山好き的日々@京都北山

kitayamawa.exblog.jp
ブログトップ | ログイン
2010年 05月 21日

八甲田山-初めての青森遠征

  5月21日(金曜) 晴れ時々曇り F田、O根氏と三人

 八甲田山といえば、青森で最も有名な山、もちろん日本百名山です。私がこの山の名前を知ったのは、1977年に映画化された「八甲田山」でした。原作は、ご存知のとおり、新田次郎作「八甲田山死の彷徨」です。1902年(明治35年)1月、青森歩兵第5聯隊210名が八甲田山中で雪中行軍訓練をし、途中猛吹雪に遭い、199名が疲労凍死するという未曾有の大量遭難事件がありました。映画の中では、北大路欣也扮する神田大尉の「天は我々を見放した」というセリフが流行したことを覚えています。撮影では、実際に真冬の八甲田山中でロケを敢行し、実際に数名の俳優が過酷なロケに耐えられず脱走したという話も残っており、この過酷なロケは当時カメラマンだった木村大作にも大きな影響を与えたと言われています。

 ところで、八ヶ岳と同じように、八甲田山という名称の山があるわけではありません。前岳、田茂萢(たもやち)岳、赤倉岳、井戸岳、大岳、小岳、石倉岳、高田大岳の8つの峰と、その山中の所々に湿地、つまり田が多いので、八甲田と名付けられたと言われています。通常、八甲田山に登山するという場合は、その主峰である大岳(1584m)に登ります。今回は、混浴のヒバ千人風呂で有名は酸ヶ湯温泉(実際にお湯が酸っぱい)から、仙人岱を経由して、大岳に登り、山上の楽園と呼ばれる湿地帯「毛無岱」に下り、酸ヶ湯温泉に戻ってくるという周回コースを歩きました。

 「大岳に登ったら、帰りはぜひ反対側の井戸岳を経て毛無岱に下ることをお勧めしたい。豪華な絨毯を敷いたようなその原には、可憐な沼が幾つも点在し、その脇には形のいい匍松が枝を拡げている。周囲には丈の低いアオモリトドマツが風情を添え、その結構な布置といい、背景の効果といい、まことに神の工を尽くした名園のおもむきがある。」(深田久弥「日本百名山」から)

<本日のコース>
酸ヶ湯温泉-大岳(八甲田山)-大岳避難小屋-上毛無岱-下毛無岱-酸ヶ湯温泉

e0110500_133677.jpg
 毛無岱からの眺望(右から大岳、井戸岳、赤倉岳)



 8:20伊丹空港発JAL2151便で空路青森空港に向かいます。途中、機内から北アルプスの山々、鳥海山、岩木山などの山がはっきりと見えていました。予定どおり青森に到着すると、きれいに晴れています。レンタカーで酸ヶ湯温泉をめざしました。
e0110500_12593447.jpg
 萱野高原から八甲田を望む(左から前嶽、大岳、田茂萢岳と並んでいます)

 八甲田・十和田ゴールドライン(R103)を通って、八甲田スキー場のある八甲田ロープウェイの山麓駅を通過し、午前11時すぎに酸ヶ湯温泉に到着しました。今夜の宿はここなので、駐車場に車をおいて、まずは腹ごしらえに昼食を食べました。
e0110500_1354520.jpg
 酸ヶ湯温泉の建物です

 12:10に酸ヶ湯温泉を出発しました。ちょっと曇ってきましたが、雨になることはないだろうと、駐車場から回り込んで登っていきます。すぐに薬師神社の鳥居があり、その向こうに雲がかかった大岳が見えています。舗装道路をもう少し進むと、案内板と鳥居がある登山口にやってきました。ここに、「日本山脈縦走 青森県八甲田山-山口県秋吉台 5千キロ」と書かれていました。壮大な縦走です。
e0110500_0364037.jpg
 薬師神社の鳥居-向こうに見えているのは大岳
e0110500_037127.jpg
 登山案内板があります
e0110500_0372769.jpg
 ここが大岳への登山口になります

 登山口ですでに930mほどあり、登山道には雪が出てきました。すぐにブナ林に入り、白樺の木々も出てきました。テープや標識があるので、これを辿りながら進みます。
e0110500_0412336.jpg
 すぐに雪が出てきました
e0110500_0415457.jpg
 白樺の林もあります
e0110500_0422516.jpg
 登山道には標識もあります
e0110500_0424836.jpg

e0110500_043887.jpg
 この辺りが地獄湯ノ沢でしょうか
e0110500_0443077.jpg
 前方に大岳の姿も見えてきました
e0110500_0453662.jpg
 雪面をガシガシと登っていきます
e0110500_0461674.jpg


 やがて、斜面を登るようになってきましたが、テープがなくなってしまいました。あれ、おかしい?と思いながらも、進みます。GPSを見ると、登山道は右手に下るように進んでいるようです。しかし、ここでショートカットしてしまおうと、樹林の中に入っていきました。雪も締まっていて、藪こぎのようなところはないだろうとの判断でした。
e0110500_0494424.jpg
 樹林の中に突っ込んでいきました
e0110500_0502369.jpg
 急な雪面をガシガシと登りました-GPSで確認するとこの上が大岳です

 樹林の中を通り抜け、急な雪面も登り、本来の登山道に出てきました。本来の登山道は、仙人岱から八甲田清水を回ってくるルートですが、これをショートカットして、直登してしまったことになります。登山道に出てから振り返ると、石倉岳とその向こうには南八甲田連峰が見えるようになりました。
e0110500_0555440.jpg
 本来の登山道に出てきました
e0110500_0561730.jpg
 振り返ると、石倉岳とその向こうに南八甲田連峰が見えています

 登山道はしっかりとしていて、火山礫を固定した急登になっています。ジグザグを切りながら登ると、前方に小岳とその向こうに形のよい高田大岳が見えてきました。荒れた急登が終わると、鏡沼にやってきました。まだ、半分雪に埋もれていました。この沼は、大岳噴火の名残の池です。鏡沼からもうひと登りすると、大岳山頂に到着しました。
e0110500_105810.jpg
 荒れた登山道を登っていきます
e0110500_112767.jpg
 右手前方に小岳とその向こうに高田大岳が見えています
e0110500_12332.jpg
 半分雪に埋もれた鏡沼
e0110500_12335.jpg

e0110500_131931.jpg
 荒れた登山道が続きます
e0110500_13401.jpg
 山頂までもう一息です
e0110500_14980.jpg
 山頂直下に小さな祠があります

 14:30大岳山頂に到着しましたが、急にガスが巻いてきて、視界が悪くなってしまいました。本来ならば、噴火口の対岸には、形のよい高田大岳(1552m)が見え、その向こうには青森湾なども見える360度パノラマが広がっているはずです。しかし、山頂には一等三角点が設置してあり、点の記によると、点名:八甲田山、標高1584.36m、選点M28.10.4 館潔彦とされていました。かなり寒い中、20分ほど粘った回復の兆しも見えなかったので、北の井戸岳方向に下ることにしました。
e0110500_194411.jpg
 大岳山頂は結構広い平地になっています
e0110500_1103613.jpg
 山頂には方位盤も設置してあります
e0110500_119253.jpg


 ガスで眺望がなくなったことから、さっさと下山に取りかかります。北斜面もやはり荒れた道になっていますが、少し下ると雪面になっているので、キックステップでサクサクと降りていけます。すぐに大岳避難小屋まで降りてくることができました。前方の井戸岳もガスの中だったのですが、ガスが切れて姿を見せてきました。この避難小屋はログハウス風の建物で、中もきれいでした。
e0110500_1453631.jpg
 ガスの中を降りていきます
e0110500_1461060.jpg
 前方に田茂萢岳(左)と前嶽(右)が見えています
e0110500_148358.jpg
 井戸岳と大岳避難小屋が見えています
e0110500_1493079.jpg
 ログハウス風の大岳避難小屋

 大岳避難小屋からは西に向かい、下っていきます。雪に覆われているため、登山道がよく分からないのですが、GPSを頼りにして下っていきます。それまでガスに覆われていた大岳山頂もガスが切れてきました。トドマツの林の中を適当に下っていきます。平たくなってきたところがおそらく上毛無岱でしょう。振り返ると、大岳と井戸岳、赤倉岳がきれいに見えています。
e0110500_1561612.jpg
 雪面の谷を下っていきます
e0110500_1564974.jpg
 振り返ると、大岳山頂のガスは取れています
e0110500_1573556.jpg

e0110500_1574880.jpg
 この辺りが上毛無岱でしょうか-左に赤倉岳・井戸岳、右に大岳が見えています

 上毛無岱から下毛無岱へは雪がなくなり、木道が現れてきました。振り返ると、ガスの取れた北八甲田連峰がきれいに見えています。南には、南八甲田連峰の櫛ヶ岳や横岳もなだらかな稜線を見せています。
e0110500_244685.jpg
 左に赤倉岳・井戸岳、右に大岳がきれいに見えています
e0110500_234586.jpg
 南には櫛ヶ岳(左)と横岳が見えています

 やがて急な階段の下りがあり、ここを降りると下毛無岱の池塘にやってきます。まだ残雪があり、溶けた雪の中に木道が浮かんでいて、歩くと上下に揺れて不安定です。はまらないように慎重に足を進めました。途中には、ちょうど水芭蕉の花も開花していました。
e0110500_291789.jpg
 急な階段を下り下毛無岱に
e0110500_2101741.jpg
 雪解けの池塘群の中を行きます
e0110500_211588.jpg

e0110500_2111910.jpg
 水芭蕉の花が咲いていました
e0110500_2114656.jpg

e0110500_2121557.jpg
 下毛無岱にあるベンチから大岳方向の眺望
e0110500_2125850.jpg
  下毛無岱にあるベンチから南八甲田連峰方向の眺望
e0110500_2141224.jpg


 下毛無岱の木道が西から南へカーブすると、ブナ林に入ってきました。展望もなくなり、また登山道も雪に埋もれていてためはっきりしません。GPSを頼りにして進みました。何度か道を間違えそうになりながらも、最後は酸ヶ湯温泉の裏に降りてくることができました。
e0110500_217612.jpg
 樹林の中に下っていきます
e0110500_2172799.jpg
 谷を渡ります
e0110500_2174591.jpg
 ブナ林の中を行きます
e0110500_2181017.jpg
 酸ヶ湯温泉が眼下に見えてきました
e0110500_2183534.jpg

e0110500_2184859.jpg
 酸ヶ湯温泉に戻ってきました
e0110500_2191376.jpg
 酸ヶ湯温泉の料理はこんな感じでした
e0110500_1393733.jpg


100521晴れ時々くもり
1210酸ヶ湯温泉 1430大岳(八甲田山)1445 1500大岳避難小屋 1525上毛無岱 1600下毛無岱 1645酸ヶ湯温泉


by kitayama-walk | 2010-05-21 23:19 | 日本百名山 | Comments(2)
Commented by 温泉玉子 at 2010-07-16 22:55 x
kitayama-walkさん、お久し振りです。
7月は休みに雨が多く山が遠のいています、どうやら明日から好天となり梅雨明けかなと期待してます。

八甲田山付近は2000年と2004年に近くを通った程度で詳細は殆ど知らず。
劔岳点の記を見て新田次郎の小説に興味を持ち「八甲田山死の彷徨」を読んで気になった程度です、ちなみに映画の方は見た事がありません。

レポ続き期待してますが、青森は北国なだけあって5月末でも季節が遅いようですね。
Commented by kitayama-walk at 2010-07-17 02:24
 温泉玉子さん、こんばんは。
 6月中旬から1か月、よく雨にたたられて、山に行けていません。この
週末7/17-19は梅雨明けしそうですね。いきなり30度を超える猛暑に
なるようです。ということで、1か月ぶりの山行ですが、白山に登ってこ
ようと思っています。


<< 岩木山-津軽富士は素晴らしかった      素晴らしい天気に恵まれて(2日目) >>