2008年 12月 07日

お金明神(塔尾金明神)の山宮参拝-神崎川を遡行して

 昨年12月に初めてお金明神にお参りしましたが、このときは三重県側の朝明渓谷から中峠、大瀞を経てのお参りでした。もともと、滋賀県永源寺ダム沿いの佐目集落(昔の集落はダム湖に沈んでいます)があり、集落の若宮八幡神社の境内には若宮八幡宮と塔尾金明神(お金明神)の二つが合祀されていました。村人たちは、佐目子谷-拝坂尻(かいさか)-小峠-ハチス谷-水舟ノ池-大峠-北谷尻谷(きたたんじりだに)-コリカキ場という長い道のりを経て、山深いところにあるお金明神の山宮へ参拝していたそうです。

 しかし、この本来の参詣路を歩くにはかなりの時間と労力がかかり、日帰りでは難しいことから、滋賀県側から行くとすると、銚子ヶ口(東峰)-北谷尻谷-下谷尻谷出合-お金峠というルートか、神崎川を遡行して行くか、のどちらかになります。そこで、今回は未だ歩いたことのない神崎川を遡行することにしました。
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 神々しいお金明神の岩塔-訪れた人だけが目にすることができます



 午前6時京都を出発し、京都東ICから名神に乗り、八日市ICで下り、R421を永源寺方面に向かいます。永源寺を過ぎ、永源寺ダムから杠葉尾に向かい、神崎橋の手前から右折して、神崎川林道に入ります。この林道は舗装されており、神崎川発電所を通過すると大きく右に蛇行しています。途中、2か所土砂、落石で半分道が埋まっていましたが、何とか通過することができ、神崎川に下ることのできる駐車地(路肩)に車を駐めました。
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 駐車地は神崎川に下る階段があります

 この階段を下っていくのですが、今回はここでミスをしてしまいました。本来は、この階段の途中で右に曲がり、山腹をトラバースして下っていくのですが、これが頭に入っておらず、そのまま下り、神崎川の河原まで出てしまいました(もちろん、ここでは気づいていません)。
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 この階段の途中で右に入るのでしたが・・・
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 そのまま道なりに下り、神崎川の河原に出ました

 河原に出ると、右岸、左岸のどちらかを遡行して行くのですが、最初は左岸、次は右岸と渡渉しました。このとき気づいたのは、水面から出ている石の濡れている部分が何と氷っているのです。この週末は寒波が襲来し気温が低下していることから、川が流れていても、水面上は凍り付いていたのです。案の定、つるりを足が滑り、水中に没しました。右岸を歩いていくと、両岸とも崖が迫っていて歩けなくなってしまいました。これは高巻き道があるはずと思い、探すとテープがあり、これに従って右岸の高巻きに取り付きましたが、これが危険極まりないコースです。足を滑らすと転落して大怪我するのは必至です。
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 渡渉する石が凍てついています
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 崖が迫ってきて進めなくなりました

 必死になって、2つほど小さな谷(多分、ひとつはツメカリ谷)を横切り、何とか通過し、再び河原に下りて、GPSを見て、コースを間違っていることが分かりました。本来のルートは左岸の上を走っているではありませんか。どうして早くGPSで確かめなかったのか?と自分でも不思議です。河原に下りてからは、比較的容易に歩くことができるようになりましたが、本来のルートに戻るために、左岸に渡渉しましたが、ここがジュルミチ谷の出合でした。ここで時間を確認すると、50分ほどのロスが出ていました。
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 ジュルミチ谷出合に合流しました

 ジュルミチ谷出合からは、本来ルートに乗り、左岸を高巻いて進みます。やがて、渡渉地点に下ってきます。ここには、壊れかけたモッコ渡しが宙にぶら下がっています。左岸から右岸に渡渉すると白滝谷出合にやってきます。この白滝谷沿いに道があり、これは県境尾根のハト峰付近に通じています。ここからは神崎川の右岸にある道を進むことになります。5分ほどで乗越があり、そこからはかなり厳しいアップダウンがあります。
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 白滝谷付近の渡渉地点には壊れたモッコ渡しがあります
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 ヒロ沢を経て羽鳥峰に至る標識

 やがてガレ谷で下ると、天狗滝にやってきました。天狗滝に見るために、少し下るのですが、結構危険な岩場となっていて固定ロープが設けてあります。天狗滝は小振りながらも、なかなかいいロケーションになって、とてもいい感じがします。夏場であれば清涼感満喫といったところなのですが、今は冬なので寒々としています。
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 天狗滝下降口の標識があります
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 固定ロープを使って岩場を下りていきます
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 天狗滝はなかなかいい滝です
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 ロケーションはこんな感じです
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 今度は滝の上部から見ています
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 天狗滝から下流を眺めています

 天狗滝からヒロ沢に向かいます。ここも、神崎川右岸の山沿いの道になっています。途中にアップダウンがありますが、15分ほどでヒロ沢出合に着きました。
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 ロープが設置してある箇所もあります

 ヒロ沢出合で、今度は右岸から左岸に渡渉します。ここでも、石が氷っていて、滑りやすいので慎重に渡ります(多少は濡れてしまいました)。
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 ヒロ沢にやってきました

 ヒロ沢出合で左岸に移ると、比較的よい道になってきました。テープが所々にあります。3つほどの小沢を横切り、20分ほど行くと、お金明神の登山口にやってきました。ここには、登山口を示す標識がいくつも架かっているので、すぐに分かります。
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 前回は、ここからの道がよくわからなくて苦労しました。まず、登山口の標識から左手奥にテープがあるので登っていくと、左手にお金谷(涸れ谷)が見えてきます。この谷を一度左へ渡渉し、再度右に渡り直します。やがて、「お金明神」と書かれて木があります。ここから右手の山に取り付けば岩塔の下に出てくるのかも知れませんが、そのままテープに従って登ると、谷から離れてきて、乗越に出てきます。ここで右手に少し行き、下ったところにお金明神の巨岩が鎮座していました。
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 おお!1年ぶりのご尊顔拝謁です
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 下から見上げるとこんな風に見えます
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 岩には厚みがないことが分かります
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 ちょっと違ったアングルから見ると、天狗のお顔が凛々しい!
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 この付近一帯がお金明神の神域であることを告げています
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 岩塔の中腹には鳥居と賽銭がありました

 お金明神に参拝を済ませた後は、先ほどの乗越(小尾根)まで戻り、目印のテープに導かれて左手の山腹に入っていきます。少しジグザグ気味に登り詰めたところがお金峠(855m)でした。
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 前回はここを乗り越して急降下してコリカキ場に向かいました

 お金峠から南に延びる尾根があり、小作ノ峰(910m)-作ノ峰(948m)-高岩(957m)と3つのピークが続いています。まずは小さなピークを越えた鞍部から登り返したところが小作ノ峰です。残念ながら展望がありませんでした。
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 尾根道を行きます
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 展望のない小作ノ峰(910m)

 続いて一旦鞍部に下り、登り直したところに岩があり、展望が開けていたので、ここでお昼にすることにしました。ここからの展望は、北に御池岳、東に釈迦ヶ岳、西には樹間から銚子ヶ口が見えます。
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 左に天狗堂、その右に鈴ヶ岳、御池岳と続きます
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 藤原岳、銚子岳、静ヶ岳、竜ヶ岳と続く山並み
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 釈迦ヶ岳にはうっすらと冠雪があります
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 樹間から銚子ヶ口が見えています

 作ノ峰にも眺望がなかったのですが、ここから少し下った鞍部は二次林の気持ちのよい場所になっていました。
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 作ノ峰にも展望がありません
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 実に気持ちのよい鞍部です
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 左手の樹間からは御在所岳が見えています

 再び登り返したピークが高岩(952m)でした。今日のコースで最標高の高いところになります。ここから尾根を下ると鞍部に出てきますが、ここがワサビ峠でした。
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 鞍部から登り返します
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 高岩も眺望には恵まれていません
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 ひっそりとしたワサビ峠
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 少し下ったところからワサビ峠を見上げています

 ワサビ峠からワサビ谷を急降下していきます。この谷はV字状の涸れ谷ですが、上谷尻谷との出合に近くなると水流が出てきていました。
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 ワサビ谷を急降下します

 上谷尻谷との出合からは右に曲がり、上谷尻谷に沿ってコリカキ場に向かいました。谷沿いに適当なところを歩いていけます。二次林の下の気持ちのよいところで、何度が渡渉します。
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 上谷尻谷との出合付近の様子
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 気持ちのよい二次林の下を歩きます
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 昔の高山採掘の遺構でしょうか?

 やがて左手に二筋の小滝が流れ落ちている場所にやってきました。ここがコリカキ場です。コリカキ場とは「垢離掻場」と書き、佐目集落からの参拝者が汗を流して身を清める禊ぎの場所という意味だそうです。北谷尻谷が上谷尻谷と下谷尻谷に流れ込むところになっています。
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 神聖なる場所-コリカキ場
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 二条の滝が流れ込んでいます

 コリカキ場からはお金峠に駆け上がります。駆け上がるとはいっても、かなりガレた涸れ谷であり、ふうふうひいひい言いながらよじ登ったという感じですね。
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 お金峠に向けて涸れ谷をよじ登りました

 お金峠からは、往路を戻ることになりますが、行きの道間違いでロスしていることから、かなり早足となりました。ただ、帰りは、白滝谷出合からジュルミチ谷に行くところから、正規の山道を確認しながら帰りました。なるほど、この道であれば、そう難しくもなく、短い時間で歩けたことでしょう。結果的には当初の予定どおり午後3時30分に駐車地まで戻ってきていました。
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 最初の部分が間違えたルートです

<コースタイム>081207晴れ時々曇り
730神崎川林道駐車地 745神崎川河原 905白滝谷出合 930天狗滝940 955ヒロ沢出合 1015お金明神登山口 1040お金明神1100 1115お金峠 1125小作ノ峰 1135作ノ峰1220 1235高岩 1240ワサビ峠 1255下谷尻谷 1310コリカキ場 1340お金峠 1355お金峠登山口 1420ヒロ沢出合 1440白滝谷出合 1535神崎川林道駐車地


by kitayama-walk | 2008-12-07 23:44 | 鈴鹿山系 | Comments(12)
Commented by ひとり部 at 2008-12-14 10:50 x
あらら~。なかなかスリリングな経験をされましたね。
真夏ならともかく、この時季の水没は笑うに笑えません。
今年は年末ジャンボを30枚購入しました。
当選祈願を兼ねて、お金明神参りも良いかもしれませんね。
とりあえず、kitayama-walkさんの山行記を見ながら、参拝しておきます。
「当たりますように♪」

下から3枚目の写真。アングルが新鮮で、なかなか素敵です!
Commented by 三太夫 at 2008-12-14 15:29 x
 kitayama-walk さん、こんにちは。
 お金明神の神崎川側の登拝口は、賑やかになっているようで驚いています。私たちが、最初にここへ行ったときには、目立たない標識が1、2つあっただけで、ここがそうだと見当は付いても、どの方向に入っていっていいやら分からず、最初はここまでで引き返しました。2度目にして、やっと道をみつけたものの、塔がこんな中途半端な所にあるとはおもってもいなかったので苦労してたどり着きました。
 ここで事故があってからは、一度も参詣していないので、懐かしく拝見しました。
Commented by biwaco06 at 2008-12-14 21:23
こんばんは~
神崎川の降り口、初めてのときは必ずと言っていいほどまっすぐ降りてしまいますね(笑)
ツメカリ谷へ初めて行った時、河原に出てから上か下か迷ったことがあります。
お金明神にはまだお参りできてません。だから金欠なんでしょうか?
年末ジャンボ間に合うかな~?
買うのが先か、行くのが先か…?
Commented by kitayama-walk at 2008-12-14 22:56
 ひとり部さん、こんばんは。
 そうなんですよ。最初からちゃんと地図(GPS)を見ていれば、わかったことなんです。やってしまった!という感じ。でも、最初でよかったです。結果的には取り返しがきいたから。でも、少し無理して飛ばしたので、相棒は2、3日筋肉痛で脚が痛かったとか。

 私は普段は宝くじは買いませんが、お金明神参りの前に購入して持参して岩塔の前に差し出して祈祷したらよかったかなと思ったりもしています。山レポブログ参拝というのがありましたっけ。
Commented by kitayama-walk at 2008-12-14 23:01
 三太夫さん、こんばんは。
 三太夫さんが初めてお金明神参りしたのはいつのことでしょうか? 確かに、この参拝口からの岩塔までの道がわかりにくいですね。昨年初めてきたときは、右手の尾根に取り付いてしまい、急登を強いられました。どこにあるのかわからず、尾根の上部に出たときに、テープを発見し、少し下ったところに岩塔を発見しました。このときの感動は今も忘れられません。でも、まあ、よくもこんな岩塔ができたものかと感心せざるを得ません。自然の驚異を感じてしまいますね。
Commented by kitayama-walk at 2008-12-14 23:08
 biwacoさん、こんばんは。
 神崎川の降り口の間違いは、biwacoさんもやってしまっていたのですね。一旦下りてしまうと、左岸伝いに行ってしまい、やがては自然と渡渉して右岸に移ってしまいます。そして、両岸が崖になっていて行けなくなります(川中に入れば別ですが)。そこで高巻きの道を探すことになります。そして発見します。しかし、それは極めて危険な道です。こんなところ行くのかと思うほどです。でも、何とか通過して河原に下りられてほっとしましたよ。

 biwacoさんがまだお金明神参りに行けていないのであれば、三重県側からのアプローチをお勧めします。できればGWあたりにロングランがいいですよ。ついでに、お金峠-ワサビ峠から、そのまま尾根を直進してクラシ・イブネに至るというのをやってみて下さい。
Commented by tihom at 2008-12-15 22:21
お金明神参りはしたことないのですが。
神崎川は、朝明渓谷~いちおうイブネを目指したときに大瀞橋や曙滝、あと鈴鹿の上高地ゆくときに、うろうろしてます。
でも、みんな連れていっていただいたという感じでしょうか。
本当はこんなのではいけないのですが。
なにかでもわかりにくいところですね。
天狗滝、きれいですね。
Commented by 山たまご。 at 2008-12-16 15:05 x
前半は緊迫感があります。私はイチマルさんの右岸ルートで神崎川を遡りましたが、左岸も歩けるというか本ルートなのは知りませんでした。お金明神の下からのアングルはユニークでした。お金峠からの周回は、雰囲気がよくわかり、いつか歩きたいと思います。
Commented by イチマル at 2008-12-16 22:51 x
神崎川の右岸ルート/左岸ルートは、両方歩いたことがありますが、アップダウンの少ない右岸ルートの方が歩きやすいと思います。
ただし、右岸ルートは、河原を飛び石伝いで歩くので、河原が凍るような時期は×です。
それにしてもロングコースですね。今の季節、見ているたけで寒くなってしまいました。お元気なkitayama-walk さんに敬服します。
(なつかしい2002年の山レポのリンクを貼らせて頂きました。)
Commented by kitayama-walk at 2008-12-17 00:28 x
 マレーネさん、こんばんは。
 お金明神参り、来年の春に行ってみて下さい。朝明渓谷から中峠を越えて、大瀞橋で愛知川を渡り、左岸を進むと登拝口に比較的楽に行けますよ。曙滝とか、大瀞橋からイブネをめざしたことがあるようですが、これはお金明神とは反対方向に行ったのですね。

 実は、この次の山旅は、朝明渓谷から県境尾根を越え、愛知川を渡り、クラシ北東尾根を登って、クラシ・イブネに行ってみようと思っています。これまでイブネに行ったのは4回ありますが、すべて杉峠からのアプローチでした。
Commented by kitayama-walk at 2008-12-17 00:36 x
 山たまごさん、こんばんは。
 神崎川の遡上は参りましたね。最初から道を間違えるとはとんだドジをやらかしました。白滝谷出合までのルートは、帰りに確認しましたが、左岸ルートが安全です。これは、河原を歩くのではなく、少し高巻いた道になっていますが、ルートははっきりしています。右岸ルートは、ツメカリ谷を越えると、河原を歩くのが容易になりますが、それまでは河原が歩けません。従って高巻きになるのですが、これが危険なルートになっていますでの、やめた方がよいですね。

 お金明神参りに行くなら、朝明渓谷から中峠を越え、大瀞橋から愛知川左岸沿いに行くのがよいでしょう。これから危険なところもなく、時間もそうかからないと思います。岩塔をぐるりと回ってみて下さい。おもしろいですから。
Commented by kitayama-walk at 2008-12-17 00:43 x
 イチマルさん、こんばんは。
 神崎川遡上の初体験。見事にドジを踏みました。イチマルさんのHPをもっとよく読んでいたら、こんな間違いをしなくてすんだのですがね。当初は、下谷尻谷に入っていこうと思っていましたが、とんでもなく険しいとのご指摘に従い、やめにしました。もし、探検に行くとしたら、時間に余裕をもって、4月頃でしょうかね。


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