人気ブログランキング | 話題のタグを見る

山好き的日々@京都北山

kitayamawa.exblog.jp
ブログトップ
2012年 07月 24日

妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰

【日 付】 2012年7月24日(火曜)
【天 候】 曇り
【山 域】 越後/上越
【メンバー】 F田氏、kitayama-walk

【コース】 高谷池ヒュッテ-茶臼山-黒沢池ヒュッテ-大倉乗越-長助池分岐-妙高山北峰(三角点)-南峰(最高点)-北峰-長助池分岐-大倉乗越-黒沢池ヒュッテ-池尻-富士見平-十二曲り-黒沢橋-笹ヶ峰登山口

火打山に登るならば、同じ百名山の妙高山まで縦走しない手はない。遠く関西から遠征していることからすれば尚更である。昨日登った火打山は曲線的で花が多いことから女性的な山と言われるのに対し、妙高山はコニーデ火山特有の広い裾野をもち、中央火口丘はドーム状の岩峰となっていて、荒々しく力強い印象から男性的と言われている。この対照的な2つの百名山を一遍に登る登山者は多いと言われている。

「妙高山は越後の名山である。越後富士とも称せられる。越後のみならず、私は日本の名山だと思っている。その均整の取れた山容の気品と言い、ドッシリと安定した量感と言い、のびやかな裾野の雄大さと言い、名山としての名に恥じない。」(深田久弥「日本百名山」から)

妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_1719193.jpg
 茶臼山から外輪山越しに妙高山を望む(左手前は黒沢池)



 午前4時半に起床すると、空は雲に覆われていた。天候が回復するものと思っていたが、予報は見事に外れた。でも、今日はまだガスがないので眺望はそれなりにあるだろう。ラーメンで簡単な朝食済ませ、テントを撤収する。今日は、黒沢池を経て外輪山を越えて、妙高山にピストンする予定である。午前6時に高谷池ヒュッテを出発した。高谷池分岐を昨日と反対に右に取る。石のゴロゴロした道を登ると、ササ原の中の木道に変わる。しばらく登って行くと、稜線に出て、上越市内が見えるようになる。晴れていたら日本海まで見渡せるであろう。平坦な稜線の登山道を進んでいくと、茶臼山(2171m)というピークを通過する。このピークを通過した直後に、前方に妙高山が姿を現した。外輪山の向こうにお椀を伏せたような形をしている。手前には黒沢池の湿原が見え、黒沢池ヒュッテの建物も捉えることができる。眼下に黒沢湿原を見ながら、ぬかるんで滑りやすい道を下っていく。途中、一度滑って転んでしまったが、45分ほどで黒沢池ヒュッテに到着した。この建物は八角形のドーム型をした独特のものだが、高谷池ヒュッテの三角屋根と同様、雪を落下させ積雪を防ぐためのものであろう。

妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_2118396.jpg
 高谷池分岐を右に向かう
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_21184387.jpg
 最初は石のごろごろした道
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_21191298.jpg
 すぐにササ原の木道に変わる
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_21193743.jpg
 少し登ると南に高妻山が見える
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_21201092.jpg
 茶臼山のピーク(2171m)
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_21204459.jpg
 茶臼山から外輪山越しに妙高山の姿が見えてきた
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_212133100.jpg
 八角形のドーム型の屋根をもつ黒沢池ヒュッテ

 黒沢池ヒュッテで小休止し、ここにザックをデポさせてもらい、サブザックに必要な物を詰め込んで、午前7時に出発した。まずは、外輪山を登る。ダケカンバの樹木のある急登で、ぬかるんでいて滑りやすい道である。20分ほどで大倉乗越に着いた。ここからは、前方に妙高山が大きく立ちはだかるように見える。眼下には長助池の池塘が散らばっている。振り返ると、火打山も姿も見ることができる。大倉乗越からは急な下りになっていて、ロープも設置してある。急な下りが終わると、外輪山の内側をトラバースするように緩やかに下ったり登ったりする。下草などが背丈くらいに伸びていて、ちょっとヤブっぽいが道ははっきりしている。やがて下りきったところの谷間に長助池分岐がある。

妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_21225734.jpg
 妙高山に向かう
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_21232610.jpg
 ダケカンバの樹木のある急登
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_21235992.jpg
 大倉乗越に着く
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_21241923.jpg
 前方に大きく妙高山が立ちはだかる
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_21245253.jpg
 眼下に長助池の池塘が散らばっている
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_21252354.jpg
 振り返ると、火打山が見える
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_21255432.jpg
 妙高山を見ながら外輪山の内側をトラバースしていく
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_21262537.jpg
 少し荒れているトラバース道
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_21265758.jpg
 谷間にある長助池分岐の標識

 長助池分岐で小休止した後、標識に従って、雪渓の残る谷を登っていく。すぐに雪はなくなり、石のごろごろとした堀状の道を登ることになる。樹林の中の急登になっていて、ここが最大の難所と言われている。高度を上げていくに連れて、ブナからダケカンバに変わってくる。薄暗い急登を黙々と登るのはちょっと辛いものがある。小一時間ほど登ると、右手に大きな岩峰が見えてくる。上部が明るくなってシラカンバの林になってきたかと思うと、左に巻いて稜線に出てきた。しかし、まだ森林限界を越えていないので、樹林の中を進む。岩屋のような祠があり、その左を回り込むように進むと、広場に出た。ここは妙高山の北峰(2446m・三角点峰)である。

妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_21273949.jpg
 雪渓の残る谷を登る
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_2128673.jpg
 石のゴロゴロする堀状の道を登る
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_21284574.jpg
 急登の荒れた道
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_2129666.jpg
 小さな岩場もある
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_21292968.jpg
 右手に岩峰が見えてきた
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_21295512.jpg
 シラカンバの林に変わってきた
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_21302820.jpg
 稜線に出て、ようやく前方に北峰と南峰が見えてきた
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_2131196.jpg
 岩屋の祠がある

 北峰には、火打山同様の大きな標柱が立っており、その前には立派な一等三角点(一辺18㎝)があった。北峰にある岩峰に上がってみると、西方に火打山、影火打、焼山と並んで見える。晴れてはいないが、眺望はそれなりに見える。晴れていたならば、北アルプスの山々が眺望できることであろう。肉眼でうっすらと見えたのは雪倉岳と白馬岳であった。妙高山の最高点は南峰(2454m)である。すぐ目の前に見えているので足を延ばすことにした。途中、日本岩と呼ばれる巨岩の脇を通過し、5分ほどで南峰に着いた。ここには妙高大神が祀られていて、小さな祠もあった。眺望は、南峰と変わらず、360度ぐるりが見渡せる。百名山の高妻山も見える。

妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_21314435.jpg
 妙高山北峰(三角点峰)に到着
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_21321929.jpg
 立派な一等三角点の標石がある
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_21325110.jpg
 火打山、影火打、焼山と3つ並んでいる
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_21343925.jpg
 テガタチドリが咲いている
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_21354243.jpg
 日本岩の説明板
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_21353231.jpg
 これが日本岩と呼ばれる巨岩である
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_21363314.jpg
 岩穴越しに向こうが見える
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_21363271.jpg
 南峰までやってきた
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_21583161.jpg
 妙高大神のある南峰(最高点)
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_21374539.jpg
 これが妙高大神
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_21382520.jpg
 南峰(最高点)から火打山を望んでいる
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_21385628.jpg
 真ん中の巨岩が日本岩
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_21391874.jpg
 南に高妻山(百名山)が見えている

 時刻は午前9時過ぎであるが、北側からはガスが登ってきている。早めの下山をすることとし、北峰に引き返し、急登をどんどんと下ると。1時間足らずで長助池分岐まで戻ってくると、60代と思しき男性単独者が妙高山に登ろうかどうか思案していた。聞けば大阪からやってきたという。もう二度と来ないのだから、天気がイマイチでも雨は降らないだろうから登らない手はないとアドバイスすると、重そうなザックをデポして全くの空身で急登に向かった。

妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_21401079.jpg
 シラカンバの林の中を下りる
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_2140361.jpg
 ダケカンバの中を急降下する
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_2141212.jpg
 雪渓が出てくると間もなく長助池分岐だ
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_21413116.jpg
 長助池分岐の標柱

 長助池分岐からもピストンを続け、外輪山の内側をトラバースし、大倉乗越を越えて、黒沢池ヒュッテに戻ると、ベンチは40人あまりの高校生で一杯だった。ベンチの一角を借りて昼食とした。1時間ほどの昼食後、富士見平を経て、笹ヶ峰に戻るコースに入った。黒沢池の左手に木道の道が続いており、ここはワタスゲが白い穂を揺らして出迎えてくれた。黒沢池から流れ出る尻沢に架かる小さな橋を渡ると、黒沢岳の山腹を巻くように緩やかに登っていく。小一時間ほどで富士見平に到着した。あとは、昨日登ってきた登山道を笹ヶ峰まで下るだけだ。小さな岩場、十二曲り、黒沢とまだ記憶に新しい場所をどんどんと通過して、予定より40分ほど早く下山することができた。帰りに、池ノ平温泉「ランドマーク妙高高原」に立ち寄って汗を流した。

妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_2142108.jpg
 外輪山の内側をトラバースして戻る
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_2142383.jpg
 右手下には長助池の池塘
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_2143490.jpg
 大倉乗越に戻ってきた
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_21432866.jpg
 火打山が見えている
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_21435886.jpg
 黒沢池ヒュッテまで戻ると高校生たちがいた
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_21443783.jpg
 笹ヶ峰に向かう
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_21445894.jpg
 黒沢池を望む
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_21453081.jpg
 木道に脇にはワタスゲがたくさんある
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_21455999.jpg
 ワタスゲ(綿菅)
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_21462611.jpg
 イワイチョウ(岩銀杏)
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_2146497.jpg
 マイヅルソウ(舞鶴草)
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_21471551.jpg
 ハクサンフウロ(白山風露)
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_21474031.jpg
 尻沢の橋を渡る
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_2148348.jpg
 富士見平に向かう
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_21482575.jpg
 富士見平に到着する
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_2149149.jpg
 オオシラビソの樹林の中を下る
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_21493125.jpg
 十二曲りを下る
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_21495021.jpg
 ブナの巨樹の間を抜ける
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_21502333.jpg
 黒沢橋を渡る
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_21504145.jpg
 ブナ林を通り抜ける
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_2151115.jpg
 笹ヶ峰登山口に戻ってきた
妙高山-荒々しく力強いドーム状の岩峰_e0110500_21553226.jpg
 この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平20業使 第438号)

<コースタイム>
605高谷池ヒュッテ 630茶臼山 650黒沢池ヒュッテ700 720大倉乗越 745長助池分岐 850妙高山北峰905 910南峰915 920北峰 1010長助池分岐 1045大倉乗越 1105黒沢池ヒュッテ(昼食)1200 1230池尻 1245富士見平 1325十二曲り1335 1345黒沢橋 1420笹ヶ峰登山口


by kitayama-walk | 2012-07-24 23:14 | 日本百名山


<< 瑞牆山-瘤岩と呼ばれる奇岩峰に登る      火打山-ハクサンコザクラに会い... >>