2009年 05月 10日
久しぶりに湖北の山を訪ねてみることにしました。花の山で有名な横山岳は、美しい双耳峰が重量感たっぷりで、しかも東尾根コースはブナ林の中を歩きます。湖北の山なので積雪が多く、山開きも5月17日(毎年5月の第3日曜)ということでしたが、1週間早く登ってみることにしました。コースは、登りは白谷登山口から経ノ滝、五銚子ノ滝を経て、急登を上がって西峰(三角点峰)に着き、展望のある尾根を歩いて東峰に行き、東尾根のブナ林を下り、周回してもどってきます。 今回のお目当ては、ヤマシャクヤクの花でした。ちょっと早かった感じがしましたが、何とかきれいに咲いている花を見ることができ、満足することができました。 今回は、相棒のF田氏と修習生2人の4人での登山となりました。午前6時京都を出発し、京都東ICから名神-北陸道を経て、木之本ICで下り、R8を東に向かいます。石畳の道の突き当たりを右(南)に曲がり、さらに左(東)に曲がり、やがてR303に合流して、杉野川に沿って進みました。やがて、杉野農協前でR303を離れて左に入り(横山岳登山口の案内あり)、杉野の集落を抜けると、網谷林道に入って北上すると、やがて白谷登山口の駐車場に着きました。駐車地は道路の左右に分かれてあり、50台くらいは駐められる結構広いところでした。午前7時半に到着しましたが、右手の駐車地はすでに満車でした。まだ山開き1週間前というのに結構な賑わいになっていました。 白谷登山口からは白谷コースと東尾根コースに分かれています。今回は、白谷コースを辿って西峰に登り、東峰から東尾根コースを下るというコース設定にしました。 まずは、白谷に沿って林道を進みます。林道の脇には、たくさんの山野草が咲いていました。すぐに「白谷本流コース」と書かれた標識があります。以前は白谷に沿ってそのまま太鼓橋のところまで急登していたようですが、現在は広域林道工事のために、仮登山道を設けてあり、樹林帯の中をジグザグを切りながら急登していき、広域林道に登ることになっています。 広域林道に出ると、左に進みます。行く手には「杉野富士」と呼ばれる形のよい墓谷山が見えてきました。フジの花を見ながら15分ほど進むと、太鼓橋が見えてきました。ここには、「横山岳 白谷本流コース」という標識があり、この橋の右から本格的な登山が始まりました。 太鼓橋の右手にある登山道に入ると、白谷に沿って登っていきます。何度か渡渉しながら進むと、20分ほどで三段になった落差20mほどのナメ滝にやってきました。これが「経ノ滝」と呼ばれる滝です。その昔、修行僧がこの滝で身を清めてお経を書写したことにその名が由来しています。 しばし経ノ滝で休憩した後、滝の左側を巻くようにして急登していきます。やがて少し傾斜が緩やかになったところで、天狗岩の標識がありました。その矢印の方向(左手)を見ると、天狗岩とおぼしき岩が新緑に隠れそうになっていました。とにかく青い空に新緑がきれいです。谷沿いに登山道は進みます。ニリンソウ、イチリンソウ、ホウチャクソウ、チゴユリなどの花を見ながら登って行きます。沢を渡ったり、ロープのある岩場を登ったりしながら進みます。やがて深く切れ込んだ谷を右手に見ながら登って行くと、滝が見えてきました。これが五銚子ノ滝です。5つの滝に分かれていて、それぞれが銚子の形に見えるところから名付けられたと言われますが、あまり銚子の形に見えません。 五銚子ノ滝からも、再び左を斜面から取り付いて登ります。かなり急な坂にはロープが張ってあり、これを頼りに右にトラバースしていきます。滝の上部に出ると、ここからこのコースの本格的な急登が始まります。まずは左の尾根に取り付きます。ブナの林の中を急登して行きます。所々にロープも張られています。ちょっとした岩場の通過もあります。この時期、期待していたヤマシャクヤクの花も咲いていました。 さらに急な登りが続きます。まさに、これでもか、これでもかというくらいの急登が続くのです。体力のある若い修習生は何とかついてきましたが、F田氏は遅れ気味です(遺棄されたとか)。それでも、途中にイカリソウやフデリンドウなどの花が足元に見つかると、少しはほっとします。やがて「頂上まであと300mガンバレ!」という標識がぶら下がっているのに出会います。さらに「あと200m」「あと100m」と出てきますが、それでも急坂はやむことなく続いています。もういい加減にしてくれと言わんばかりのときに、やっと傾斜が緩やかになり、東峰との分岐を左に行くと西峰の広場に出て来ました。 西峰の山頂には二等三角点(点名:横山岳、標高:1131.72m、埋標:明治36年9月15日)がありました。また広場の奥にはプレハブの小屋があり、その屋上が展望台になっています。前方に琵琶湖、後方には白山まで眺望できると言われていますが、少し霞んでいたので白山までは見ることができませんでした。 西峰の広場でF田氏の到着を待って少し休憩した後、今度は横山岳遊歩道を東峰まで歩きます。展望は東峰の方がよいと言われています。山頂付近のブナ林を抜けると、ヤセ尾根伝いの稜線歩きとなってきます。稜線からの展望は抜群で、左手には三周ヶ岳、三国岳などの山並みが見え、右手には琵琶湖が手に取るように眺望できます。 東峰の頂上は西峰ほど広くありませんが、東西に長細くなっています。しかし、眺望は東方向には奥美濃の山々を見渡すことができます。南には、金糞岳が大きく見え、その右向こうには伊吹山も見えていました。今日はここで昼食にしました。持参した食材は牛肉、タマネギ、ピーマン、えのき、マイタケで、焼肉パーティーです。となりでは餃子焼いていました。 さて昼食後は、東尾根コースを下ります。すぐにブナ林の中に入ります。若いブナですが、結構たくさんあります。明るいブナ林でした。何かの本に「近江の山でこれだけブナ林の中を歩くコースはないだろう」と書いてありました。 ブナ林の中のコースもちょっと単調になったきたところで、ぱっと景色が開けてきて、左向こうに金糞岳が見えてきました。間もなく広域林道に下山することを示す標識も出てきました。 広域林道に下り立つとマイクロバスが1台止まっていました。運転手さんに尋ねてみると、団体さんの下山を待っているとか。そういえば、東尾根コースの中腹で10人くらいの団体さんを追い抜いたことを思い出しました。ここからは広域林道を下っていき、白谷登山口の駐車地まで戻ることになります。少し行くと、赤い欄干の橋がありましたが、この橋の名前が「夜這橋」、その脇に「夜這の水」がありました。こんなところに、何で「夜這い」なんだろう?と不思議です。 夜這橋のところからコンクリート舗装の急坂を駆け下りると、それからは山野草を眺めながら林道をとことこ歩いて白谷登山口の駐車地まで戻りました。 下山後(アフター登山)は、汗を流し疲れを癒す温泉を探しますが、今回は木之本まで戻り、「北近江の湯」に浸かりました。 本日の花 <コースタイム>090510晴れ 745白谷登山口 830林道出合 850本流コース入口 910経ノ滝 945五銚子ノ滝 1045横山岳西峰1110 1130東峰(昼食)1240 1345東尾根コース登山口1355 1400夜這橋 1435白谷登山口
by kitayama-walk
| 2009-05-10 23:46
| 比良山系
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