2008年 04月 20日

朝明渓谷から釈迦ヶ岳

 釈迦ヶ岳は、竜ヶ岳と御在所岳の中間にある山で、釈迦の寝姿に似ているということから、その名がついたと言われています。西側から展望すると大ガレ(大蔭)があるので一目で釈迦ヶ岳と分かります。釈迦ヶ岳には、昨年の年末に東尾根から登りましたが、今回は定番ルートである朝明登山口から庵座谷を経て、松尾尾根の頭に登り、釈迦ヶ岳山頂に至りました。この日は天気の回復が遅れ、三重県側はよく晴れていたのですが、滋賀県側は雲がなかなか取れませんでした。天候の回復を待つべく松尾尾根の頭で昼食タイムとし、ついでに大蔭のガレを間近に見るために松尾尾根を少し下ってみましたが、その迫力はなかなかのものでした。それでも、山頂からは白山や御嶽山の姿を眺めることができました。下りは、県境尾根を歩き、猫岳を経て、ハト峰から朝明渓谷に戻ってきました。
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 松尾尾根の頭と大陰のガレ-迫力がありますね



 今回は、yama-zuki仲間3人での登山となりました。朝6時に京都を出発し、草津ジャンクションから新名神に入りました。天候は曇っていて、天候の回復が遅いようでしたが、鈴鹿トンネルを越えると、曇っていた空がぱっと真っ青な空に様変わりしました。滋賀県と三重県ではこんなに天気に違いがあることを知りました。そして、亀山ジャンクションから東名阪の鈴鹿ICで降り、朝明渓谷をめざしました。めざす釈迦ヶ岳山頂付近にはまだ雲がかかっていましたが、登っているうちにきっと晴れてくると信じていました。
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 朝明渓谷の駐車場には桜が咲いていました

 朝明ヒュッテ前のバス停のところに大きな駐車場があり、設備協力金(駐車代)500円が必要です。駐車場にある桜は満開を迎えていました。バス停の横に釈迦・庵座滝登山口と書かれた標柱(標高435m)があり、ここから登り始めます。
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 庵座滝登山口の標柱がある登り口

 間もなく、固定ロープで崖地を下り、鉄梯子を降りて、庵座谷を渡渉すると、テント村バス停からの舗装道路に出ました。再度庵座谷に架かる橋を渡ると朝明テントバンガロー村に入り、そこから再び庵座谷を渡渉して、左岸に渡ります。
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 庵座谷を渡るとバンガロー村に出ます

 これからしばらくは高巻き道ですが、目印のテープがあるので、これを確認しながら進みました。やがて山腹から涸れ沢を登り越すと、正面に庵座の滝が見えてきました。固定ロープのあるガレ場を慎重に進み、登山道から一旦谷に下って、庵座の滝を見に行きました。
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 高巻きの道には6分された道標があります

 谷に降りたところから、小滝をひとつ越えると庵座の滝の直下に到着です。落差40mの庵座の滝は鈴鹿山系は屈指の大滝で、滝の轟音と飛沫が涼感を感じさせてくれます。
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 落差40mを豪快に流れ落ちる庵座の滝

 さて、登山道に戻ると、ガレた岩道を固定ロープを使って登っていきます。ここからは庵座の滝の右側を高巻くように道が続いています。
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 ガレた岩道をロープを使った登ります

 再び谷に下り、谷の中を歩いていくと、正面に三段滝が見えてきました。この滝の左側の岩ガレの急登をロープを使って登っていきます。
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 三段滝が見えてきました
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 三段滝の左手の岩ガレの急登を登ります

 再び谷に沿って登っていくと、今度は鉄製の堰堤が現れてきました。この左端を乗り越していくと、やがて二股の出合に着くので、ここから谷を離れて右にある山道に入ります。
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 鉄製の堰堤は左端から越えて行きます
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 二股で谷を離れて山道に入ります

 ここから松尾尾根の頭までがかなりの急登になります。この二股で休憩して急登に備えます。掘れた山道をロープや木の根をつかみながらジグザグに登っていきます。やがて見通しのきくガレ場に出て、右手に大蔭のガレが見えるはずでしたが、ガスが巻いていて視界がききません。今度は灌木の中の急登になります。ここが胸突き八丁というところでしょうか。
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 ガスが巻いているため大蔭のガレは見えません

 苦しい急登を頑張って登って行くと、急に前が明るくなって、松尾尾根の頭の小広場に着きました。到着時にはまだガスが残っていて眺望が得られませんでした。もう少し待てばガスが切れてくるだろうという予測のもとに、ここで早めの昼食にしました。しばらくすると、予想どおり、ガスが晴れてきて、御在所岳と雨乞岳の姿が見えるようになってきました。また、北方向を眺めてみると、白山と御嶽山が白く空中に浮かんでいるのが見えました。
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 ガスが切れて御在所岳と雨乞岳が見えてきました

 ガスが切れて晴れてきたので、大蔭のガレを見学してみることにしました。松尾尾根の頭から松尾尾根を急降下してみると、眺望が開けてきて、大蔭のガレが迫力満点でした。鞍部に下り、次のピークまで行ってみました。振り返ると松尾尾根の頭も西側が大きくガレていて、凄まじさを感じさせてくれました。
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 大蔭のガレのピーク
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 松尾尾根の頭を振り返っています

 再び松尾尾根の頭まで引き返して、釈迦ヶ岳の山頂に向かいました。途中で尾高山から登ってくる東尾根からの道と合流し、左手に羽鳥峰への分岐を見やると、間もなく釈迦ヶ岳山頂に到着しました。ここは東側の展望が開けていて、いなべや菰野の街が一望できました。
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 釈迦ヶ岳の山頂です
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 東の展望があり、いなべの街が見下ろせます

 釈迦ヶ岳からは引き返して、先ほどの羽鳥峰へのT字路分岐を右折し、県境稜線を羽鳥峰に向かいました。灌木と笹の中の明瞭な登山道が続いています。ふと足元を見ると白い可憐な花-バイカオウレンが咲いていました。
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 T字路の羽鳥峰への分岐点
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 可憐な白い花-バイカオウレン

 笹の切り開かれた道を下ると、東側の展望が開けてきて、大蔭のガレが見えるようになってきました。
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 猫岳を正面に見ながら切り開かれて笹道を下ります
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 荒々しい大蔭のガレ

 鞍部から登り返すと猫岳(1058m)に着きました。この山頂は笹に覆われていて、猫岩と呼ばれる岩に登ると眺望がききます。大蔭のガレの荒々しさを改めて実感させられました。
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 背丈ほどの笹の中にある猫岳山頂
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 猫岩には交通事故死した山が好きだった青年を悼む銘板があります

 猫岳を越えると、再び笹の刈り込まれた快適な登山道が続いています。小さなアップダウンを繰り返しながら進むと、灌木も出てきます。次第にブナの木も出てきて快適な歩きができます。正面に御在所岳や雨乞岳の姿も見えてきました。
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 登山道にはブナの若木も出てきました
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 正面に御在所岳や雨乞岳が見えてきました
 
 やがてP908で右に直角に曲がると、樹林帯の中を下っていき、白滝谷分岐(愛知川)に出てきました。ここも直進していくと、間もなく前方がぱっと開けてきて、風化の進んだ岩山が見えてきました。ここが羽鳥峰です。頂には岩が集まっていて、360度のパノラマが開けています。ここから砂礫場を下ると、羽鳥峰峠です。
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 白滝谷への分岐点です
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 風化した岩山が見えてきました
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 羽鳥峰峠から羽鳥峰を見上げています

 羽鳥峰峠からは県境稜線を離れて、朝明渓谷に戻る道を下って行きました。途中から猫谷に沿っての下りになり、堰堤をいくつか越えていくことになります。この堰堤は、「なわだるみ堰堤」(堰堤の頂上部が縄跳びの縄のようにゆるみをもたせている)と呼ばれていて、明治初期に来日してオランダ人技師のヨハネ・デ・レーケが指導して造られた堰堤ということです。そういえば、金勝アルプスを歩いたときにオランダ堰堤と呼ばれる堰堤があり、これもデ・レーケの手によるものでした。
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 猫谷第2堰堤(なわだるみ堰堤)
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 やがて林道と合流し、中峠分岐を見送ると、水車小屋のある砂防学習ゾーンと呼ばれる整備された公園のようなところに出てきました。伊勢谷小屋、西山荘、朝明ヒュッテ本館前を通過して、駐車地まで戻ってきました。
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 砂防学習ゾーンの整備された公園
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 朝明渓谷の石碑
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 朝明渓谷駐車場のところの案内板
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080420曇り後晴れ
730朝明駐車場 825庵座大滝 900三段滝 940松尾尾根の頭(昼食) 1025大陰のガレ 1035松尾尾根の頭 1040▲釈迦ケ岳 1105猫岳 1140白滝谷分岐 1145羽鳥峰 1120中峠分岐 1235朝明駐車場(歩行距離約11.4㎞)


by kitayama-walk | 2008-04-20 23:24 | 鈴鹿山系 | Comments(4)
Commented by ひとり部 at 2008-05-06 21:10 x
相変わらずの丁寧なレポート楽しく見せていただきました。
松尾尾根の頭を見上げるタテ位置のカット、荒々しさがうまく表現されていますね。
ガスのかかったガレ場の写真も、天候の具合が良く伝わっていて私好みです(笑)。
Commented by kitayama-walk at 2008-05-08 02:17 x
 ひとり部さん、こんばんは。この日の天候は、最初がガスがかかっていて、どうなることかと心配しましたが、何とか晴れてきて、結構存分の山歩きができました。白山と御嶽山の写真を撮ろうと思ったのですが、ごはんを食べて、大ガレの見学に行っている間に見えなくなってしまいました。残念!!
Commented by ひとり部 at 2008-05-21 22:23 x
先週、5月16日に三池岳から県境稜線を経て釈迦ヶ岳に登ってきました。
とりあえず写真のみUPしましたが、展望の良い稜線なので、結構絵になります。
稜線に上がってしまえば、おヒルさまは無縁のルートだと思いますので、晴れた日にでも歩かれては???
Commented by kitayama-walk at 2008-05-22 12:11 x
 ひとり部さん、こんにちは。
 八風キャンプ場から三池岳-釈迦ヶ岳への周回でしたか。私にとっても、この山域はまだ未踏の県境稜線として残っているところですので秋にでも歩いてみようかと思っています。
 私はといえば、5/17の竜ヶ岳・静ヶ岳・銚子岳で、取りあえずsuzuka-walkは中断となります。またヒルの消える秋に戻ってこようと思っています。


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