2008年 12月 06日

ヨコネ(横根山)三峰を巡る

 今回は鈴鹿のカタカナの山名シリーズで、ソノドの次はヨコネです。昭文社の登山地図では、三角点峰(759.9m)だけが記載されていますが、調べてみると、県境稜線にあるP757が東ヨコネ、さらに最高点峰(764m)と3つのピークが連なっていることが分かりました。アプローチは、廃村になっている五僧峠からが最も近いように思われたので、今回は大君ヶ畑から権現谷林道を進み、五僧峠の手前にある林道分岐に車を駐めて歩くことにしました。
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 ヨコネ(西横根)の山頂には三等三角点があります



 午前6時京都を出発し、いつものように京都東ICから名神を走り、彦根ICで下り、R306をいなべ方面に向かいます。多賀大社のところから鞍掛峠方面に進み、大君ヶ畑の集落を抜けて少し行ったところの左手に権現谷林道の入口があります。この林道は、コンクリートで簡易舗装がしてあり、林道にしては走りやすい方です。しかし、クネクネと曲がりくねっていること。7㎞余り走り、杉ヶ橋、横根橋と2つの橋を通過すると、林道の分岐に出てきました。左は権現谷林道の続きで保月や河内に通じる道、右は五僧峠に続く道で最近新しく舗装されていました。この分岐のところに空き地があるので、ここに車を駐めることにしました。
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 左が保月・河内へ続く林道、右は五僧峠に続く新しい舗装道

 午前8時歩き始めます。まずは、新しい舗装がされている右の林道を上っていきます。所々に落成が散乱しています。10分ほどで五僧峠に着きました。ここには、昭和40年頃には世帯数21、42人が住んでいたそうですが、昭和58年に廃村になってしまいました。今は、2軒の廃屋があるだけですが、洗濯機やストーブが残されていて、往時の村人の生活が偲ばれます。
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 五僧峠にある廃屋

 廃村「五僧」は、滋賀県と岐阜県との県境にある五僧峠にある村で、峠にある説明板によると、「美濃の時山から五人の僧が移ってきてここに住みついた」ということである。美濃の「時山」から「五僧」。そして「保月」「杉」の集落を経て「久徳」「八重練」から「多賀」「彦根」に至るルートは「五僧越え」と呼ばれ、主要街道の間道として栄えていたと言います。
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 五僧峠に設置してある説明板

 この「五僧越え」は「島津越え」とも言われ、関ヶ原の合戦(1600)で破れた西軍の薩摩藩の島津義弘が大勢の敵軍の中を大胆にも中央突破し、美濃の国から国境の五僧峠に出て近江の国に入り、小林新六郎の案内で高宮の河原で一泊して翌朝、信楽を出て堺まで行き、そして船で薩摩に帰ったところからそのように呼ばれている。この史実に因んで、島津義弘の郷里の鹿児島県伊集院町では、夏休みに関ヶ原から五僧峠を越えて堺まで160㎞を5日間かけて歩くという「関ヶ原踏破隊」が企画され、昭和35年から毎年実施されており、現在では小学生や中年層の参加も認められ、行程も2日間で多賀町までの踏破と改められているそうです。

 五僧峠の由緒の説明板の左側から入ると、薄い踏み跡があります。左の山腹をトラバースするように登ると尾根に出てきました。すぐに石柱があり、表には「測點 地理寮」、裏には「射近江美濃国界字立分峠東南之基點三百九度四六分此距離十二間一尺六寸 明治九年四月」と書いてあります。刻字から察すると1876年(明治9)、当時の内務省地理寮が近江(滋賀)、美濃(岐阜)の国境を測量したときに設置した標石と思われます。
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 やがてアップダウンしながら尾根を登り始めると、明るい二次林の中の急登になってきますが、テープの目印があります。尾根のトップにやってくると、ここから左に直角に曲がります。直進しないように注意が必要です。何は木に引っかかっているものがあるので、よく見るとパッチを利用して道案内が書いてあります。
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 明るい二次林の尾根を登ります
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 パッチを使った道案内(東横根は左に行きます)

 左に曲がると、次第にヤセ尾根になってきて、シャクナゲの群生が現れてきました。左手の北方面を見ると、樹間からソノドや霊仙山を垣間見ることができます。
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 先日登ったソノド
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 霊仙山の平たい台地が見えています
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 尾根が右にカーブしてくると、東に烏帽子岳が見えてきました

 尾根沿いに行くと、次第に右にカーブしてきて、左手に檜の若木が出てきたら、右手に東ヨコネに上がる急斜面にぶつかります。左手のトラバースに行かないように注意が必要です。右手の山腹を高所に急登していくことになります。所々に目印のテープがあります。やがて左手が少し開けたところに出てきますが、ここが東ヨコネ(750m)です。ここからは、東に烏帽子岳から三国岳、そして南に御池岳を眺望することができます。
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 東ヨコネ山頂の標識
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 左端には烏帽子岳、右には三国岳(双耳峰のように見える)、中央に見えるのは県境尾根でダイラの頭が見えています
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 御池岳はうっすらと冠雪しています

 東ヨコネからは西に向かうと、すぐにブナの林の中を急降下することになります。鞍部から登り返すところの左手がガレ場になっていて、ここからの眺望はよく、烏帽子岳から御池岳までの山並みが見渡せます。
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 向こうにガレ場と西横根が見えます
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 ブナ林の中を急降下します
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 ガレ場からの眺望(烏帽子岳から三国岳)
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 同(三国岳から御池岳)
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 振り返ると東ヨコネが見えています

 ガレ場を登り切ると西横根(三角点峰)に着きました。ここからの展望はありませんが、少し手前には南方向の御池岳・鈴ヶ岳を望める場所があります。
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 西横根には三等三角点があります

 西横根の三角点峰から最高点峰までは岩尾根が続く難コースになっています。シャクナゲや灌木の茂るヤセ尾根をアップダウンし、所々で岩塊を越えたり巻いたりしながら進みます。最後は、ルンゼ状になっているところを木の根などをつかみながらよじ登ります。最高点の手前に小さな岩場があり、ここから北方向に鍋尻山、霊仙山、南方向に御池岳、鈴ヶ岳の展望があります。
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 痩せた岩尾根を通過します
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 右手(北)にはソノドが見えています
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 振り返ると、東ヨコネ(左手前)と西横根(右)が並んでいます
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 左手(南)には御池岳と鈴ヶ岳が見えます
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 ルンゼ状の岩場をよじ登ります
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 鍋尻山が目の前に大きく見えます(左には琵琶湖も見えます)
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 霊仙山の山塊は迫力があります
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 御池岳と鈴ヶ岳-R306も見えています

 最高点は746mですが、ここには展望がなく、標識がなければ気づかず通過してしまうようなところです。ここから少しだけ西に行ったところから北尾根を権現谷林道に向かって下って行くことになります。明るい二次林の中にはテープの目印があります。やがて尾根端を左に下ると植林帯の中に入っていきます。
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 最高点峰には展望なし
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 二次林の雑木林の中を下ります
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 少しヤセた鞍部を通過します
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 植林帯の中を下ります

 やがて権現谷林道に下ってくると、ここは今朝車で通過したところで、杉ヶ橋、横根橋と2つの橋を通過すると、駐車地に戻ってきました。
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 林道に下りた先に杉ヶ橋があります。
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 横根橋を渡るとすぐに駐車地です
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<コースタイム>081206晴れ
800権現谷林道駐車地 810五僧峠 910P700 930東ヨコネ 1000西横根 1050最高点 1120権現谷林道 1130駐車地


by kitayama-walk | 2008-12-06 23:46 | 鈴鹿山系 | Comments(5)
Commented by kensa-a-k at 2008-12-11 20:14 x
お久しぶりです、お元気ですか?

山、11月も登られてるんですね~。
(私のほうは、11月頭の連休で八ヶ岳の赤岳行ってきて以来、
しばらくお休み中です。)
長野のほうは、11月頭で雪がわずかにありました。
鈴鹿のほうは、どうですか?

雪のシーズンは私は里山しか登った事がないんですが、
夏より空が青くて気持ちいいですよね。
(ただし晴れてれば、、、の話ですが)

また、更新楽しみにしてますね。
Commented by kitayama-walk at 2008-12-12 23:56
 kensa-a-kさん、こんばんは。
 もちろん、年中山に登っているので11月も12月も、そして1月も2月も3月も登りますよ。もちろん、雪のあるときは、高山は無理で、1000~2000mの低山しか登りませんが、これからはもう少し高い山にも行ってみたいと思っています。

 鈴鹿は1月に入らないと雪が積もりませんね。先日御池岳などはちょっと冠雪したようですが、すぐになくなっています。1月終わりから3月にかけて1m程度の積雪ですね。もちろん、北部と南部で違います。
Commented by 三太夫 at 2008-12-14 14:59 x
 kitayama-walk さん、こんにちは。今朝、雨が降っていたので山はお休みにしたところ、昼からは好天に変わり、今になっては残念な気持ちです。
 絶好調ですね。私も、こんな秘境を歩いてみたいとおもうが、私の力では無理な相談なので、羨ましく拝見しました。
 白谷林道から五僧を経て時山を歩いたことがあるが、このとき、道路工事が行われておりこれが完成したのだと感慨深く時の経過を偲びました。ところで、この林道は五僧で行き止まりですか。何のための道路かと、不思議な感がします。
Commented by kitayama-walk at 2008-12-14 23:58 x
 三太夫さん、おばんです。
 11/14、私は休息日でした。でも、11/13は好天に恵まれて、高室山にショート登山をしてきましたよ。この日はよく晴れていて、遠く御嶽山まで見ることができました。

 ヨコネは、秘境という感じではありませんよ。林道を遡れば、簡単にアプローチすることができます。しかも、林道は簡易舗装がされているので簡単です。

 林道の新舗装は、駐車地から五僧峠まで続いており、さらに時山に向かっていましたよ。どこまで舗装が続いているのか確認できていません。真っ直ぐ進めば、時山の集落に出ることになります。
Commented by 山たまご。 at 2008-12-16 14:37 x
こんにちは。
速いですね。3時間半の周回は驚きです。横根山は、ずーっとプランに入っているのですが、最高点手前の岩尾根が、ガイドブックでは安全確保用のロープが必要となっていて腰が引けています。時山から周回すると5時間20分となっていますが、五僧峠から登った方が道中の時間を考えてもお得かな‥ここが悩ましい。GPSの軌跡は参考にさせていただきます。


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