山好き的日々@京都北山

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2012年 07月 23日

火打山-ハクサンコザクラに会いにどろんこ道を行く

【日 付】 2012年7月23日(月曜)
【天 候】 曇り時々晴れ一時雨
【山 域】 越後/上越
【メンバー】 F田氏、kitayama-walk

【コース】 笹ヶ峰登山口-黒沢-十二曲り-富士見平-高谷池ヒュッテ-天狗ノ庭-雷鳥平-火打山-天狗ノ庭-高谷池ヒュッテ(幕営)

 7月20日過ぎの夏休みに入ったばかりの時期に越後(上越)の火打山の懐の高層湿原にハクサンコザクラが咲くというので見に行きたいと思っていた。今年はこれを実行しようと夏休み早々の休暇を取っていた。ところが、今年は7/17に梅雨明け宣言があったものの、その後すっきりしない天候が続いている。天気予報の外れが続いたが、7/23-24で火打山&妙高山の登山を実行することにした。

 東の妙高山(2454m)、西の焼山(2400m)と並び頸城三山と呼ばれる妙高連峰のひとつである火打山(2462m)は、「花の火打」と呼ばれるように、高層湿原にたくさんの高山植物の花が咲くことで有名です。この3つの山の中では火打山が最も高いが、緯度的に見て、火打より北に火打より高いはない。もちろん、火打山は妙高山と並んで日本百名山である。

 「火打の真価値はそれに近づくに従って発揮される。普通笹ヶ峰牧場から登るが、その登り道が一様ではなく、林あり、平あり、池沼あり、変化に富んでいる。(中略)笹ヶ峰から見晴らしのよい富士見平まで登ると、初めてこの山の大きさを知らされる。何と広々とした山腹であろう。その上に火打の頂がスッキリと潔く立っている。その山腹に豊かな平地を持った高谷池がある。池の付近の景色は全くすばらしい。夏ならば高山植物の褥である。」(深田久弥「日本百名山」から)

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 天狗ノ庭から火打山を望む



<アクセス>
京都東IC-(名神)-小牧JCT-(中央道)-岡谷JCT-(長野道)-更埴JCT-(上信越道)-妙高高原IC-(県道39)-笹ヶ峰登山口


 高速割引の効く22日(日)のうちに京都東ICに乗り、妙高高原に向かう。途中雨が降ったり止んだりする天気でモチベーションが上がらない。それでも車の少ない高速はスイスイと進み、午前4時には妙高高原ICを下り、妙高高原公園線(県道39号)を進み、妙高杉ノ原スキー場のゲレンデの縁のつづら折りの道をどんどんと上がっていくと、30分ほどで笹ヶ峰の駐車場に着いた。登山口に近い方の駐車場(30台)に車を停めたが、まだ4時半だ。もうあたりは夜明けで明るくなっている。まだ時間があるのでゆっくりと身支度を整えていると青空も出てきて、次第にモチベーションが上がってきた。

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 火打山登山口にある東屋風の木造門

 この笹ヶ峰登山口(標高1300m)には、東屋風の木造の門があり、ここに登山届用紙と投函箱が設置されている。珍しく登山届を記入して投函した。午前5時30分にスタート。樹林の中に木道が続いている。すぐに右から遊歩道が合流してきて、ブナ林の緩やかに登っていく。かなり幹の太いブナが幾本も佇立しているが、幹に刻まれた文字が痛ましい。45分ほどで黒沢に架かる橋に到着。先行していた数名のグループを追い越して先に進み、しばらく登ると、十二曲りと呼ばれる急登にやってきた。文字どおり12回のジグザグを繰り返しながら登っていく。カーブに番号がつけてあるのでいちいち数えなくてもよい。急登とはいっても、曲りのひとつひとつは小さいので15分ほどで登り切ることができた。あたりを見るといつの間にかブナがダケカンバに変わっている。十二曲りを過ぎても、なお急登が続き、小さな岩場になっているような場所も通過する。やがてオオシラビソの樹林帯に変わって傾斜が緩くなってきたら、木道のないところにぬかるみが出てきて、泥まみれにならないように歩くのに苦労する。周囲の樹木の背丈が低くなってきたと思ったら、富士見平に到着した。なぜ富士見なのかというと、黒姫山の上に富士山が見えるらしいが、今日はガスのため何も見えない。ここは高谷池と黒沢池への分岐点となっており、明日は妙高山からの帰りに黒沢池からここに戻ってくることになるが、今日は左にとって火打山をめざす。

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 樹林の中に木道が続いている
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 ブナ林の中を緩やかに登っていく
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 時折出会う巨木のブナを見上げる
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 黒沢に架かる橋(ここまで45分)
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 十二曲りというジグザグ道に入る
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 曲りに番号がつけてある
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 十二曲りを登り切ったところ
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 いつの間にかブナがダケカンバに変わっている
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 笹ヶ峰登山口から山頂までの到達度の指標もある
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 オオシラビソの樹林帯に変わってきた
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 樹木が低くなってくると富士見平が近い
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 富士見平に到着

 富士見平の分岐を左にとり、緩やかにトラバースする登山道を進むと、前方にガスがかかってきた。いつの間にか視界が悪くなってきて、雨が落ちてきそうだ。右手に黒沢岳があり、これを巻くように進んでいるのだが、ガスのためほとんどわからない。ただ、傾斜は緩いのでどんどんと先に進む。やがて右手の路傍に白い花が咲いているのが目に入った。キヌガサソウ(衣笠草)である。よくみると、その奥の林に中に群生しているではないか。また、サンカヨウ(山荷葉)の白い花が雨に濡れて半透明になっている。ほかにもオオバミゾホウズキ(大葉溝酸漿)エンレイソウ(延齢草)、マイズルソウ(舞鶴草)などが登山道に咲いていた。今日初めて出会う花々に足を止めて写真撮影する。やがて木道の左手向こうに赤い三角屋根が見えてきた。高谷池ヒュッテだ。笹原の中に続く木道を進み、ヒュッテの裏側から回り込むと、ヒュッテの玄関前に到着し、ベンチで休憩する。まだ9時前であるが、幕営料500円を支払って、テント場に直行する。テント場はヒュッテ前から水場の方向に進み、水場を越えたところ、高谷池のほとりにあった。すでにテントが一張りだけあったが、無人である。

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 前方にガスがかかってきた
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 キヌガサソウ(衣笠草)
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 キヌガサソウ(花のアップ)
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 サンカヨウ(山荷葉)-雨に濡れて半透明に
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 エンレイソウ(延齢草)
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 マイヅルソウ(舞鶴草)
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 オオバミゾホウズキ(大葉溝酸漿)
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 ササ原の中の木道を行く
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 赤い三角屋根の高谷池ヒュッテが見えてきた
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 高谷池ヒュッテの正面玄関
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 高谷池はガスっていた
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 靄がかかる高谷池
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 高谷池畔にはハクサンコザクラが咲いていた

 テントの設営が終わると9時半。ガスがかかっているため火打山も見えないし、高谷池も靄に覆われているが、ハクサンコザクラ(白山小桜)の花がたくさん咲いているのが見える。時間もまだたくさんあり、火打山の山頂には今日中に登ればよい。予報では回復傾向にあるというのでテントで昼寝(まだ朝寝か)をすることにした。テント内でちょっと休んでいると、テントを叩く雨の音。ついに降ってきたかとモチベーションが下がり、そのまま寝入ってしまった。2時間ばかり寝たのであろうか、何だか暑くなってきたので目が覚めた。外に出てみると、雨は止み、雲の間から太陽が顔を覗かせていた。確かに、天気は回復傾向である。しかし、からっと晴れ上がったわけではなく、雲が次々と流れてきては、青空と太陽を隠してしまう。太陽と雲の争いであるが、雲の方が優勢である。もう正午前なので昼食にすることにした。カップ麺とおにぎりと思っていたところ、コンビニでおにぎりを買い忘れていた。やむなく非常食のパンを食べることにした。

 昼食を済ませると、もう午後1時前になっている。そろそろ火打山山頂に向かって出発しなければならない。サブザックに荷物を詰めて、ヒュッテ前から高谷池の北端を回り込むようにして木道が延びている。木道の右手にはキヌガサソウの群落があった。高谷池には、盛りを過ぎてしまったミズバショウと、今が盛りのハクサンコザクラがたくさん咲いている。高谷池から少し登るように岩の台地(少し雪渓が残っていた)を越えて下ると、再び池塘群が出てきた。ここが天狗ノ庭と呼ばれるところだ。火打山、影火打、焼山と並んで、池塘にその姿を落とし、その周囲にはハクサンコザクラの群落があるというのが火打山を代表する光景になっている。しかし、今日はガスのため山々の姿はない。ただ、ハクサンコザクラだけは群落を形成して迎えてくれた。

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 左に取って火打山へ向かう
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 木道の傍らにはキヌガサソウの群落があった
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 高谷池の池塘にはミズバショウの花も残っていた
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 雪渓が残っている
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 天狗ノ庭に到着したけれど火打山は見えず
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 池塘の向こうに火打山が見えるはずだが・・・
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 ハクサンコザクラの群落
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 ハクサンコザクラをアップで撮る
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 イワイチョウ(岩銀杏)
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 ハクサンチドリ(白山千鳥)

 天狗ノ庭で写真撮影の時間を取った後、火打山から延びてきている尾根に取り付いて登っていく。もう木道はないので、登山道はかなりぬかるんでいる。緩やかに登っていくものの、足元が悪いためにかなり往生する。すると、下山してくる集団に出くわした。中学生の集団登山の団体だ。50~60人だろうか。そうでなくとも、雨の後でぬかるんでいる道が、多人数で踏まれてドロドロになっている。かなわんなぁと思いながらも、登山道に見られる花-ヨツバシオガマ(四葉塩竃)、エゾシオガマ(蝦夷塩竃)、オダマキ(苧環)、ミヤマキンポウゲ(深山金鳳花)、テガタチドリ(手形千鳥)などを愛でながら登って行く。

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 尾根からは中学生の集団が下りてきた
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 ヨツバシオガマ(四葉塩竃)
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 エゾシオガマ(蝦夷塩竃)
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 テガタチドリ(手形千鳥)
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 オダマキ(苧環)

 ササ原やダケカンバの林を通過し、ハイマツ帯の中の稜線を上がっていき、雪渓に覆われた雷鳥平と呼ばれるところ出た。天気の状態からすると雷鳥が見られそうだったので、周囲を見回してみたが、雷鳥はいなかった。雷鳥平から先はしばらく平坦になっているが、その先は最後の登りになっている。このあたりでは、ミヤマキンポウゲ(深山金鳳花)、ハクサンシャクナゲ(白山石楠花)、クルマユリ(車百合)、ノウゴウイチゴ(能郷苺)の花が咲いていた。土留めのために作られた丸太の階段を息を切らせて登っていくと火打山の山頂に着いた。山頂は小さな広場のようになっていて、その中心に火打山の大きな標柱と小さな石仏が祀ってある。三等三角点もあるが、かなり地上に露出している。晴れていたら、360度のパノラマ展望が楽しめ、妙高山はもちろんのこと、黒姫山、高妻山などが見え、北アルプス、富士山、能登半島、佐渡島まで見渡せると言われています。しかし、今日は残念ながら、ガスが覆われていて、時折晴れ間が見えたものの、眺望はほとんどなかった。

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 向こうにダケカンバの木が見えています
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 雷鳥平には雪渓が残っていた
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 ミヤマキンポウゲ(深山金鳳花)
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 ハクサンシャクナゲ(白山石楠花)
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 クルマユリ(車百合)
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 ノウゴウイチゴ(能郷苺)
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 土留めの丸太の階段を登る
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 山頂直下の最後の登り-青空が出てきた
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 火打山の山頂に到着(14:20)
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 露出している三角点と石仏
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 山頂からの展望(カシミール)
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 山頂からの展望(カシミール)

 山頂で地元の登山者や大阪からやってきた登山者と山談義をしている間に40分ほどが経過した。もう午後3時だ。下山は高谷池までピストンする。下山途中、前方に妙高山が姿を現した。手前の外輪山の向こうに頭を覗かしている感じだ。天狗ノ庭まで下りてくると、行くには見えなかった火打山が姿を現してくれた。池塘に影を映す火打山の姿をハクサンコザクラ越しに撮影した。今日の天気の中では一番のショットが撮れた。気分をよくして、高谷池ヒュッテまで戻り、缶ビールで祝杯を挙げた。

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 山頂からの下りで登ってきた稜線が見える
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 前方に妙高山が見えてきた(眼下には天狗ノ庭も見える)
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 妙高山の頭がはっきりと見える
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 天狗ノ庭に下りてくると火打山が姿を現した
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 ハクサンコザクラの群落もある
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 天狗ノ庭を過ぎた木道から火打山を振り返る
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 高谷池の池塘がよく見えるようになった
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 高谷池ヒュッテの水場(高谷池畔にある)
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 今日のテント場は2張りのみだった
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 この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平20業使 第438号)

<コースタイム>
530笹ヶ峰登山口 615黒沢橋 635十二曲り650 745富士見平 850高谷池ヒュッテ(テント設営・昼食)1250 1310天狗ノ庭 1350雷鳥平 1420火打山1500 1545天狗ノ庭 1610高谷池ヒュッテ


by kitayama-walk | 2012-07-23 23:07 | 日本百名山 | Comments(4)
Commented by biwaco06 at 2012-07-29 16:23
梅雨明け記念の遠征ですね~(^^)/
妙高はスキーに行ったくらいです。前山までリフトで上がった記憶があります。
日本海側とあって、湿原が多いですね。花が満開ですね!(^^)!
24日から白山の北部登山路を周回してきました。ハクサンコザクラやクロユリなど、こっちも花いっぱいでした。27日に帰ったばかりで、体力回復に1ヵ月はかかりそうです。(>_<)
Commented by 温泉玉子 at 2012-07-30 19:49 x
遠くてなかなか行けそうにない場所ですが、高層湿原の花と雄大な風景は魅力的ですね。
距離はあるも日帰り可能かな?重い荷物は辛そう+汗だくで寝るのは気持ち悪そうでテント泊復活はなかなか厳しいです。
Commented by kitayama-walk at 2012-08-02 11:12
biwacoさん、おはようございます。
 火打&妙高は、以前から行きたいと思っていた山です。隣り合っているので一遍に2つ登ることができるのもいいかなと。それに、どうせ延び
るなら花の季節である7月下旬と考えていました。今年はそれを実行したところですが、梅雨明け直後の時期を狙ったんです。しかし、天気は
ぱっとしなかったのでイマイチでした。それでもたくさんの花に出逢えたことはよかったです。

 biwacoさんも、24日から北からの白山アプローチでしたか。白山は今が花盛りでしょうから、堪能されたことでしょう。今回も避難小屋泊ま
りだったことでしょう。24~27日というと3泊もしたのですね。体力回復には1週間で大丈夫ですよ。これからが夏本番です。僕も次は白山日
帰りで行ってきましょうかね。
Commented by kitayama-walk at 2012-08-02 11:18
 温泉玉子さん、いやnakato932さん、こんにちは。
 火打&妙高はちょっと遠いかも知れませんが、白山に行くのと少し遠いくらいなので、車で片道5時間みておけばOKです。花の好きな人なら
「花の火打」を見に行くにはちょうど7月下旬が最適ですね。

 地元の人たちは、火打だけなら日帰り登山を結構やっていますね。登山に6時間、車の往復に10時間ということで日帰りも可能だとは思いま
すが、ちょっとしんどいかも知れません。僕も、昨年馬場島から猫又山に日帰り登山をやりましたが、帰りの運転がしんどかったです(3時間く
らい仮眠しました)。


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