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山好き的日々@京都北山

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2008年 04月 22日

焼杉山-イワウチワ鑑賞山行

 久しぶりにホームグランドの京都北山に帰ってきました。今日は、午前中に時間が取れたので、大原三山のひとつである焼杉山(717.6m)にイワウチワを鑑賞しに登ってきました。古知谷の阿弥陀寺の境内にある登山口から登り、下りは寂光院に下りてきました。予想どおり、この時期にはイワウチワの群生地は満開状態で、可憐なピンクの花をたっぷりと堪能することができました。さらに、シャクナゲも早咲きの株があり、これもきれいなピンクの花を咲かせていました。この分だと、GWにはシャクナゲ尾根も満開になるのではないかと期待を抱かせてくれました。
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 可憐なピンクの花びらのイワウチワ



 地下鉄烏丸線終着駅の国際会館駅午前7時発の小出石行きの京都バスに乗りました。この路線の始発便です。バスは、花園橋から国道367号線に入り、八瀬を抜けて北上すると、大原の里の入口にあたる戸寺のバス停を過ぎるあたりから、左手(西)を見ると、車窓から優美に横たわる山並みがあります。よく見ると、山肌に白いところがあります。これがロッククライミングで有名な金毘羅山(572.8m)のロックゲレンデです。その北には少し低いピークの翠黛山(577m)があり、その奥に焼杉山が並んでいます。

 焼杉山の登山口は古知谷にある阿弥陀寺の境内入口にあるので、まずは古知谷バス停まで行くことになります。大原バス停を過ぎると、国道を離れて高野川沿いの狭い道となり、大型バスが通行するには離合に苦労します。
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 京都バス古知谷バス停で下車しました

 古知谷バス停で降り、進行方向に少し進むと左手にお寺が見えてきます。これが古知谷阿弥陀寺です。この寺は、1609年(慶長10年)諸国を念仏修行していた木食弾誓上人が不断念仏の道場として開いたもので、本堂背後の開山屈には、上人の即身仏(ミイラ)があることで有名です。また、楓の名所でもあり、京都市天然記念物に指定されている樹齢800年の高雄楓を始め、参道両側には樹齢250年、300年という紅葉が秋には鮮やかに染まることで観光客が集まります。
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 古知谷阿弥陀寺が見えてきました
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 阿弥陀寺の由来を記した案内板

 さて、阿弥陀寺につくと、すぐに目につくのは右手にある唐様式の山門です。この山門を越えて少し行くと、右手に焼杉山登山口の標識が立っています。ここが登山口になっています。
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 唐様式の山門は珍しい
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 境内入口にある焼杉山の登山口

 最初は、薄暗い植林帯の中の谷沿いの道を登ります。すぐに登山道は右に折り返し、ジグザグに登っていくと、最初の送電線の鉄塔に出てきます。ここから振り返ると、向かいの山裾には京都パブリックゴルフ場のグリーンがモザイク状に見えてきます。
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 最初の鉄塔とゴルフ場のグリーンが見えます 
 
 ここからは送電線の巡視路になっている尾根道を登っていきます。道はしっかりとしていて、小気味よく登っていきます。ミツバツツジの花がたくさん咲いていました。
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 しっかりとした尾根道が続いています
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 ミツバツツジの花がきれいでした

 やがて伐採されたところに出ると2番目の鉄塔が見えてきます。このあたりからは、眺望がさらに開けてきて、大原パブリックゴルフ場や比叡山北尾根の大尾山などの山並みがはっきりと見えてきます。道も少々急ですが、切り開かれていているので、さほど苦労することもなく、どんどんと登っていくことができます。
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 2番目の鉄塔が見えてきました

 ふと右手を見ると、ピンクの花が目に入りました。何とシャクナゲが開花しているではありませんか。この時期にしては早い開花ですが、きれいなシャクナゲを見られたのはもうけものでした。
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 3番目の鉄塔までやってくると、縦走尾根に乗ることになります。ここからの眺望もよく比叡北尾根の向こうには琵琶湖も見えているので最初の休憩にはよいところです。
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 3番目の鉄塔が見えてきました
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 3番目の鉄塔から大原パブリックゴルフ場が見えます  
 
 ここからは尾根道の縦走が始まります。最初は緩やかな登りで、2つほどの小さなピークを越えていきます。やがて、尾根が急になりだした頃から、シャクナゲが出てきます。ここのシャクナゲはまだ開花していませんでした。おそらくGWの頃には開花すると思われます。

 続き急な坂道には、お目当てのイワウチワ(岩団扇)の可憐な花が咲いていました。登山道の右手に、また左手にたくさん咲いていました。しばし時間を忘れて撮影タイムになりました。また、ヒカゲツツジの花も咲いていて、ラッキーな感じでしたね。
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 ヒカゲツツジの花も満開状態でした

 3つめのピークからさらに急な登りとなりますが、ここが辛抱どころです。やがて傾斜も緩やかになってくると、左手から大原小学校からの道が合流してきます。焼杉山への道標もあるので、これに従いながら、最後の急登を登り切ると、焼杉山の山頂に到着しました。
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 大原小学校からの登山道が合流

 焼杉山の山頂は、小さな広場になっていて、中央には三等三角点があり、たき火の跡が残っています。「大原の里10名山」に入っているので、そのプレートも架けられていますが、周囲の樹木が成長しているので眺望はよくありません。山頂の少し手前あたりの西側が伐採されており、天ヶ森(ナッチョ)や天ヶ岳、花背峠の鉄塔(NTT中継塔)などが見渡せます。
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 焼杉山山頂の小さな広場
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 焼杉山にある三等三角点

 焼杉山からはダイレクトに寂光院に下る東南尾根の道がありますが、今日は西に下る一般登山道をとります。この道は最初ちょっと急な下りとなっていますが、比較的しっかりとしているので迷うようなことはありません。落葉を踏みしめながら下りました。
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 土手のような尾根道があります

 途中、土手のようなところや堀状の道になりますが、やがて鞍部の峠に出てきました。ここには鉄製の立派な標識が立っています。左に下ると大原・寂光院へ至り、右は天ヶ岳から百井峠に至る道です。直進すると翠黛山・金毘羅山に至ります。今日は、時間がないので、ここから寂光院に下りました。
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 寂光院道分岐(左が寂光院、右は天ヶ岳、直進は翠黛山へ)
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 寂光院道分岐の標識

 15分ほどで寂光院からの登山口に下りてきました。ここは、焼杉山、天ヶ岳、翠黛山への登山口となっています。
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 登山口を表す標柱が立っています

 寂光院に近づくと、2000年5月火災のため全焼したときの柱の残骸や瓦が残されていました。この火災によって本堂のほか、堂内に安置していた国の重要文化財で本尊の「木造地蔵菩薩立像」などを焼損するなど大きな被害が出ましたが、2005年に再建されています。
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 被災した柱の残骸と瓦が積んでありました

 寂光院は天台宗の尼寺で、正しくは清香山玉泉寺と言います。594年(推古2年)に聖徳太子が父である用明天皇の菩提を弔うために建立されました。
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 寂光院の門前です
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 寂光院の住職の中で有名なのが平安時代末期の建礼門院徳子でしょう。太政大臣平清盛の息女、高倉天皇の皇后、安徳天皇の母として知られる悲劇の女性です。平家一門とともに壇ノ浦まで逃げた建礼門院らは入水自殺を図りましたが、源氏の手によって助けられ、京都へ護送されました。この大原の地で庵を結び、平家一門の霊を弔う日々を送り、その余生を過ごしました。そんな建礼門院を気遣った後白河上皇が庵を訪れました。世に言う大原行幸がそれです。
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 大原御幸についての説明文
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 高倉天皇皇后建礼門院の大原西陵があります

 再建された寂光院の前を通過し、最近温泉の出た大原の里も通り過ぎ、長閑な大原の里の風景を楽しみながら大原バス停に戻りました。
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 大原温泉「大原の里」
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 長閑な大原の里の風景
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 大原バス停まで戻ってきました
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<コースタイム>080422晴れ
730阿弥陀寺 740鉄塔1 750鉄塔2 800P600 810鉄塔3 830イワウチワ群生地(撮影)910発 920大原分岐 930▲焼杉山950発 1005寂光院道分岐 1025寂光院 1045大原バス停(歩行距離約7.6㎞)


by kitayama-walk | 2008-04-22 23:00 | 京都北山


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