2010年 08月 20日
8月20日(金) 曇り一時雨 M井、M村、F田と4人 この夏の南アルプス登山の第2弾は、光岳&聖岳のアベック登山です。昨年夏、計画していましたが、天候が悪かったために断念した経過があります。今年は何としても登ろうと計画しました。この2つの山を一緒に登るためには、アクセスはどうしても長野県側の易老渡(いろうど)からになります。易老渡からまず易老岳に登り、光岳までピストンし、稜線を茶臼岳-上河内岳-聖岳と歩き、最後は便ヶ島(たよりがじま)に下ってくるコースになります。 <今回のコース> 初 日 便ヶ島-易老渡-易老岳-光岳小屋-光岳-光小屋(泊) 2日目 光小屋-イザルガ岳-易老岳-希望峰-茶臼岳-茶臼小屋(泊) 3日目 茶臼小屋-上河内岳-南岳-聖平小屋-薊畑-小聖岳-(前)聖岳-小聖岳-薊畑-聖平小屋(泊) 最終日 聖平小屋-薊畑-苔平-西沢渡-便ヶ島 「光岳は駿河・遠江・信濃の三国にまたがり、まず日本アルプスの南のターミナルと見なしていいだろう。さらに南に、大無間山や黒法師岳が続いているが、二千五百メートル以上の山は、ここをもって終わりとする。甲斐駒ヶ岳から鋭鋒を現しはじめる南アルプスは、三千メートル級の巨峰を数多連ねて次第に南に及び、光岳をもってその俊英の気を収めるわけである。」(深田久弥「日本百名山」より) このコースであれば2泊3日で歩けるところですが、今回はゆっくりと歩こうということになり、前夜泊+山小屋3泊という余裕のよっちゃんコースになりました。 前日(8/19)は、登山口のある便ヶ島まで車で行くことにしました。これがまた結構ややこしい道で、よく注意していかなければなりません。中央道の飯田ICからアップルロードを進み、途中から天竜川にかかる弁天橋を渡り、ループ橋を通過すると、三遠南信道の矢筈トンネル(無料)を抜け、R152を南下していきます。上島トンネル手前に「南アルプス登山口 便ヶ島・易老渡方面」という案内板があり、ここで右に入ると、トンネルの上部を越えて、遠山川に沿う林道赤石線を上流に進みます(遠山郷までのロードマップ参照)。さらに、屋敷、小野という急斜面にへばりつくような集落の中を通ります。途中に「ひなた」という民宿がありましたが、ここに前夜泊すれば、易老渡の登山口まで送迎してくれるそうです。この狭い急傾斜の連続カーブを通過し、赤石大橋、北又渡の発電所を過ぎると、やがて舗装道がダート道に変わります。10分ほど進むと、易老渡登山口があり、ここには駐車スペースがあります。さらに10分ほど進んで、ようやく便ヶ島に到着しましたが怖かった。この林道は急カーブが連続し、また落石がところどころ落ちていることから、夜間の通行は避けた方がよいでしょう(遠山郷ロードマップ詳細図)。飯田ICからの所要時間は、上島トンネルまで約60分、便ヶ島までさらに80分かかるので、2時間30分ほどみておく必要があります。 便ヶ島には、2003年5月にオープンした聖光(せいこう)小屋があり、完全予約制(24名まで)になっています。到着したときにはかなり激しい雨が降っていましたが、管理人の青木さんが歓待してくれ、お風呂にも入れてもらいました。なお、ここには50台ほどの駐車スペースがありますが、車中泊の場合は500円必要となっています(そのため、易老渡登山口の駐車場にたくさん駐まっています)。 前夜は早く寝たので午前4時には目が覚め、外を見るとまだ薄暗い。聖光小屋の朝食は午前4時というので早速いただくことにしました。身支度をして、午前5時に聖光小屋を出発しました。ここから登山口になっている易老渡までは遠山川沿いの林道が緩やかな下りになっていて30分ほど歩きました。易老渡登山口にある駐車スペースにはすでに10台ほどの車が駐まっていました。この遠山川にかかる橋のところが光岳の登山口になっていました。この橋のたもとに光小屋からの「お知らせ」があり、よく読むと「食事の提供は、50歳以上かつ3名以下のグループに限られる」と書かれていました。私たちは全員50歳以上ですが、4人なので食事の提供がだめということになります。昼食用の食料は持っているものの、夕食は小屋で食べることとばっかり思っていました。あぁ、困ったな。 橋を渡ると、植林地に入っていきますが、いきなり「熊に注意!!」「鈴を携行しましょう」との看板です。いやぁ、鈴ももっていないし、熊は出てこないことにしましょうと勝手に考えて、熊は頭の中から消え去りました。でも、いきなり急登です。小一時間頑張って登りますが、蒸し暑いの何のって。もう汗が体中から噴き出してきてだらだらです。やがて尾根に出てきて緩やかになってきましたが、広葉樹の林の中に入っていくと、再び急登になってきて、大きく斜めに登っていくと、樹木に包まれた平坦地に到着しました。ここが面平(めんだいら)と呼ばれるところで、最初の休憩としました。 面平からは、右手方向に尾根の中央部に取り付いて、再び急登になります。このあたりからガスがかかり始めてきて、暑さがさらに増してきたように感じます。やがて、小さな広場に出たと思うと、ここに三角点がありました。点名:易老岳、標高2254.06m、三等三角点です。この先は、木の根の張り出した岩場の下りになり、ロープも設置してあります。コルから登り返して、シラビソの林になります。このあたりから小雨が降ってきました。やがて尾根に出ると標識があり、すぐ近くの空き地が易老岳(2354m)になっていましたが、もちろん樹林の中なので展望はありません。少々小腹が空いたので、お昼用の弁当を食べることにしました(40分の大休止)。 易老岳からは光岳をめざします。ここからは下りとなり、最初少し開けた場所を通過しますが、すぐに倒木の多い樹林帯の中に入って行きます。やがて鬱蒼とした平坦なところに出てきましたが、どうやらここが三吉平(さんきちだいら)と呼ばれるところらしい。日本百名山を著した深田久弥は、易老渡に幕営し、翌日易老岳に登り、易老岳と光岳の鞍部の三吉小屋跡と呼ばれる林間の空地で幕営したそうです。ここからは登り返しになりますが、最初は岩が露出していて登りにくいが、涸れ沢の中をどんどんと高度を上げていきます。やがてダケカンバが出てきたら、傾斜が緩くなってきて、周囲が明るくなってきました。あたりにはミヤマトリカブトの花畑があり、ハクサンフウロも咲いています。目の先に水場があるところが静高平(しずこうだいら)と呼ばれるところです。光小屋は水場から遠いので、ここで十分補給することとされています。さらに進むと、センジヶ原と呼ばれるところに出てきて、木道の上を歩きます。この窪地には亀甲状土と呼ばれる変わった地形があります。木道を進むと、眼前に光小屋が姿を現してきました。 午後12時20分、光小屋に到着すると、まずF田氏と私が京都からやってきた二人組、M井&M村で岐阜からきた夫婦連れとして別々にチェックイン。光小屋では全く知らない人になりました。「あんたは50になっているのか」と質問されました。ちゃんと免許証を持っていたので、提示すると納得していただけました。小屋に着くと、50歳くらいの小太りの男性が色々と説明したり、世話をしてくれたので、てっきり小屋の人だと思っていたら、一般登山客だというのです。でも、毎年光小屋にやってきて、5、6日泊まっていくそうです。今日は、天ぷらの材料の野菜を担いでやってきたとそうです。果たして、その日の夕食は天ぷらでした。ちょっと量的には物足りなかったので、カップ麺を買って食べてしまいました。50歳以下の場合には、小屋でカップ麺やアルファ米を買って食べると、何とかなります。 光小屋に到着して、しばらく缶ビール(これがあまり冷えていない!)を飲みながら、休憩していました。天気の回復が遅いので、明朝に光岳に登ることにしていました。時間も大分あるので、散歩がてらに小屋周辺をぶらぶらしていたところ、山頂までは15分というので、一人で光岳まで行ってみることにしました。少し登りながら行くと、すぐに山頂に到着しました。残念ながら眺望がない山頂で、標柱がなければ、ここが光岳山頂であることも分からないようなところでした。 <コースタイム>100820曇り一時雨 500便ヶ島 530易老度 655面平 910P22541(三角点) 940易老岳1020 1110三吉平 1155静高平(水場) 1220光小屋
by kitayama-walk
| 2010-08-20 23:44
| 日本百名山
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