2008年 03月 21日
御池岳の周辺の衛星峰がいくつかあります。気になっていたのは、御池岳のテーブルランドの北端である鈴北岳から鞍掛峠に向かう県境稜線と分岐して北西に伸びる稜線上にある鈴ヶ岳(1130m)と茶野(938m)です。鈴北岳から眺めると、こんもりとしたドーム状の山が鈴ヶ岳で、ここには07/04/28に立ち寄ったことがあります。さらに延長線上には、標高こそ938mしかないのですが、平坦地に石灰岩と灌木が点在し、360度の大パノラマの広がる茶野という山があります。 今回は、晴れの予報のもと、大展望を堪能すべく、鞍掛橋から茶野に登り、稜線上を鈴ヶ岳に歩き、ヒルコバを経て、鈴北岳まで縦走してきました。残雪も思ったほどなく、ツボ足でも十分歩くことができましたが、鈴ヶ岳から鈴北岳へ向かう途中のフクジュソウの群落はまだ雪の下に埋もれていました。しかし、茶野の登る途中にフクジュソウが咲いているところがあり、今年初めてのフクジュソウを堪能することができました。 いつものように彦根ICから国道306号線を鞍掛トンネルに向けて車を走らせました。大君ヶ畑(おじがはた)の集落を通過し、やがて鞍掛橋のところまでやってくると、冬期閉鎖ゲートががっちりとガードしていて、ここで通行止めになっています。HP情報では、3月末まで閉鎖されているとのことです。 この鞍掛橋のたもとの路肩に駐車しました。ここから稜線を見上げると、これから登っていく鉄塔が2本立っているのが確認できました。 鞍掛橋の手前に御池谷林道への入口がありますが、今回はこの林道より少し右手のところに関電の巡視路の入口があります。火の用心の赤い立て札があるので、この右手から巡視路に取り付きました。 すぐに植林帯の中に入り、尾根に乗ると急登になります。幹に鹿よけのテープを巻かれた杉木立の中を巡視路が登っています。 徐々に左手にトラバース気味になっていきますが、まず丸太橋があり、次に金網製の橋があるので、これらを渡って進みます。 次いで、右巻きになると、小さな岩谷に出て、これを越えて登っていくと、やがて最初の鉄塔に出てきます。 ここからの展望が開けていて、北には霊仙山と伊吹山が並んで見えています。また、右の眼下には通行止めになっている鞍掛トンネルに向かう国道が蛇行しているのが見えます。 再度植林帯の中を進むと、すぐに2番目の鉄塔に着きました。ここからは右手に折れて、植林帯の中の山腹をトラバースして進んで行きます。 残雪があってトラバースにはちょっと不安定なところになっていました。途中に岩壁のようなところがあり、滑り落ちないように注意しながら進んでいくと、日当たりのよい斜面に出てきました。行く手の急斜面に何か黄色いものがあると近づいてみると、何とフクジュソウが黄色い花を咲かせているではありませんか。こんなところでフクジュソウにお目にかかれるとは思ってもみませんでしたので、ラッキー!と思いながら、シャッターを切りまくりました。 今日は幸先いいな、この分では鈴ヶ岳ではもっとたくさんのフクジュソウが見られるかなと期待が膨らみました。 この後、再び植林帯の中に入り、火の用心の立て札を幾本か見ながら登って行きましたが、積雪のためルートがよく分からなくなってしまいました。とにかくめざすは稜線に出ることなので、適当なところを登っていくことにしましたが、これがかなりの急斜面です。おまけに膝下くらいまでの雪に足がはまり、ペースが鈍ってしまいました。しかし、勘がよかったのか、最後はちょうど桜峠の鉄塔が見えてきました。鉄塔のあるところは樹木が伐採されているので、明るくなっています。ふうふう言いながら、ようや稜線に辿り着きました。 この桜峠の鉄塔からは展望が開けていました。北を見ると、間近に少し雪の残っている霊仙山、そしてその右手の奥には伊吹山が姿を現しました。東を見ると、まだ開通していない国道306号線が蛇行しながら走っています。もう全く雪はないようなので通行止めを解除してもよさそうです。その向こうに見えるのは三国岳でしょうか。 さて、桜峠の鉄塔で景色を楽しみながら小休止した後、稜線沿いに茶野をめざします。稜線は雑木林になっていて、所々に雪が残っています。少し進むと石灰岩がたくさん出てきて、その中を歩いて行きます。 やがて石灰岩の集まった小ピークを通過して登り返すと、すぐに独標P938です。 ここを過ぎると、二次林の雑木もなくなり、平坦な裸地になってきました。左手に茶野と思われるこんもりとした丘が見えてきました。左に回り込んで行くと、石灰岩の点在する茶野の山頂に到着しました。 茶野の山頂は938mしかありませんが、周囲に遮るものがないので、天気のよい日には素晴らしい360度のパノラマが広がっています。 まずは、北に霊仙山と伊吹山がよく見えています。今日はよく晴れているので、間近に迫ってくるような感じがします。 東南には、ドーム状の鈴ヶ岳が立っています。その左に隠れるように鈴北岳が見えています。また右に見えているのは、御池岳テーブルランドの西ボタンブチあたりでしょうか。さらに右手の南には、銚子岳と静ヶ岳、御在所岳が並んでいて、ずっと右には三角形の山が見えます。これは天狗堂です。こんな素晴らしい展望があるので、少し早い時間なのですが、ここで昼ごはんにしました。 茶野でゆっくりとした時間をとった後は、桜峠まで引き返します。途中の独標から鈴ヶ岳を眺めると、きれいに整った山であることを再認識させられました。その左には鈴北岳から東に鞍掛尾根が延びており、焼尾山、三国岳などが見渡せます。 桜峠の鉄塔からは、登りになり、次の鉄塔を越えると、石灰岩が点在するところに出てきましたが、比較的歩きやすい尾根道になっています。やがて尾根が広がってきますが、歩きやすい適当なところを進むと、右手から尾根が合流してきます。 二次林の雑木林の中を雪に足を取られながら進んで行くと、ピークらしいところに着きました。プレートも2、3枚架かっていて、ここが鈴ヶ岳山頂であることが分かります。山頂には石灰岩と灌木があり、展望こそさほどありませんが、灌木も疎らなので明るい山頂になっています。まだ山頂付近は雪に覆われているので、フクジュソウがあるのかどうかも分かりませんでした。 鈴ヶ岳の山頂で小休止した後は、鈴北岳をめざします。山頂から下り始めるところから南方向の展望があり、左に鈴北岳が見え、真ん中の向こうには御池岳のピーク(丸山)も頭がのぞいています。 鈴ヶ岳の山頂からは雑木林の中を少し南東に降りながら急降下して行きます。 鞍部に出ると平坦なところがあり、ここがヒルコバでした。昨年4月に鈴北岳からやってきたことがあり、見覚えがありました。鈴ヶ岳と鈴北岳の方向を示す標識が2枚あり、ヒルコバの標識もあります。それにしても、ヒルコバとはとんでもない名前ですね。夏になると、たくさんのおヒル様がお出ましになるのでしょうか。いずれにしても長居はしたくない感じです。 当初は、このヒルコバから御池谷を下って鞍掛橋に戻ろうと思っていましたが、まだ時間があるので、鈴北岳まで行ってみることにしました。この間にフクジュソウの群落があったと記憶していたからです。ヒルコバからは真っ直ぐに登り返して稜線に出て左にカーブしていくことになります。所々にある目印のテープを確認しながら進みます。このあたりにフクジュソウが咲いていてもよいはずなのですが、まだ雪に埋もれています。あと2週間ほどはかかるのではないでしょうか。 鈴北岳に到着すると、テーブルランドの光景が広がっています。ここは眺めがよいので気に入っています。藤原岳、御池岳(丸山)から西ボタンブチにかけての稜線が見えています。もちろん、北には霊仙山と伊吹山、東には鞍掛尾根、その向こうには焼尾山、三国岳と続いています。南東には伊勢平野が広がっています。 さて、3時近くなってきたので、帰ることにします。1月に歩いた鞍掛尾根の途中から左に折れて尾根を下るルートで鞍掛橋に戻ることにします。 尾根の分岐点は記憶にあり、ちゃんと確認して下っていきました。テープもあるので確認しながら進んだのですが、途中で雑木林から樹林帯に入ったところでちょっと怪しくなりました。左手に谷を見ながら下ればよいと思っていたのですが、テープがなくなり、尾根が急降下しているので、おかしいと思い、右手を見ると、谷の向こうにもうひとつ尾根があるではありませんか。これは尾根をひとつ間違えたことに気づきました。事前にGPSにルートを入れていなかったので(ヒルコバから御池谷を下るルートを入れていました)、きちんと読図ができていなかったのです。また登り返して、山腹をトラバースして、ルート修正をしました(20分くらいロス)。今度は、見覚えのあるコースで、テープもちゃんと見つかりました。 尾根をどんどんと下っていき、御池谷との分岐まで辿り着いたときはやれやれでした。後は、鞍掛橋までゆっくりと歩いて戻ることができました。 080321晴れ 840鞍掛橋 910鉄塔1 915鉄塔2 1030桜峠 1040茶野(昼食)1150発 1240桜峠 1315鈴ヶ岳 1340ヒルコバ 1425鈴北岳1440発 1455稜線分岐 1600鞍掛橋(歩行距離約6.8㎞)
by kitayama-walk
| 2008-03-21 23:05
| 鈴鹿山系
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