山好き的日々@京都北山

kitayamawa.exblog.jp
ブログトップ | ログイン
2008年 04月 04日

西尾根から藤原岳へ

 これまで4回藤原岳に登りましたが、いずれも三重県側から(大貝戸道と聖宝寺道)でした。この次は是非とも滋賀県側から登ってみようと思っていましたが、思わぬチャンスが巡ってきました。
 国道421号線の八風街道を石榑峠に向けて進み、茨川林道を茶屋川に沿って30分ほど走り、林道終点の廃村茨川から茶屋川を遡り、蛇谷分岐から尾根に取り付いて、西尾根を登って藤原岳の展望丘に至りました。西尾根は静かな登山道で、右手には銚子岳がせり上がり、左手には天狗岩のピークがよく見えました。展望丘からは山荘を経由して、天狗岩まで歩いてみましたが、この時期、フクジュソウは満開を迎えていました。帰りは、展望丘まで戻り、県境尾根を治田峠まで縦走し、伊勢谷を下って茨川まで戻りました。
e0110500_135990.jpg
 西尾根から天狗岩のピークを望んでいます



 地図やHPの写真で廃村茨川を眺めていましたが、一度ここまでアプローチしてみたいと思っていました。国道からはかなり距離があり、地道の林道なので荒れていることが予想され、車の運転も苦労するのではないかと予想されました。実際、もう積雪はなかったものの、雪解け後の落石が林道に転がっていて、これを避けながら進まなければなりませんでした。それに結構水たまりがあり、車はどろどろになってしました。
e0110500_15351297.jpg
 国道から茶屋川林道への入口

 30分ほどかけてようやく林道終点の廃村茨川に到着しました。終点には小さな広場があり、ここには数台の車を駐めることができます。
e0110500_15362065.jpg
 林道終点に広場に駐車し、茶屋川を渡渉します

 茶屋川を渡ったところに建物があり、「八工山岳部」と大きく書かれていました。よく見ると、「滋賀県立八幡工業高校山岳部茨川前進基地」とありました。なるほど、ここを拠点として藤原岳を始めとする鈴鹿の山々に登っているのでしょう。続いて、もう一つ民家のような建物があり、これは名古屋大学ワンゲル部の茨川小屋でした。
e0110500_15372149.jpg
 八工山岳部の茨川前進基地となる山小屋
e0110500_15373617.jpg
 こちらは、名古屋大学WV部の山岳小屋(民家ですね)

 小屋の裏から茶屋川に出て、川原沿いに歩くことになります。すぐに川の左手に茨川神社があります。信心深い村人たちは、この神社にお参りしていたのでしょう。今日の無事登山を祈願しました。
e0110500_15393578.jpg
 茶屋川に下りて川原を歩くことになります
e0110500_15394723.jpg
 茨川神社があります

 これから蛇谷出合までには川沿いに何度も渡渉しながら進むことになります。増水時には渡渉が困難なので、左岸(右手)の巻き道を行くと案内にありましたが、今日は雪解け時期にもかかわらず、そう水量もなく、2箇所ほど左岸に巻いたところがあったものの、ほとんど川原の中を歩くことができました。
e0110500_15414263.jpg
 ほとんど川原の中を渡渉しながら歩きました

 蛇谷との出合にところに西尾根への取り付きがあるので、これを見落とさないように注意しなければなりません。間違ってそのまま茶屋川を遡行してしまうと三筋滝に行ってしまい、あるいは蛇谷に入り込んでしまう可能性があります。本流が大きく左に蛇行し、支流(蛇谷)と合流している二股ということを頭に入れていると、それにぴったりの場所に出てきました。
e0110500_15425872.jpg
 ここが尾根の取り付きになっています(右が蛇谷)

 二股のところをよく見るとテープがあり、尾根に上がる踏み跡もあったので、ここから取り付くとすぐに藤原岳への標識がありました。ここに間違いないと確信し進みます。
e0110500_1544160.jpg
 すぐに藤原岳の標識があります

 最初が結構急登になっていて、右に蛇谷、左に茶屋川本流を見ながらジグザグを切りながら登って行きます。
e0110500_15444340.jpg
 最初はかなり急登になっています

 尾根に出ると、薄い踏み跡があり、左に桧の植林が現れ、しばらくすると、雑木林の二次林に変わってきます。やがて、尾根を少し外れて、尾根左下に踏み跡が続いています。このあたりから、左手に木々の間から尖った天狗岩のピークが見えてきました。
e0110500_15473085.jpg
 左手に桧の植林、右に自然林を見ながら登ります
e0110500_15474495.jpg
 樹間に天狗岩のピークが見えてきました

 さらに登って行くと、三筋滝あたりから登ってきている尾根が左手から合流してきます。そして、P893を越えると尾根の平坦なところに出てきます。このあたりは自然林が素晴らしい林を作っていて、西尾根では最も気持ちのよいところとなっていました。
e0110500_15492974.jpg
 P893付近の自然林の様子
e0110500_15495117.jpg
 西尾根は素晴らしい林となっています

 やがて、急な登りとなり、細い灌木の中を登っていくと、石灰岩の岩塊が出てきました。これを越えると尾根が少し広がってきて、再び気持ちのよい二次林になってきます。左手には善右ヱ門谷が近づいていています。
e0110500_15511629.jpg
 石灰岩の岩塊が出てきました
e0110500_15513749.jpg
 尾根が広がって気持ちのよいところです

 再び平坦なところに出てくると、右手の眺望が開けており、正面には藤原岳が見えてきました。藤原岳から治田峠に向けての尾根が見て、さらに右にかけて、竜ヶ岳、銚子岳、静ヶ岳と並んでいて、その向こうにうっすらと、御在所岳、イブネ、雨乞岳が見えていました。あと一息で藤原岳展望丘です。
e0110500_1552541.jpg
 正面に藤原岳展望丘が見えてきました
e0110500_15534776.jpg
 正面に竜ヶ岳、右に銚子岳、静ヶ岳と並んでいます
e0110500_15535871.jpg
 向こうにうっすらと、御在所岳、イブネ、雨乞岳

 さらに登って行くと、左手に藤原山荘へのトラバース道の分岐を見送ると、急登になってきました。石灰岩の点在する灌木帯に入ると、フクジュソウが出てきました。鮮やかな黄色の花があちこちに見られ、思わず足を止めて、たくさん写真を撮ってしまいました。
e0110500_15561747.jpg
 石灰岩の点在する灌木の中の急登
e0110500_15563246.jpg
 黄色鮮やかなフクジュソウが出てきました
e0110500_15564733.jpg


 灌木帯を抜けると、展望丘に到着しました。今日は平日なので、あまり人もおらず、4、5人くらいが晴れた山頂でゆっくりと眺望を楽しんだり、昼食を摂ったりしていました。先週は寒くて山頂に長居できなかったのですが、今日は穏やかな天気で暖かく、青空のもと、四囲の眺望をじっくりと堪能することができました。
e0110500_161898.jpg

e0110500_1612480.jpg


 北には、天狗岩、その左には御池岳のテーブルランド、これに続く土倉岳が見え、さらに先日登ったサンヤリから天狗堂への稜線もくっきりと見えていました。今度は南に目をやると、正面にどっしりとした竜ヶ岳があり、右には銚子岳と静ヶ岳が立ち上がっていました。さらに向こうには、左手から釈迦ヶ岳、御在所岳、イブネ、雨乞岳、綿向山の峰々が並んでいました。
e0110500_15594748.jpg
 右が天狗岩、左は御池岳(テーブルランド)
e0110500_160473.jpg
 左は天狗堂からサンヤリに続く山並み、右には土倉岳
e0110500_160176.jpg
 正面に竜ヶ岳、右に銚子岳、静ヶ岳、向こうには、左から釈迦ヶ岳、御在所岳、イブネ、雨乞岳、綿向山の峰々

 展望丘で眺望を楽しんだ後は、藤原山荘をめざしました。今日は、前回山荘から登ってきた、あのどろどろになった道を下りるのではなく、そのまま北の斜面を下りました。
e0110500_1651219.jpg
 展望丘から山荘を望む(左のピークはP1128) 

 一旦鞍部に出てから再び登り返すと、山荘の手前にところに出ました。山荘の周囲を見ると、フクジュソウが咲き乱れていて、まさに満開を迎えていました。
e0110500_16212615.jpg

e0110500_16215055.jpg

e0110500_16221047.jpg

e0110500_16222893.jpg


 山荘前の広場には7、8人くらいの登山者しかいません。3/29(土)とは大違いで、日だまりの中、缶ビールをプシュッと開けて、鰯缶をあてに、昼食を摂りながら、静かな時間を過ごすことができました。
e0110500_16224898.jpg
 今日は静かな藤原山荘前です

 さて、今日はまだ時間が十分あるので、もう一度天狗岩まで見ることにしました。今回はいつものコースではなく、以前から気になっていたP1128ピーク(天狗岩から眺めると展望丘の左に見えるピークです)に立ち寄ってみることにしました。山荘の裏手から平原を適当に登って行くと、石灰岩に覆われたピークになっていて、ここにもフクジュソウがたくさん黄色い花を咲かせていました。もちろん、正面には展望丘が対峙していました。
e0110500_16234052.jpg
 P1128付近から展望丘を望んでいます
e0110500_1624247.jpg

e0110500_16241778.jpg
 P1128から天狗岩、その向こうに御池岳

 P1128からは灌木帯の中を軽くアップダウンしながら天狗岩をめざしました。途中には所々フクジュソウが咲いていました。天狗岩に至ると、いつもの景色である展望丘を眺めましたが、今日は登ってきた西尾根を子細に観察してみたところ、きれいに一直線に下っていました。また、これから下る治田峠に続き尾根も眺めることができました。
e0110500_162619.jpg
 天狗岩から展望丘を望んでいます
e0110500_1627851.jpg
 展望丘に登る西尾根が一直線になっています

 さて、天狗岩からは、通常のルートを通って山荘まで帰ります。途中には、前回つぼみだったフクジュソウが満開になっていました。あまりにきれいだったので、再度写真撮影に時間を費やしてしまいました。山荘からは、いつものルートで展望丘に戻りましたが、前回はどろどろだった道も、今日はかなり乾いていました。
e0110500_1629493.jpg

e0110500_16292018.jpg

e0110500_16294142.jpg
 再び藤原山荘に戻ってくるところです

 再び展望丘に帰ってきたのですが、雲が出て始めていて、青空が少なくなってきていました。これから治田峠をめざします。
e0110500_16311145.jpg
 展望丘は雲で陰ってきました

 笹と石灰岩の中を南に行くと、すぐに展望のきく場所に出てきました。正面にはこれから急降下する尾根があり、これが左の孫太尾根と右の県境尾根に分岐しているのが分かります。
e0110500_16323822.jpg
 左が孫太尾根、右は県境尾根へ

 石灰岩の多い急斜面を慎重に下っていくと、やがて灌木帯に入りました。ここも結構急な下りになっています。尾根を外さないように進んでいくと(尾根の右下に巻き道もあるようです)、やがて孫太尾根との分岐のピーク(多志田山)に着きました。
e0110500_16333292.jpg
 孫太尾根分岐のピーク多志田山

 ここから右の尾根を下ることになりますが、最初はやはり急ですが、やがて平坦な歩きやすい尾根になってきます。尾根に乗ったり巻いたりしながら進むと、蛇谷に下る鞍部に着きます。ここには標識が立っています。
e0110500_16343181.jpg
 蛇谷に下る標識があります
e0110500_16353379.jpg
 現在地を知らせる登山道案内

 正面には、竜ヶ岳、銚子岳の山並みが見えています。さらにどんどん県境尾根を進むと、迷い尾根と呼ばれる分岐にやってきます。ここにも標識があり、まっすぐ進むと伊勢谷・茨川に行くと書いてあります。しかし、治田峠を経由して、伊勢谷源頭から茨川に戻るのですから、治田峠に行かなければなりません。だから「迷い尾根」と呼ばれているのでしょう。ここで左に直角に曲がり、下っていきます。
e0110500_1636308.jpg
 正面に竜ヶ岳、左に銚子岳が見えます
e0110500_16364354.jpg
 迷い尾根の標識(治田峠へはここを左に折れて下ります)

 目印のテープが続いているので、これを確認しながら進みます。右手には植林が出てくるところがありますが、P771あたりで、右手を見ると樹間から三角形の山-天狗堂が見えています。正面には銚子岳が大きく迫ってきていて、反対に振り返ると、藤原岳展望丘、天狗岩、さらに孫太尾根分岐の多志田山ピークも見えています。
e0110500_16382310.jpg
 P771あたりまでやってきました
e0110500_16384157.jpg
 右手に天狗堂が見えています
e0110500_16385732.jpg
 正面には銚子岳が迫ります
e0110500_16391148.jpg
 振り返ると、天狗岩、藤原岳展望丘が見えています

 やがて治田峠に到着しました。ここにはしっかりとした標識があります。さらに竜ヶ岳への縦走路を案内しています(銚子岳と静ヶ岳は県境尾根から少し滋賀県側にずれています)。
e0110500_16413280.jpg
 治田峠にやってきました

 治田峠からは伊勢谷に下りますが、最初は植林の中のジグザグ道になっていて、やがて伊勢谷の源頭部に下りてきます。ここからは伊勢谷に沿って茨川まで戻ることになります。
e0110500_1642941.jpg
 伊勢谷の源頭付近の様子

 昔は茨川からこの道を通り、治田峠を越えて、伊勢・新町に通じていたのでしょうが、今は歩く人もほとんどいないせいか、倒木や崩壊があり、歩きにくくなっています。谷の右手に崩壊地を見やりながら、最後は左に高巻いて下ると、最近造成された林道終点に出てきました。
e0110500_16424826.jpg
 造成された林道終点に下りていきます

 あとは、この新しい林道を10分ほど下っていくと、車を置いている廃村茨川に戻ってきました。
e0110500_16433050.jpg
 廃村茨川まで戻ってきました
e0110500_1644813.jpg

<コースタイム>
900廃村茨川 935蛇谷出合 1010P893 1120展望丘1140発 1150藤原山荘(昼食)1230発 1240P1128 1315天狗岩1340発 1400藤原山荘 1415展望丘1430発 1445多志田山 1525P771 1540治田峠 1410林道出合 1620廃村茨川(歩行距離約10㎞)


by kitayama-walk | 2008-04-04 23:33 | 鈴鹿山系 | Comments(4)
Commented by イチマル at 2008-04-19 23:07 x
茨川からの藤原岳、いいですねぇ。私は、大回りしてカタクリ峠まで行きました。福寿草もいっぱい咲いていて、人気の理由がよく分かります。私は、藤原岳は、まだ1回しか登っていない(しかも福寿草の季節でない)ので、福寿草の季節に、ぜひ登ってみたいです。今年は、もう、少し遅いでしょうねぇ。
Commented by tihom at 2008-04-20 07:42
茨川林道へのいり口・川原の写真をみて、ようやくわかりました。
昨年の4月に御池岳のボタンブチから迷い、真の谷~三筋滝~茨川へ下りました。
とても険しいコースで、難航しました。それからコグルミ谷の駐車地まで帰るのにも体力がいりました。
ここから御池岳へのルート、秘境でした。
Commented by kitayama-walk at 2008-04-24 00:06 x
 イチマルさんが見つからなかったというレポを参考にして、蛇谷からの取り付きを見落とさないようにしました。おかげさまで、無事に西尾根に取り付くことができました。イチマルさんが藤原岳には1回しか登っていないとは思ってもいませんでした。ぜひとも西尾根からの登高をしてみて下さい。
Commented by kitayama-walk at 2008-04-24 00:09 x
 マレーネさんの昨年4月の御池岳レポを拝見しましたが、道迷いになっていたとは知らなかったです。茨川に下ってから、さらにコグルミ谷まで帰ったのは、かなり時間と体力が必要だったと思います。でも、無事で何よりでしたね。


<< 御所平から仙ヶ岳へ      フクジュソウ鑑賞山行-藤原岳 >>