高巻きするようにつけられている。大きなブナの木が点在する中を少しずつ登っていく。地面をよくみると、やはり最近作られたものではなく、古来から使われていた形跡が窺われる。これまで廃道に近かったものが整備されて復活したことがよくわかる。所々に川上御前を案内する表示があるが、15分ほどで川上御前の社があった。川上御前とは泰澄大師が白山を開いた時に山頂の翠ケ池にて会った女神様のことで、大師が彫った女神像は平泉寺白山神社に祀られており、その摸像が川上御前社に祀られているそうである。社の周辺は広く刈り取られているようだが、今はまた雑草が伸びてきている。川上御前社からは、ブナ林の中をトラバースするように少し下がって進んで行くと二度目の渡渉点に出た。渡渉して右岸を高巻くように登っていくと、源頭部と思われるところにやってきて三度目の渡渉となる。ここからは右岸沿いに急登になるが、すぐに稜線に辿り着いた。小さなお堂があり、覗いてみると地蔵2体と不動明王が安置されていた。樹林越しに白山が見える。地蔵堂から少し進むと、広場があり、ここに小原峠の標識があった(7:50)。 小原峠は、加越国境尾根にある峠であり、北に向かえば2.4㎞で大長山、南へ向かえば0.9㎞で赤兎山である。まずは大長山へピストンすることにした。最初少し下ってから登り返していく。昨日の雨の後であるため、地面がぬかるんでいる箇所が多い。足を取られて滑らないように注意しながら進む。大長山への稜線はそうきつくはないが、アップダウンの繰り返しとなっている。登るにつれて前方に刈安山(P1505)、その向こうに大長山が見えてくる。しかし、この頃から次第にガスが出始めてきて、大長山からの白山の大展望を見ることができるのか不安になってきた。刈安山付近にやってくると、右手には別山や御前峰の姿をちらっと垣間見ることができたにすぎなかった。刈安山を越えてからも、再び小さなアップダウンを繰り返していき、P1530の小ピークにやってきたが、もうガスのため眺望がなくなってしまった。ここからもう一度下ってからは登りとなる。ロープのある岩場のような急坂を登ると山頂かと思ったら、もう一登りして、最後は笹原の道を行くと、大長山の二等三角点と標柱があった。遮るもののない白山の大展望はガスのため見ることができなかった。しかしながら、山頂にはコバイケイソウの群落があり、もうかなり花が咲いていた。今年はコバイケイソウは当たり年なのかも知れない。 大長山での大展望が得られなかったので、あまり長居しても仕方がない。15分ほどの滞在で小原峠に引き返した。この復路で20人ほどの登山者とすれ違ったが、この時期、大長山に登る人は結構多い。小原峠から大長山へのピストンは、keikokuさんに引っ張られて、登り65分、下り50分というハイペースであった。小原峠に着くと、福井県側の登山口から登ってきた登山者が数人休憩していた。今度は赤兎山に向かう。ここからの登山道はしっかりしている。ぬかるみがかなり多いせいで迂回路がある。少し登るとブナ林に入るが、それも短時間で通過してしまい、大舟山分岐にやってきた。ここから大舟山を経由して経ヶ岳に行く尾根道があるが、相当なやぶこぎを強いられると聞いている。大舟山分岐を右手に見送り、なだからな尾根道を辿るとすぐに赤兎山の山頂に到着した(10:40)。山頂には、三等三角点と方位盤がある。よく晴れていれば、白山、荒島岳、経ヶ岳、大長山がぐるりと見渡せるところであるが、今日は雲が多く、何とか荒島岳が見える程度で、あとは雲に隠れて見えない。南から登山道が上がってきているが、これは鳩ヶ湯から登ってくる登山道だ。よく見ると、もう1本標柱が立っていて、「杉峠まで9㎞」と書かれている。これら辿る道だ。山頂からは赤兎平に下るが、もう向こうに赤い屋根の避難小屋が見えている。ここからは、所々ぬかるみもあるが、木道が整備されていて歩きやすくなる。コバイケイソウやニッコウキスゲの花が咲いている中を登山道が通っている。避難小屋の手前に赤池という高層湿原があり、モリアオガエルの卵があり、イワイチョウの花も咲いていた。避難小屋に到着すると(11:00)、さすがにたくさんの登山者がいて、すでにランチタイムに入っていた。私たちもランチとすることにしたが、今日のメニューは冷やし中華とおにぎり、そして欠かせないのがビールである。保冷袋に保冷剤を入れて持ってきたので、まだ冷たいビールがうまい! 今日は先がまだ長いという思いから、ランチも早めに切り上げて杉峠への縦走に入った。避難小屋の左手から少し行くと、白山と別山の展望地がある。これが前回登ったときに確認したのでわかっていたことであるが、今日はガスっていて白山も別山も見えない。この展望地の先から右手に尾根が下っている。これが杉峠への縦走路である。笹の中に登山道があり、階段が作られていたが、今は階段もかなり崩壊している。向こうの尾根には裏赤兎山の姿も見えている。一旦鞍部に下り、尾根に登り返すことになるが、登山道が不鮮明になっていて、しかも急登である。笹をつかみながらよじ登っていくと尾根線に出た。何だかヤブっぽい感じだ。しかし、よく見ると登山道がある。以前は整備されていたのが、歩く人が少ないことから手入れもされず、荒廃し始めているのであろう。半ヤブの中をかき分けながら進むとすぐに裏赤兎山(P1530)を通過した。山頂という目印もないので、そのまま通り過ぎてしまうようなピークである。この先はかなり階段がつけられているが、それもかなり崩壊しており、歩きにくい。杉峠までは加越国境尾根を歩くことになるが、今は半分ヤブっぽい尾根道になっている。裏赤兎山からは下りとなるが、その後は1300m前後のピークを幾つもアップダウンを繰り返して進むことになる。あまり眺望のない尾根であるが、時折右手(南側)の稜線が見える。これは願教寺山、よも太郎山、日岸山、薙刀山、野伏ヶ岳と続く越美国境である。所々にブナ林があり、蒸し暑さを癒してくれる。晴れ間が出てきて蒸し暑いこともあってか、杉峠はまだかまだかという思いが浮かんでくる。ようやく杉峠に到着した(13:15)。しかし、避難小屋を出発してから1時間45分しかかかっていない。ここで休憩だ。杉峠には年配のカップルがシートを広げて仲良く遅めのランチタイムだった。 杉峠からは三ツ谷への下りになるが、体力の有り余るkeikokuさんは先に走って降りて、車を取ってくるという。keikokuさんのハイペースにいささかオーバーヒート気味の私はお任せすることにし、ゆっくりと下山することにした。杉峠から下ったところに、ブナ林があり、湿地にはミズバショウのなれの果てがあった。この後、登山道は楽かと思ったら、そうでもなかった。というのは、登山道がおおむねトラバース気味につけられており、滑らないように気を遣わなければならないからだ。P1249はピークを通過せず、左から巻き道になっている。途中に2箇所切り開かれた展望台があった。「白山展望台」と「別山展望台」だ。今日はいずれもガスで眺望がなかった。やむなくどんどん下っていくと、大きな檜があった。五色の木と呼ばれる樹齢300年の檜の巨樹にブナ、スギ、ネズ、モミジの宿り木が生え育っている。なかなかおもしろい。この五色の木を過ぎると、高度をさらに下げていき、林道に下り立った。ここが杉峠登山口であったが、2台の車が駐車されていた。しばらくここで待っていると、keikokuさんが車を取ってきてくれた。何でも杉峠登山口からランニングシューズに履き替えて、空身で最初の駐車地まで走って行ったとのこと。おかげで私は3㎞ほどの林道歩きをしなくて済んだ。ありがとう、keikokuさん。下山後は、御前荘に立ち寄り、温泉に入浴して(600円)帰途に着いた。 <コースタイム> 6:45西俣谷川駐車地-7:05登山口(渡渉点)-7:20川上御前社-7:50小原峠-8:10刈安山(P1503)-8:25P1530-8:55▲大長山9:10-9:25P1530-9:40刈安山-10:00小原峠10:05-10:40赤兎山10:50-11:00避難小屋(昼食)11:30-11:45裏赤兎山(P1530)-12:10P1323-12:20P1296-13:15杉峠13:25-14:30杉峠登山口
by kitayama-walk
| 2013-06-23 23:42
| 湖北・福井・美濃・飛騨・加賀
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