2007年 11月 03日
雨乞岳は、御在所岳の西稜線にある、御池岳に次ぐ鈴鹿第2の高峰(1238m)として有名です。これまで雨乞岳には3回登りましたが、いずれも鈴鹿スカイラインの武平峠からでした。 雨乞岳の西稜線は、清水頭の周辺が笹原に覆われた大平原となっていて、眺望も抜群であると聞き、今度は是非とも西稜線から登ってみたいと考えていました。この西稜線からの眺望を堪能するには、どうしても晴れた日でなければならないと思い、快晴の予想される日を待っていました。そして、この日鈴鹿地方は快晴の予報だったので決行することにしました。また、雨乞岳から綿向山の縦走もしてみたいと思っており、前回(07/02/12)は綿向山からイハイガ岳まで歩いているので、今回は大峠からイハイガ岳まで歩いてみようと思いました。 朝5時半に自宅を出発し、甲津畑の駐車場まで車を飛ばしました。午前6時40分に到着しましたが、まだ車は1台も停まっていません。早速身支度をして、岩ヶ谷林道を歩き始めました。 10/28にも歩いていることから、記憶に新しい道を再び歩きます。舗装道路から地道に変わると、もう秋の気配を感じさせるように、広葉樹の落ち葉が道いっぱいに落ちていて、落ち葉のじゅうたんのようになっていました。 落ち葉のじゅうたんを踏みしめて進むと、20分ほどで織田信長を狙撃したといわれる杉谷善住坊の隠れ岩に着きました。 さらに進むと植林帯になり、周囲の景色が暗くなってきました。この植林帯の中の右手に「桜地蔵尊」の祠が奉ってありました。 やがて、藤切谷(渋川)を渡る橋を通過し、右岸に沿って進みます。少し切れたった箇所がありロープが設置してあり、丸木の橋が渡してありました。よく見ると、今年架け替えたばかりの橋のようです。間もなく、古屋敷跡に着くと、この右手に「大峠・祝ヶ岳」の分岐があります。今日はここから右に分岐していきます。 すぐに藤切谷を渡渉すると、藤切谷がツルベ谷に分岐するので、ツルベ谷の方に登山道は向かっています。 所々に目印のテープがあるので、これを見落とさないようにしながら、ツルベ谷を詰めていきます。しばらくはツルベ谷の渡渉を繰り返しながら登っていきます。 ツルベ谷分岐から30分ほど行くと、左手に上がる箇所があります。「大峠まで20分」の標識があるので、これに従って谷から逸れて上がっていきますが、目印のテープがあるので迷う心配はありません。 やがて目の前が明るくなってきたかと思うと、鞍部に出ました。 ここが大峠です。地形図に書かれている登山道が境界ラインと交差する箇所とは少し東にずれているようです。 今回は時間もあるので、大峠から綿向山への縦走路を途中のイハイガ岳まで行ってみることにしました。大峠からの最初の登りは結構急な尾根道になっています。やがて傾斜が緩やかになってきたかと思うと、尾根の左手が開けてきて、ここから眺めると、前方にイハイガ岳の東斜面が大きく崩れ落ちているガレ場になっていました。 イハイガ岳への尾根道は少し右手に回っている箇所もありますが、尾根に沿って登っており、急な斜面が続きます。木の枝や根をもってよじ登っていくという感じです。やがて平坦な場所までやってくると、イハイガ岳の山頂でした。山頂には金属製の立派な標識が設置してあり、三等三角点もありました。これは、前回綿向山からやってきたときに確認しています。イハイガ岳の山頂から綿向山の方向を眺めると、正面に小高いピークがあり、その向こうに綿向山の山頂は隠れていました。ここから綿向山への稜線は素晴らしいものがあります。 イハイガ岳の山頂では、綿向山からやってきたという男性に会いました。男性は写真を撮って、また綿向山に引き返すということでした。私もここから大峠まで引き返します。下っていく途中で、雨乞岳がよく展望できる箇所がありました。正面に雨乞岳があり、これから歩く雨乞岳の西稜線が見えています。雨乞岳の左手にはイブネ、さらにその左に頭を突き出しているのはタイジョウです。 大峠から雨乞岳をめざしますが、最初は雑木林の中のかなり急登の尾根を登っていきます。一度鞍部に出て、さらに登っていくと、右手にガレ場をやり過ごし、ヤセ尾根を行くことになります。このあたりにはシャクナゲが群生していて、5月上旬頃にはたくさんの花を咲かせてくれるのではないでしょうか。尾根が右手(南)に回ったところに松の木と大きな岩がありました。 この大岩の上に登ると周囲の景色が一望することができます。行く手には、雨乞岳が大きく迫ってきています。 振り返ると、イハイガ岳、その左手には綿向山が並んでいます。 さらに進むと、今度は左手(東)に向きを変えていき、尾根が広がってきます。このあたり少し踏み跡が不鮮明になっていますが、尾根の中心部を外さないように歩きます。 自然林の中のシロモジが黄色く染まり、バックの青空とのコントラストがきれいです。 やがて、P1014を通過すると、右手が杉の植林になってきます。 さらに尾根道を上っていくと、やがて周囲の灌木がなくなり、開けたところに出てきます。ササとススキの平原が広がっています。もう少し行ったところの小高くなったピークのところに、低木は2、3本あり、ここが清水頭(しょうずのかしら)でした。 噂どおり、清水頭からの眺望は素晴らしいものがありました。正面には雨乞岳がデンと鎮座していて、その右には鎌ヶ岳の鋭峰が天を突き上げていました。 鎌ヶ岳から南に延びる稜線には、水沢岳、宮指路岳、仙ヶ岳と続いています。 やってきた方向を振り返ると、イハイガ岳から綿向山への稜線がくっきりと映っています。 さらに北方向をみると、カクレグラ、タイジョウ、イブネといった山並みが続いています。 よく晴れていたこともあって、しばらくはここに滞在したいと思い、ここで昼食を摂ることにしました。ふと足下を見ると、リンドウの花が咲いていました。 秋晴れの下で素晴らしい景色を目の前にしながらの食事はことさらおいしく感じられました。 さて、清水頭からは、ササ原の中に切り開かれた道を辿り、雨乞岳をめざします。 振り返ると、歩いてきたササ原が太陽の光を浴びて銀色に輝いています。 正面には紅葉し始めた雨乞岳の斜面が見えます。 次第に急登となり、ササの背も伸びてきて、道が歩きにくくなったかと思った頃に、小ピークに出ました。ここが南雨乞岳(1207m)でした。 ここからも正面に雨乞岳が見え、東雨乞岳への稜線が美しくたわんでいました。東には、御在所岳と鎌ヶ岳が並んで見えて、圧巻です。 南雨乞岳から雨乞岳に向かいます。ここは背丈くらいあるササが一面に繁茂していて、前方が見えないようなところがあります。しばしササ漕ぎをしたかと思うと、雨乞岳の山頂に飛び出しました。山頂は狭く、中央に二等三角点があります。山頂のプレートが数枚かかっていました。 せっかくなので東雨乞岳まで往復してくることにしました。ササに覆われた道を下っていき、一旦鞍部に下りて登り返したピークが東雨乞岳です。 ここは遮るものがなく360度のパノラマが広がっています。特に、北方向には、杉峠の頭からイブネ、クラシへの稜線が見え、その向こうには釈迦ヶ岳、御池岳、霊仙山などの鈴鹿の名峰が並んでいます。 再び雨乞岳まで引き返し、今後は北斜面を下っていきます。最近、ササの刈り込みが行われたらしく、歩きやすい道になっていました。 少し下ったところに岩があり、ここから振り返って雨乞岳から東雨乞岳への稜線を展望し、正面にはイブネ、クラシ、釈迦ヶ岳を見渡すことができます。さらにどんどん進んでいくと、灌木帯に入り、急な下り坂となります。滑らないようにジグザグになった道を下っていくと、やがて鞍部に下りました。ここが杉峠です。 杉峠からは、千草街道を甲津畑に向けて下ります。道は古道なので、しっかりとしています。大きなミズナラの木は一反ぼうそうと呼ばれています。高さはさほどありませんが、横幅はかなりのもので最大級といってよいでしょう。ナラガレ病が広がりつつあるのが心配ですね。続いてシデの並木があり、さらに進むと、大シデに出会います。このイヌシデ(犬四手)は、根の張り方が大きく、幹や根に深い皺が刻まれていて、老木の貫禄を醸し出しています。 大シデからすぐのところに蓮如上人旧跡があり、石碑と古井戸があります。近くに最近簡易小屋みたいな建物が造られたようです。 ここから10分ほどで大峠分岐まで戻ってきました。あとは、今朝やってきた道を辿り、甲津畑の車を停めてある鳴野橋のところまで戻りました。 <コースタイム>071103快晴 650鳴野橋 710かくれ岩 730桜地蔵尊 750大峠分岐 840大峠 90▲イハイガ岳1000発 1025大峠 1130P1014 1140清水頭(昼食)1240発 1310南雨乞岳1320発 1330▲雨乞岳1355発 1405東雨乞岳 1420▲雨乞岳 1445杉峠 1500一反ぼうそう 1525連如上人旧跡 1535大峠分岐 1550桜地蔵尊 1605かくれ岩 1620鳴野橋
by kitayama-walk
| 2007-11-03 23:15
| 鈴鹿山系
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