2008年 01月 14日

鎌ヶ岳-宮妻峡から大迫力の鎌尾根

 今年最初の3連休-雪山に行けると楽しみにしていましたが、初日、2日と天候不順で山に行けませんでした。最後の日は何とかしてくれ!と神頼みでした。前夜ネットで天気予報を見ると、京都北山や比良はくもりです(これは時雨れる可能性が高い!)。ところが、何と鈴鹿は終日晴れとなっているではありませんか。これは鈴鹿に行こう!と決めました。
 そこで、どの山に登るかと思案した結果、昨年12月に宮指路岳から県境尾根を北上し、水沢岳(すいざわだけ)まで来て引き返し、イワクラ尾根を入道ヶ岳へと歩きました。そのときに眼前に聳えていたのが鎌ヶ岳(1161m)でした。今回は、雪の鎌ヶ岳にチャレンジしようと宮妻峡から水沢峠-水沢岳(宮越岳)を経て、鎌尾根を縦走して、鎌ヶ岳をめざそうと決定です。
 今回のコース(宮妻峡-水沢峠-水沢岳-衝立岩-岳峠-鎌ヶ岳-カズラ谷登山口-宮妻峡)は、3年前の5月に歩いているのですが、今回は冬期ということで、どれだけ雪があるのか分からないので、アイゼン、ワカンも装備しました。
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 鎌尾根から見た大迫力の鎌ヶ岳



 午前5時半に自宅を出発し、栗東ICから国道1号線を鈴鹿に向かい、鈴鹿峠を越えて、亀山から国道306号線を北上しました。県道44号線に入ると、入道ヶ岳、鎌ヶ岳、雲母峰が連なって見えてきました。
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 県道44号線沿いから眺める早朝の入道ヶ岳、鎌ヶ岳、雲母峰

 間もなく宮妻峡キャンプ場の駐車場に到着しました。駐車場にはまだ1台も車が停まっていません。すでに太陽が昇ってきており、かなり気温が低いものの、天気は晴れです。今日は好天が期待できそうです。
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 早朝の宮妻峡キャンプ場の駐車場はガラガラです

 ご存じのとおり、鎌ヶ岳は、その鋭峰がゆえに、北アルプスの槍ヶ岳のように、鈴鹿山脈の中ではひときわ目立った存在です。また、北面から見ると端正な風貌であるにもかかわらず、南面から見るとガレ肌をさらけ出していて、アルペンチックな風貌が独特です。水沢岳からの県境尾根の縦走は、岩稜歩きの多い鎌尾根があり、鎌ヶ岳の南面が次第に迫力をもって近づいてくるところが魅力的です。

 身支度を整えて、ちょうど午前8時に宮妻峡駐車場を出発しました。すぐ左手に入道ヶ岳への登山口があり、これを見送り、舗装された林道を進みます。5分ほどで下山時に降りてくるカズラ谷登山口を通過します。ここには、冠ヶ嶽神明宮と彫られた大きな石碑がありますが、冠ヶ嶽とは鎌ヶ岳のことなのでしょうか?
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 鎌ヶ岳登山口(カズラ谷コース)を示す標識があります
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 冠ヶ嶽神明宮という石碑

 しばらくは林道歩きが続き、最初は舗装道路がやがて地道になってきます。
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 地道になった林道を歩きます

 道はジャリガ谷で大きく左に旋回し、間もなく左手に「不動の滝」という標識がありました。ちょっと立ち寄ってみることにし、谷(内部川)に下りました。3分ほどで滝に着きました。5mほどの小さな滝ですが、きれいな筋を引いて流れ落ちていて、滝壺も小さいながら整った形をしていました。
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 林道の左脇にある「不動の滝」の標識
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 形の整った不動の滝

 さて、不動の滝から引き返して、林道歩きを続けます。不動橋で再び大きく左に曲がり、10分ほどで水沢岳登山口に到着です。林道は入道ヶ岳に続いているのでが、ここから水沢峠への登山道が分岐しています。
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 水沢岳の登山口を示す標識(ここから林道を離れます)

 水沢峠への登山道は最初は溝道ですが、明瞭で目印のテープもかなりついているので迷うようなことはありません。
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 登山道は溝道から始まります

 やがてガレ谷を横切り、もうひとつ小さな支谷を越えます。そして、谷を離れて山腹沿いに登り始めると、右手に大きな岩壁が現れてきます。
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 右手に岩壁が現れてきます

 ここは普段は水が滴っているようですが、今日は水滴がつららとなって垂れ下がっていました。しかし、折しも太陽の熱を浴びて上部から溶け始めていて、氷の破片がばらばらと落下していました。
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 朝日を浴びて溶け出したつららのある岩壁 

 この岩壁の箇所は左に高巻くようになっていて、山腹道を少し登ると水沢峠に至りました。ここからは東側が開けていて伊勢平野が一望することができます。
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 水沢峠の手前から峠を見上げています

 水沢峠は滋賀県と三重県の県境稜線上にあり、西に下ると元越谷を経て野洲川上流の鈴鹿スカイラインの途中にある登山口(大河原橋)に、また南に登ると宮指路岳から仙ヶ岳へと続き、途中でイワクラ尾根から入道ヶ岳へも続いています。今日は、県境稜線を北上し、水沢岳から鎌尾根を経て、鎌ヶ岳に向かいます。
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 水沢峠にある標識(右に行くと水沢岳・鎌ヶ岳)

水沢峠から水沢岳への登りは標高150mほどあり、最初から急登となっていますが、木の根や枝につかまりながら、少しずつ登っていきます。途中に「馬の背渡り」と呼ばれる両側が切れ落ちたザレ場があります。ここは滑り落ちないようにバランスを取りながら慎重に進みます。
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 馬の背渡りのザレ場

 ザレ場の上部からは展望がよく、西から南にかけて綿向山、サクラグチ、能登ヶ峰が、南から東にかけて仙ヶ岳、宮指路岳、野登山が、東には入道ヶ岳、伊勢平野をはさんで雲母峰が見えていました。ひと休みしたいものですが、そのまま登りを続けました。
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 右から綿向山、サクラグチ、能登ヶ峰が見えています
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 正面には宮指路岳、その向こうに双耳峰の仙ヶ岳、左に野登山が見えています
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 伊勢平野を一望できます

 やがて傾斜が緩くなってきて、ササが出てくると平坦な場所に出て、水沢岳山頂に到着しました。登山道の真ん中に三等三角点が位置しています。ここからは東側の展望だけですが、イワクラ尾根から入道ヶ岳、また鎌ヶ岳の東に派生する支尾根にある雲母峰がきれいに見えていました。
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 水沢岳にある三角点と標識
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 鎌ヶ岳の東の支尾根にある雲母峰 

 この水沢岳の山頂は南北に長い平坦な雑木林になっているのですが、少し北に進むと樹間から鎌ヶ岳の頂部が頭を現してきます。
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 樹間から初めて姿を見せた鎌ヶ岳

 さらに進むと、ガレ場に出てきますが、ここからは、これから歩く鎌尾根と途中にある衝立岩、そして鎌ヶ岳がきれいに見渡すことができます。左手(西側)には、綿向山から清水の頭、雨乞岳、東雨乞岳までの眺望が展開しています。
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 正面に鎌ヶ岳がはっきりと見えています
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 衝立岩から鎌ヶ岳まで続き鎌尾根が見えています
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 左から綿向山、清水の頭、雨乞岳、東雨乞岳と続いています

 さて、しばらくザレ場の上から眺望を楽しんだら、ザレ場の下りです。今回のルートで最も難所だと思います。最も安全策は、風化した花崗岩の左端を木の枝などにつかまりながら下ることですが、敢えてザレ場の中央部分の花崗岩の間を慎重に下降してみました。さほど難なく下部まで下ることができ、振り向き上げると下りてきた花崗岩のザレ場がゴツゴツとして寒そうです。
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 降りてきたザレ場を見上げています

 ザレ場から一旦鞍部まで灌木の中を下降すると、今度はササ原の中の快適な登山道が続いています。この付近はブナも結構あり、新緑時にはシロヤシオやシャクナゲなども開花していて、快適な稜線歩きができそうです。もちろん、前方には鎌ヶ岳までの稜線が見えていて、次第に鎌ヶ岳が迫ってくる様子は何とも言えない快感を覚えます。
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 衝立岩から鎌ヶ岳が次第に迫ってきます

 稜線が次第に上っていき、小ピーク(P1028)を過ぎたところで、登山道が右に直角に曲がっています。直進する道もありますが、それは滋賀県側に下っていく白滝山尾根であり、ここが迷いやすい地点となっています。しかし、眼前に衝立岩が迫っているので、その方向に行くようにすれば迷わないでしょう。
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 眼前に迫る衝立岩

 ここからは一旦下りとなり、それから衝立岩の岩場に突き当たりました。ここは左に回り込む道があり、鎖場になっているので、ここを登っていくと衝立岩左側の頂部の岩場に到着しました。
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 左に回り込んで鎖場を登ります

 ここからの眺望もまた抜群でした。西から北にかけて、綿向山、清水の頭、雨乞岳、イブネ、御在所岳と並んでいます。
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 左から綿向山、清水の頭、雨乞岳と並んでいます
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 左から雨乞岳、東雨乞岳、その右の平坦なところがイブネ
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 左端にイブネ、右に御在所岳が見えています

 南にはこれまで歩いてきた尾根稜線がくっきりと見え、その向こうに仙ヶ岳や野登山、入道ヶ岳などの山並みが見渡せます。
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 これまで歩いてきた尾根稜線が見えています

 衝立岩上部から一旦鞍部に下り、もう一度登り返して右側の頂部に出ます。ここから前方にはギザギザとした小ピークがいくつか並んでいて、その向こうに鎌ヶ岳がそそり立っています。これからが鎌尾根コースのハイライトとなります。
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 鎌尾根の向こうに鎌ヶ岳が聳えています

 ザレ場やヤセ尾根があり、アップダウンを繰り返しますが、さほどの難所はありませんでした。途中のザレ場から左手(西)の眺望(綿向山~御在所岳)がきれいだったのが印象的でした。鎌尾根の終点に近づくにつれて、鎌ヶ岳の姿が徐々に迫力を増してくるのが圧巻でした。
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 左の綿向山から右の御在所岳までのパノラマ
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 途中通過したザレ場
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 眼前に迫る鎌ヶ岳

 鎌尾根の最後に小さなキレットがあり、左手の岩壁に鎖が取り付けてあります。ミニ・カニノヨコバイとも呼ばれている箇所です。
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 カニノヨコバイと呼ばれている箇所

 ここもそれほどの困難もなく通過し、最後の小ピークに登ります。ここには誰が取り付けたのか、小さな鯉のぼりが風に泳いでいました。季節はずれの感がありますが、青空に映えていました。
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 最後の小ピークが見えています
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 季節外れの鯉のぼりが元気に泳いでいました

 最後の小ピークを左側に下っていくと、岳峠(だけとうげ)に到着しました。ここは鎌ヶ岳直下にあたり、眼前に岩壁を見上げると、果たして登れるのかなと錯覚するほどです。しかし、この岩壁の右側の部分に登山道があり、急登になっていますが、それほどの困難なく登っていくことができます。最後に鎖場があり、これを越えると鎌ヶ岳山頂に到着しました。
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 岳峠にある標識
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 岳峠から鎌ヶ岳への岩壁を見上げる(真ん中を登っていく)

 鎌ヶ岳山頂は東西に細長くなっていて、真ん中に少々灌木があり、天照大神を祀った祠があります。鎌ヶ岳の山頂および北側の斜面一帯にはブナ林があり、天然記念物に指定されているとの掲示板がありました。
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 山頂西側にある小広場の様子
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 天照大神を祀った祠
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 ブナ林の天然記念物指定の説明板

 まずは東側に行くと、小さなケルンがあり、山頂の標識がありました。山頂には三角点はありませんが(多分、御在所岳に一等三角点、水沢岳に三等三角点がある関係でしょう)、西から北にかけての眺望は申し分なく素晴らしいものでした。たくさんのパノラマ写真を撮ってしまいました。
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 鎌ヶ岳山頂の小ケルン
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 西から北にかけての大パノラマ写真(綿向山、雨乞岳、イブネ、御在所岳と並んでいます)

 次いで西に移動すると、南方面の展望がよく、今日歩いてきた鎌尾根の姿、水沢岳、その向こうには双耳峰の仙ヶ岳を確認することができました。東方面には支尾根になっている雲母峰や山頂がどっしりとした入道ヶ岳が見えています。
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 歩いてきた鎌尾根が見えています
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 雲母峰がくっきりと見えています

 山頂では、若者4人のグループと単独行の30代の男性に会いましたが、天気もよく、ぽかぽか気分になってきて、時間をかけて昼食を摂ったり、写真を撮ったりして、1時間あまり山頂で静かな時間を過ごすことができました。

 さて、下山にかかります。岳峠までは登ってきた道を下ります。下りの途中で岳峠とこれに続くギザギザした鎌尾根稜線が見えていました。左手に長石谷に下る道を通過すると、岳峠に戻ってきました。
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 手前が岳峠、向こうにはギザギサの鎌尾根が続いています

 岳峠からは、雲母峰・宮妻峡に下るルートがあり、出発点の宮妻峡に戻るにはカズラ谷コースを下ることになります。岳峠付近はクマザサがかなり茂っていて、ササをかいくぐって雲母峰に続く支尾根に乗ります。尾根に乗ると、はっきりとした登山道が続いており、周囲には保護対象となっているブナの原生林があり、落ち着いた雰囲気を味わうことができます。登山道は所々掘割状になっていて、少々歩きづらいですが、道迷いの危険はありません。
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 堀割状の溝道

 やがて雲母峰への分岐に至ります。ここには道標が立っているので間違うことはありません。
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 雲母峰との分岐

 ここから尾根から外れて下っていくことになります。途中にはザレた箇所やガレた箇所がありますが、問題なく通過することができます。掘れた溝道を通過すると、やがて支尾根から外れる箇所があります。ここが迷い点になっていますので注意が必要です。ここには目印のテープと東芝山岳会のプレートがあるので確認した右手に下って行きます。
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 掘れた溝道が続きます

 間もなく、カズラ谷の支谷を越える箇所があり、ここが水場になっています。「岳峠まで50分、最後の水場」という標識が架かっています。
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 最後の水場の案内標識

 ここを通過すると、やがて植林帯の中を通過するようになり、再び尾根の歩きやすい溝道を通るようになります。
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 歩きやすい樹林帯の中の道

 どんどんと下っていくと、右手に小さな滝が見えてきたかと思うと、堰堤のところに出てきました。ここでカズラ谷と出合うことになります。
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 この堰堤の右岸を下り、その後二度渡渉(渡渉箇所には目印のテープがあるので見落とさないようにしないといけません)をすると、カズラ谷登山口に戻ってきました。よく見ると、ここには四角い石柱の道標があり、左鎌ヶ岳、右入道ヶ岳、水沢岳と彫られています。あとは5分ほど歩いて宮妻峡の駐車場まで戻りました。
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 下山後、麓から入道ヶ岳、鎌ヶ岳、雲母峰を遠望する

 今回は、積雪期なので雪山山行を期待していたのですが、全く雪がなかったのは残念でした。しかし、予報どおり快晴の天気の下、素晴らしい眺望をほしいままにすることができ、また静かな雰囲気も味わうことができて、大満足の山行となりました。
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<コースタイム>080114快晴
800宮妻峡駐車場 830不動の滝 840林道分岐 925水沢峠 950▲水沢岳1000発 1030P1028 1055白滝尾根分岐 1100衝立岩1115発 1145岳峠 1200鎌ケ岳(昼食・撮影)1320発 1330岳峠 1350雲母峰分岐 1430堰堤 1440登山口 1445宮妻峡駐車場(歩行距離約11㎞)


by kitayama-walk | 2008-01-14 23:32 | 鈴鹿山系 | Comments(0)


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