山好き的日々@京都北山

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2007年 04月 15日

金勝アルプスを行く

 琵琶湖の東南、草津市の東に位置する金勝(こんぜ)アルプスと呼ばれている鶏冠山(けいかんざん)と竜王山に登ってみた。その特徴は、風化した花崗岩が露出し、巨大な奇岩が連なっているということでアルプス的な雰囲気を醸し出しているということである。
 金勝(こんぜ)の読み方はちょっと普通には読めない。その由来を調べてみると、昔朝鮮半島からの渡来した一族で、銅の採掘や青銅の細工を生業としていた金勝族がこの周辺に住んでいたところに由来するという。奈良東大寺の大仏の建立には多くの銅が必要であり、金勝族が活躍したと言われている。
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 奇岩連なる金勝アルプスの象徴となっている天狗岩



スタートは、上桐生バス停を過ぎたところにある一丈野(いちじょうや)キャンプ場入り口にある有料駐車場に車を停めて、「たまみずきの道・鶏冠山」という道標に従って歩き始める。すぐに北谷林道入口があるので、右手にとり、この林道に入る。林道脇にはもうミツバツツジが咲いている。
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 間もなく「落ヶ滝へ30分」という案内板があり、林道を離れて、右の登山道に入った。すぐに右手に奥池という結構大きな池が見えてくるが、これを過ぎると渓流沿いの道となり、渡渉を何度か繰り返しながら進む。
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 やがて、たまみずきの道と呼ばれている林道を横断して、さらに登っていくと、落ヶ滝への分岐に出合う。ここから5分ほどで滝に行けるので立ち寄ってみることにした。滝は、水量は少ないものの、高さ20m、3段の岩から流れ落ちている。
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 さて、滝を見た後は、先ほどの分岐点まで引き返して、右手の登山道を登って行く。滝の上部に出てから、風化した花崗岩の露出した道を登っていくと、途中琵琶湖方面の展望が開けるところもある。少し滑りやすい道であり、途中岩の上を登るような箇所もあるが、やがて河原のようなところに出る。「天狗岩・耳岩方面」という道標に従って沢沿いに登って行く。20分ほどで北峰縦走路出合の尾根に着いた。右に行けば天狗岩、左に行けば鶏冠山である。
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 まずは、登り20分ということで、鶏冠山へ登ってみた。登山道には所々タチツボスミレが可憐に咲いている。やがて急登になってきて、木の根などにつかまりながら登ることになる。尾根道なので急な坂も仕方がないが、よく見るとイワカガミがピンクの花を咲かせているのに気がついた。やがて尾根も高度を増して山頂近くになってきたとき、右手の展望が開けてきた。見れば、栗東トレセンの街並みと三上山(近江富士)が目に入る。
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 程なく鶏冠山の山頂(490.9m)に着いた。山頂は小さな広場になっていて、10人くらいが昼食をとるにはちょうどよい広さである。中央には三等三角点がある。展望は北方面だけであるが、湖南の街並みと琵琶湖、比良の山並みが見える。
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 鶏冠山からは、急坂を引き返して、先ほどの出合いまで戻る。今度は、そのまま尾根伝いに南に向かう。少しずつ高度を上げていくと、右手の展望が開けてきて、間もなく行く手に天狗岩の白い大きな岩塊が見えてきた。この辺りがこのコースの圧巻かと思われる。振り返ると先ほど登った鶏冠山の山容が飛び込んでくる。天狗岩を眼前に見たところで、一旦東側に下ることになる。そして、再び登り直したところが天狗岩の直下になっていた。天狗岩のちょうど南側から回り込んで登っていくことになる。
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 天狗岩の頂上には、5、6人くらいが立つことができるスペースがあった。湖南の山々、琵琶湖、比良の山々と360度のパノラマが広がる大展望である。また、これから登る竜王山の姿も見える。展望がよいので、ここで昼食を摂ることにしたが、そのとき、ぐらぐらと大地が揺れるのが分かった。地震である。後で分かったことであるが、この辺りは震度3であったとか。岩が崩れるほどの揺れでなかったのでよかった。
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 ゆっくりと昼食を摂った後は、天狗岩から耳岩へと縦走。耳岩は展望台になっていたが、どこから見たら耳に見えるのかよく分からなかった。振り返ると、先ほど登った天狗岩とその向こうに鶏冠山が見える。さらに階段になった登山道を登っていくと白石峰と呼ばれる分岐に着いた。ここから左手に取り、竜王山に向かう。竜王山へは緩やかな尾根筋の登りとなっている。
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 途中に茶沸観音という大きな石に彫られた小さな仏があった。これを通り過ぎると、やがて頂上直下に金勝寺(こんしょうじ)の八大龍王の小さな祠があった。
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 竜王山の山頂(604.7m)は小さな広場になっていて、その中央に四等三角点があった。さすがに四等ともなると、石標が小さい。
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 山頂からの展望は、北と西が開けている。西には、これまで登ってきた金勝アルプスの景観を一望することができ、また北には、栗東トレセンと三上山が、そして琵琶湖を隔てて、比良の武奈ヶ岳も望むことができるという。生憎この日は春霞がかかっていて、遠くまでは展望することができなかった。
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 さて、白石峰まで引き返し、狛坂線(狛坂寺跡方面)を下る。整備された階段を下って行くと、間もなく重ね岩に出合う。なるほど大きな岩が2つ重なっている。この岩には薄肉彫りの阿弥陀像が刻まれているというが、風化して摩滅してしまっている。さらに松林の中を下っていくと、国見岩に着く。ここからは、耳岩、天狗岩、鶏冠山が一望できる。また工事中の第二名神高速道路も見える。
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 さらに下って行くと、間もなく史跡「狛坂磨崖仏」に出た。奈良時代後期の作とされ、高さ6.3m、幅4.3mの花崗岩に3mの如来座像、両脇に菩薩立像の三尊像、周囲にも9体の小菩薩像が彫られている。渡来系工人によって彫られたという。周囲を見渡してみると、古い石仏がたくさんあり、狛坂寺の跡である。金勝寺が女人禁制であったため、平安初期(嵯峨天皇の弘仁年間)に別院として狛坂寺が建立されたというが、明治になって廃寺となったそうである。
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 狛坂磨崖仏を過ぎると、やがて桐生辻からの道と合流したところで、右にとるとやがて南谷林道に出るので、沢沿いにそのまま進んだ。途中、耳岩からの道が合流してくると、まもなく舗装道路に出て、工事中の第二名神高速の下をくぐることになる。林道を進んでいると右手に「逆さ観音」の表示があったので、立ち寄ってみた。なるほど、大きな岩に逆様になった観音三体(実際は阿弥陀三尊仏)が彫ってある。どうしてこうなったのかの説明が案内板に書いてあった。何でも、元々鎌倉時代に金勝寺に参道に道標として彫られていたものが、明治時代のオランダ堰堤の工事の際に、不足した石材の一部にあてるため、逆さ観音の石の一部を割って利用したそうです。そのため、石がバランスを失って落下して逆さになったとか。よく見ると、石の3分の1ほどが割られてなくなっていて、その説明に頷けるところがある。
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 元に戻り、再び林道を下っていくと、右手に公園のような場所が見えてくると、間もなく「オランダ堰堤」に着いた。明治初期に政府が招聘により来日したオランダ人技師ヨハネス・デ・レーケにより設計された砂防堰堤で、割石積み(ヨロイ積みと呼ばれている)の堰堤で日本最古のものと言われている。百年以上も経った現在も効能を発揮していて、堰堤下では子どもたちが水遊びをしていた。
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 オランダ堰堤を過ぎると、すぐにキャンプ場に着き、スタート地点の駐車場に戻ってくることができた。今回のコースは、周回コースとなっていて、マイカーでのハイキングには最適のコースと言える。冬季には空気が澄み渡るので、素晴らしい眺望が見られるのではなかろうか。
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(新・分県登山ガイド「滋賀県の山」から引用)

070415晴れ
1000上桐生 1025落ケ滝 1055鶏冠山分岐 1110▲鶏冠山 1130鶏冠山分岐 1210天狗岩(昼食)1250発 13051310耳岩 1315白石峰 1330▲竜王山 1355白石峰  1400重ね岩 1410国見岩 1415狛坂磨崖仏 1430桐生辻分岐 1500さかさ観音 1510オランダ堰堤 1515上桐生


by kitayama-walk | 2007-04-15 23:05 | その他 | Comments(5)
Commented by Casa de Banano at 2011-01-22 16:04 x
はじめまして。
昨日、金勝アルプスへ行ったのですが、その折りにこちらの記事のプリントアウトを持参しました。それでポイントを確認しながらの道のりは、安心でき、昨日のハイキングを充分楽しめました。ありがとうございます。
手短かですが、お礼をお伝えしたくコメントしました。

実は昨日がトレッキングシューズを履いての初めてのハイキングでした。これから他のルートも参考にさせていただきたいと思っております。特に鈴鹿系の山の記事に魅力を感じています。




Commented by kitayama-walk at 2011-01-25 00:59
 ようこそ、いらっしゃいました。
 私の山レポが役に立っていただいたということで、大変うれしく思っております。これからもどうかよろしく。
Commented by ikakan at 2013-04-17 23:01
この山は何度行っても楽しく景観が楽しめる山という印象がありますね。
この奇石を眺めるだけでも面白いです。
なんかアスレチックのような体感が出来る感じです。
Commented by あすみ at 2015-11-03 21:32 x
はじめまして。今日金勝アルプスへ行ってきました。こちらのブログを参考にし、無事にいってこれました!ありがとうございました!
Commented by ちぃちゃん at 2015-11-05 06:58 x
近々、行こうと思います。
綺麗な写真、ありがとうございます。


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