山好き的日々@京都北山

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2008年 08月 05日

南岳小屋から北穂高小屋へ-大キレット越え

 山行3日目は、いよいよクライマックス-大キレット越えに挑戦することになります。午前5時前に起床。外はまだ厚いガスが立ちこめています。今日の天気は曇りで好天は望めないという予報です。できるだけガスが上がるのを待って出発することにしました。まずは、今日一日の体力をつけるため、しっかりと朝食を摂り、幾分かガスが切れてきた午前6時30分に南岳小屋を出発しました。
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 長谷川ピークの岩峰(通過後に振り返る)



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 南岳小屋から獅子鼻展望台に至る石屑の斜面を登り、右に回り込んで左手に岩峰を見ながら下っていきます。下りの取り付きには、「大キレット→」の標識があるのですぐにわかります。これから約180mを崩れやすいガレ場やスラブ帯を急降下していきます。鎖が取り付けられているので、これを頼りにすれば比較的安定して下ることができます。
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 これから大キレットに下っていきます
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 ガレ場やスラブ帯の急な下りです

 間もなく、鉄製のはしごが2つ出てきます。これは2007年に付け替えられたもので、以前のものの一部が南岳小屋に飾ってありました。はしご自体はしっかりと固定されているので、問題なく下りて行くことができます。2つ目のはしごを下りたところが南岳南壁の下部になり、振り返って見上げると、南岳獅子鼻岩の岩峰がそびえ立っていて、一気に下ってきたことを実感させてくれます。
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 1つ目の新しい鉄製はしご
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 2つ目のはしごを下りると一安心
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 振り返って獅子鼻岩の岩峰を見上げています
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 大キレットに続く稜線

 これからしばらくは、比較的安定した道が飛騨側についていて、小さなアップダウンを繰り返しながら、少しずつ下っていきます。やがて、大キレットの最低鞍部にやってきますが、ここには標識がありませんでした。しかし、右手には笠ヶ岳、左手には常念岳や蝶ヶ岳の山並みを展望することができます。
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 比較的安定した道になっています
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 左手に常念岳と蝶ヶ岳の山並みが見えています
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 右手には笠ヶ岳が見えています 

 大キレット最低鞍部で小休止して、これから長谷川ピークと飛騨泣きの2つの難所に挑むことになります。まずは、飛騨側のなだらかな斜面を少しずつ登っていきます。やがて、信州側に回り込んでくると、正面に長谷川ピーク、その向こうに飛騨泣きが見えてきました。
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 飛騨側のなだからな斜面を行きます
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 正面に長谷川ピーク、その向こうに飛騨泣きが見えます
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 振り返ると、歩いてきた稜線と南岳のドームが見えます
 
 登山道はペンキの○印が頻繁につけられているので、迷うようなことはありません。急登になっている岩稜線を登っていくと、いつの間にか長谷川ピークに到着していました。ここから大キレットの核心部に入っていくことなります。痩せた岩稜線の上を通過するので、行き違いには慎重を要することになります。
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 長谷川ピーク手前に岩稜線を登っています
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 ここが長谷川ピークです(南側から)
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 長谷川ピークを通過し、飛騨泣きが見えてくる 

 ピークを通過して振り返ると、長谷川ピークの尖ったところが窺われます。馬の背と呼ばれる細い稜線を、鎖を頼りにバランスを失わないように慎重に進みます。一度信州側に寄って、その次に稜線を右側に越えて、岩に取り付けられた4つの足場(ステップ)を通過して、飛騨側に下りて行きます。最後は角材に作られた桟道を渡ると、A沢のコルに出てきました。
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 馬の背と呼ばれる細い稜線
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 岩盤にステップが取り付けてあります 
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 長谷川ピークも高度感があります
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 馬の背から飛騨側に下ります
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 もう一度長谷川ピークを振り返っています
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 A沢のコルまで下りてきました

 A沢のコルは難所の中で安心して休憩のできる唯一のポイントになっています。ここで小休止した後、次の難所である飛騨泣きをめざします。まず信州側につけられた登山道を登っていきます。高度を上げていき、振り返ると、長谷川ピークの岩峰が大きくそびえ立っているのを目のあたりすることができます。
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 A沢のコルからの登り
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 振り返ると、長谷川ピークがそびえ立っています
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 長谷川ピークの右手には歩いていた大キレットの稜線が見えます

 今度は、稜線を横切り、飛騨側に回り込んでいきます。間もなく飛騨泣きと呼ばれるところに入っていきます。2005年にお立ち台と呼ばれる岩が崩れてしまい、ルートが変更されているそうです。白ペンキでつけられた○と矢印に従い、岩段を直登していきます。
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 眼前に迫る飛騨泣き
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 飛騨泣き上部に直登していきます

 やがて崩落したと思われる大岩の右手を回り込むようにして飛騨側に出て、今後は信州側にトラバースしていきます。ここも両側が切れ落ちていて、かなり危険な場所ですが、鉄製の足場(ステップ)が設置されており、固定された太い鎖を頼りに慎重に足を運べば、そう難しいところではありません。それから、稜線はルンゼ状の道となり、浮き石の多いところを通過すると、大キレットの核心部が過ぎたことになります。
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 一旦飛騨側に出てきます
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 今後は信州側にトラバースします
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 稜線の両側が切れ落ちています

 右手に岩峰を巻きながら、石屑の多い道を登っていきます。稜線の直下までやってくると、岩に白ペンキで大きく「滝谷展望台」と書いてあるところに出てきます。ここから右手直下を眺めると、飛ぶ鳥も落ちるといわれる、かの有名な滝谷の岩壁がそそり立っていました。
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 滝谷展望台までやってきました
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 滝谷の岩壁がそそり立っています

 展望台で小休止した後、北穂高小屋をめざします。すぐに「北ホあと200m」と書かれたところがありますが、これは標高200mという意味です。従って、最後の大登りとなり、急な傾斜の岩場の道を、ジグザグを切りながら登っていきます。鉄はしご、鎖、鉄杭などが設置してありますが、危険な箇所はなく、30分ほどで北穂高小屋に到着しました。
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 北穂高岳山頂まであと200mの地点
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 北穂高小屋まで最後の急登を登っていきます
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 北穂高小屋が見えてきました
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 北穂高小屋です
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<コースタイム>080805曇り後晴れ
630南岳小屋 730大キレット鞍部 755長谷川ピーク 840飛騨泣き 900滝谷展望台 940北穂高小屋 1010北穂高岳


by kitayama-walk | 2008-08-05 22:49 | 日本百名山 | Comments(7)
Commented by 三太夫 at 2008-08-25 21:42 x
 kitayama-walk さん、こんばんは。
 ただ今、大キレット越えを読み終えたところです。
 4時間弱の危険な岩場の通過、読んでいてジトッと汗がにじんできました。私たちには、どう考えても、この恐怖に耐えられそうにありません。神経が持たないとおもいます。
 数年前、こんな所だとは知らず、無謀にも大キレット越えを目論み、南岳小屋で泊まったことがあります。しかし、この翌日、雨と風が強く、ここを渡るのを諦めてそのまま南岳新道を下山したことがあります。このとき、天気が良ければ、途中で立ち往生したこと間違いなく、救急車とはいかないので、結局、ヘリコプターのお世話になったことと、悪天候は神の配剤だったと改めておもった次第であります。
Commented by tihom at 2008-08-25 22:07
大キレット越え、すごいですね。これを成し遂げれる人は限れられてると思います。私は一生かかっても無理です。
超上級コースですね。甲斐駒ヶ岳の頂上ゆけたら、なんとか次目指せるかなと思ってます。
Commented by ひとり部 at 2008-08-25 22:14 x
それにしても岩・岩・岩の連続で、
見ているだけで過呼吸になりそうです。
写真でこれだけの高度感があるのですから、
実際には数倍~数十倍の高さを感じるんでしょうね。
それにしても、いいレポートを見せていただきました。
来年あたりは北鎌なんてことはありませんか(笑)
Commented by kitayama-walk at 2008-08-26 01:03 x
マレーネさん、お久しぶりです。大キレット越えは、思ったより難しくはありませんでした。というのは、足場やホールドがかなりあり、三点支持を着実に励行し、ゆっくりと進めばよいのです。時間をかけて行くとよいと思います。南岳小屋から北穂髙小屋まで休憩をたくさんとりながら、ゆっくりと1日かけていくのがよいかも知れません。ただ、晴れていると高度感がありますので、これを怖がらないことが必要ですね。比較で言えば、剱岳の方がやさしいですね。こちらからチャレンジするのがよいかも知れません。

 この週末に、仙丈ヶ岳&甲斐駒を予定していますが、今のところ、天気予報は晴れの模様です。このまま変わらないでほしいと祈っています。
Commented by kitayama-walk at 2008-08-26 01:12 x
 ひとり部さん、こんばんは。岩場の連続といっても、それなりに休憩するところがあるので、過呼吸にはなりませんよ!(^^)!

 確かに、ある程度は高度感がありますが、高所恐怖症でもないかぎり、何とかなります。一緒に歩いた仲間のひとりは、怖いもんで早く通り過ぎようと速歩で進んでしまいます。私は写真を撮りたいものだから、要所要所で立ち止まってしまいます。だから、間が空いてしまうのですね。これを取り戻すための加速して歩くことになります。

 槍の北鎌尾根ですか。今年、山仲間のひとりであるN野氏がアタックしましたね。ブログを見てあげて下さい。しかし、次は(来年)、西穂・奥穂の縦走が待っています。北鎌はルートファイディングが必要なのでちょっと難しいそうですね。
Commented by nanachichi at 2008-08-27 13:45 x
ひとり部さんからここに来ました「ななちち」って言います。
写真見せていただくだけで恐くてゾクゾクしました。
すごいですね。
写真だけで大満足しています。
Commented by kitayam-walk at 2008-08-28 01:15 x
 ようこそ、いらっしゃいましたね。ななちちさん!
 ときどき、ひとり部さんの掲示板にコメントされているので、お名前は知っていましたよ。
 
 大キレットは、長谷川ピークと飛騨泣きが2大難所といわれるだけに、高度感はありますが、ザイルが必要なわけでもありませんし、ホールドや足場もたくさんありますので、実際には思ったより簡単に行けました。写真だけではなく、実際に歩いてみて下さいね。


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